「美しい風景と閉塞感」世界の涯ての鼓動 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
美しい風景と閉塞感
主役2人の持つ、高い職業意識に裏打ちされた知的エリートっぷりと持って生まれた美形さに、圧倒されます。ただただ絵になる二人なので惹きつけられます。共感はしづらいけど。これこそ大スクリーンで見るべき作品でしょう。
離れた二人の居場所は共に、スケールの小さなレジャー気分の人間には決して近づけないところです。それぞれがお互いの短い逢瀬を反芻しながら過ごす時間の閉塞感を救ってくれたのは、地球規模の風景でした。
男女平等参画社会、原理的宗教持つどうしようもない暴力性、懐の大きい自然への畏敬と人間の科学的挑戦心、、、、現代社会を俯瞰した時に無視できない要素を背景に、今一番可能な悲恋を見せてくれたのだと思います。
ラストは各人の想像力に委ねられているので、尻切れとんぼとは思いません。
二人とも、背景の家族関係は出てきません。その意味で、全体的に抽象的な世界観が醸し出されていました。
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