「ジンが飲みたくなる映画」ガーンジー島の読書会の秘密 momo8さんの映画レビュー(感想・評価)
ジンが飲みたくなる映画
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戦時中の苦し紛れの言い訳から始まったある読書会。
戦争が終わっても色々と暗い影を残す島に取材目的でやって来た作家と読書会のメンバーとの交流で秘密=戦争の爪痕を明らかにするという、ある意味反戦映画。一冊の古本から文通が始まり、人生を大きく変えるという、現代社会では到底考えられない、素敵な物語です。
まず、登場人物の持ち味が素晴らしく、誰一人欠けても物語が成立しないほど。そしてそのキャスティングの見事さ、非の打ち所がありません。私が一番好きだったのはジンを作って売っているアイソラ。鋭い感性の持ち主で?確かドーシーとジュリエットが初めて顔を合わせたときに『前世で一緒だった?』と言っていた。こんな友達が欲しい(笑)
ジンはシュニパー・ベリーで香り付けしますが、幼いキットがジュリエットの髪に小枝を挿すシーン…多分あれはジュニパーだったと思う。その髪の小枝をドーシーはそっと外して本に挟み、押し花にしておくのですが…後にジュリエットはその小枝を見つけ、その時、自分が本当に好きなのはドーシーだと気付く。だってそうよ、マークはそんな繊細さは持ち合わせてないし、それにどんな本を読むのだろう?いや、本なんか読まないかも。スクリーンからジンの香りが漂ってきそう…いや、香りを確かめたくて無性にジンが飲みたくなりました。私の2019年ベスト10に入るであろう作品です。
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