アポロ11 完全版のレビュー・感想・評価
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50年目のリスペクト
7月20日は、これを見ようと決めていたアポロ11号完全版。完全版は何処が違うのかも分からない素人だけど。
月面着陸の#1202と#1201 のドラマは映画で観てもピンと来ず。一番の萌えポイントは月からの帰還場面だった! 2トンの燃料で月面を「離脱」したイーグルは、月軌道を26周した後、コロンビアとランデブーする。コロンビアからのカメラは、画面上部にチリの様に小さな何物かを捕らえます。徐々に姿を露わにしていくイーグル。月面での偉大なミッションを終えた2人を迎え入れるシアワセ。感動した!
科学技術と開発プロセスに数々の革新をもたらしたアポロに、心からの敬意を表して。今日見れて良かった。
世界史に残る濃密な8日間を共有できた。
生で中継も見たし、その後も見ることの多い出来事ではあった。
しかし、8日間のミッションそのものをここまで詳細にきれいな画面で見たことはない。
音声は現地のアナウンスやヒューストンとのやり取りのみが切れ目なく続く。乗船から隔離解除まで、93分とは思えない情報量だった。最近もファーストマンや50周年がらみのドキュメンタリーもみたがこれは圧巻。
今回、70年代以降見てた関連情報はミッション周辺が多かったことに気づかされる。ミッション周辺の方が直接私たちに影響を与えたのは事実。だからこそ今、月面の一歩の全体像を押さえておきたい。
まさに再現!追体験!
1969年7月20日、アポロ11号が月に着陸し、その表面を人類が初めて踏みしめてから、ちょうど50年。
当時9歳 小学3年生だった俺は、この一週間の旅を、毎晩TVの特集で見ていた。宇宙、初めて降り立つ地球以外の星。ああ、何という憧れ。押し寄せる「科学に後押しされたフロンティアスピリッツ」という魅惑。
あの頃の少年少女のいったいどのくらいが、宇宙飛行士に憧れただろうか? 自分もその一人だが、飛行士になることはなく、ロケットを飛ばすこともなかった(当たり前か)。
当時自分ではかなりTVにかじりついて見ていたつもりなのだが、所詮は3年生なので、少し遅い時間になると眠くなっちゃっていたのだろう。全部、逐一見たような記憶がない。
本作は、当時の映像をつなぎ合わせて、サターンVロケットの発射という「出発」から、月面への「到着」、そして青い地球への「帰還」までを、一気に見せてくれる。
これは、まさに当時の再現だ! それも、この偉業を当時TVで追いかけていた自分を、より完全な形で追体験できる! いやこれは、たまらない経験でした!
ちなみに俺が見た回は満席。ただし自分と近い年齢、つまり50代60代が9割近かったように思えました。幅広い層に受け入れられたら嬉しいけどなあ。
サターンV発射のシーンで氷がぼろぼろ落ちてくるシーンを「これ、『アポロ13』で観た。カッコいいCGだよね」とか言われそう…
世界(人類)映像遺産級のドキュメンタリー映画
【2019年7月28日(日)に、109シネマズ名古屋において鑑賞】
まず、映画の冒頭、アポロ11号を搭載したサターンⅤ型ロケットを載せた移動式発射台が、消防車などが並走する中、移動運搬用のクローラートランスポーターによって39発射施設の発射定点に向かって、低速度ながらも進んでいくシーンから、米ソ冷戦の副産物として生まれたものを開発するアメリカの国力の物凄さに圧巻されました。
驚いたのは、打ち上げ当日(1969年7月16日)の朝、アポロ11号に搭乗する3人の宇宙飛行士(ニール・アームストロング船長、バズ・オルドリン飛行士、マイク・コリンズ飛行士)が乗車した車両が発射台に向かっている途中に、第3段ロケット(S-ⅣB)の燃料タンクで燃料漏れが見つかり、修理を優先してカウントダウンの中止=発射の延期も検討される中、最終的には3人の宇宙飛行士が宇宙船に搭乗したため、打ち上げまでのカウントダウンを続行したままで第3段の燃料タンクの修理を行ない、最終的には発射の1時間前に修理を完了させて、燃料漏れがなくなったことを確認できた→予定通りの時刻に発射することができたという事実です。
