「2つの世界の果て」世界の涯ての鼓動 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
2つの世界の果て
ヴィム・ベンダースはさておき、アリシア・ヴィカンダー目当てで鑑賞です。「エクス・マキナ」のアンドロイドや、「ジェイソン・ボーン」のCIA局員など、知的な役柄がよく似合うが、本作でも研究者の役。調べたら、本作は昨年公開の「トゥーム・レイダー」の前、2017年の公開だったのですね。相変わらず、お美しい。個人的には、ナタリー・ポートマンの後釜というイメージなのですが。
といった背景はありつつ席に着いたのですが、気づいたらジェームス・マカヴォイに目を奪われた。「スプリット」や「X-MEN 」が印象強いが、「アトミック・ブロンド」のスパイ役が好きだったので、本作のスパイ役も期待どおり、いや、それ以上の出来だった。
ヴィカンダーとの馴れ初めのくだりも、ようやく普通の人間っぽい場面で、彼の良さがよく出ていた。次のジェームス・ボンドは、マカヴォイが良いのではないだろうか。
さて、ストーリーはよく練られていて、美男美女の恋愛を描きながら、お互い離れ離れ、しかも極限の状態に置かれた心情をつづる。厳しい環境の中、それぞれを想い、それを糧に困難を乗り越える。
海のシーンが多いが、美しい自然の画面から、寄せては返すメッセージが一定のリズムを刻んで、心地よく描かれる。ややテンポはダルな感じだが、風景画のような自然のシーンや2人の演技で、飽きずに最後まで観れた。アリシア演じるダニーの話、マカヴォイ演じるジェームズの話、2人の恋愛の話の3本分の話を、単なる恋愛ドラマで終わらせずに詰め込んだところが、本作の面白さだろう。
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