そして、発射シーンの映像は、近年になってアメリカ国立公文書記録管理局(NARA)とNASAによって発掘された、70mmフィルムで撮影された高画質な映像も含めて、今まで見たアポロ計画のドキュメンタリー作品やドラマ作品(テレビ作品、劇場用映画作品)でのアポロ11号の発射シーンの映像よりも、迫力満点でした。
また、動力降下による月着陸船「イーグル」の月面着陸の模様の実際の記録映像は、今回、初めて、母船(司令・機械船)「コロンビア」とのドッキング解除(切り離し)から動力降下開始、そして、月面着陸までのフルバージョンで取り上げられました。
当初の予定よりも早く降下してしまった上に、そこへ「アラーム1202」と「アラーム1201」の警報が相次いで鳴った時の月着陸船の2人の宇宙飛行士(アームストロング船長、オルドリン飛行士)と、ジーン・クランツ氏をはじめとするヒューストンの有人宇宙船飛行管制センタ-の管制官たちの交信のやり取りのシーンもありましたが、緊迫した事態の中、最終的に、「コンピューターのデータのオーバーフローが原因なので問題はない。着陸は続行だ」と管制官たちが指令を下した後、降下用の燃料か残り少なくなった中、最終的にアームストロング船長が月着陸船を手動で操縦して、静かの海の平らな場所に無事に着陸させたシーンは、映画『ファースト・マン』よりも感動的でした。
何よりも圧巻なのは、月面着陸後の月面での活動(その中には、当時のニクソン大統領との電話による会談もありました)の模様よりも、月面活動を終えた2人が月着陸船「イーグル」(の上昇段)で月周回軌道に戻り、1人で留守をしていたコリンズ飛行士が乗る母船「コロンビア」とランデブー&再ドッキングする過程のシーンですが、双方から撮影された最接近→ランデブー→再ドッキングの映像を画面分割映像で描いていたのと、コリンズ飛行士が、「アームストロング船長らの月面着陸の映像を見なかったのはお前ぐらいだぞ。さぞ、孤独だったであろう」という地球上の管制官たちによる問いかけに対し、「全てのアメリカ国民の存在があったので、月の周回軌道を飛行中の『コロンビア』に1人で留守番していた時も、孤独感はなかった」と返答したシーン、そして、再ドッキング後の交信で、「再び3人が一緒になり、全員で地球に戻ることができる」と喜ぶシーンが特に印象に残りました。
さらに、アポロ11号からの最後のテレビ生中継放送の中で、アームストロング船長が、「アポロ計画に携わった全てのアメリカ人、人類初の有人月面着陸という偉業を見守ってくれた世界中の(数億人の)全ての人々に感謝します」とスピーチするシーンの映像もありましたが、このスピーチから、アポロ11号の月面着陸の偉業は、アメリカ国民だけでなく、全世界からも注目されていたことが伺えました。
ちなみに、大勢のアメリカ国民や世界各国からアメリカに来た大勢の人々が、ケネディ宇宙センターの広大な敷地内や周辺の海岸などに集まってアポロ11号の打ち上げを見守るところを映し出した映像には、日本製(オリンパス製?)のカメラを持った、日本人と思しき男性の姿も写っていました。
エンドクレジットのバックでは、アポロ宇宙船の組み立ての工程途中を撮影した映像や、地球帰還後の数週間の隔離生活から解放された後、全米各地や世界各地を周って凱旋パレードを行ない、英雄として歓迎された3人の宇宙飛行士と、彼らを迎え入れた人々の熱狂ぶりの映像もインサートされていました。
何はともあれ、現代の映像デジタル補正技術によって、50年前に人類が達成した偉業の実際の記録映像の数々が、最近の映像のような鮮、明な4Kの高画質映像となり、ドキュメンタリー映画として公開されましたが、名古屋に遠してまで、本作品を見に行った甲斐がありました。
本作品は、人類史に残る世界映像遺産的な記録映像として、後世の人類に伝え、残していくべき史上最高のドキュメンタリー映画だと思います。
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