夏、至るころのレビュー・感想・評価
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意外な佳品。
美人タレントが監督したというだけで日本の映画界は見向きもしなかったようだけど、ニューヨークではきちんと評価されていた。そう、意外に撮影が上手なんだよね。映画史的文脈をしっかり押さえているし、もちろん初監督なんだから破綻がないわけじゃないけど、照明も編集も画角もコントロールして丁寧に撮れている。 そしてここがポイントだけど、それらが物語の内容にしっかりつながっている。単に技術教本的に上手いというだけではない。池田エライザって実は映画をかなり勉強していることがよく分かるね。 脚本は、まあ気恥ずかしいくらいベタなんだが、それはこの監督のスタイル。ベテラン面した老害監督のしょうもない作品よりも、ずーっっと日本映画の未来を感じさせる映画。日本の批評家は、こういう作品をきちんと評価して自分たちで国外へ発信できるようにならないとダメです。
【”二人の高校生の心が、夏の魔法に魅せられ、世界が彩り豊かになる隙間を切り取ろう。忘れられない思い出が生まれる瞬間に寄り添おう。”By池田エライザ】
■翔と泰我は高校最後の夏を迎えていた。 2人は幼い頃から祭りの太鼓を叩いてきたが、泰我が受験勉強に専念するから太鼓をやめると言い出す。 ずっと一緒だと思っていた翔は、どうしたら良いのかわからない。 そんなある日、翔は不思議な少女・都と出会う。 ◆感想・・になってません。 ・いつものように、手元には今作のフライヤーがある。表は池田エライザさんのアップの横顔で、インパクト大である。そして、左斜め上に池田エライザ原案・監督作品とある。 ・池田エライザさん出演の映画は大体観ているが、立ち位置としては当たり前であるが、美少女役である。 ・だが、私は彼女が以前、某国営放送の番組「The Covers」の司会を今作にも登場しているリリー・フランキーさんと共に勤めていた事を「エレファントカシマシ」特集の際に観て、”マルチな才能を持った方だな。”と思った記憶がある。 <今作は、王道の青春物語ではあるが、何故か余り心に響かなかった。その理由をわざわざ記すのは野暮と言うモノでここには書かない。 だが、池田エライザさんには今後も機会が有れば、映画を撮って欲しいと思わせてくれた作品である事には、間違いはないと思う。 尚、レビュータイトルは、この映画のフライヤーの裏面に記載してあった池田エライザさんのコメントである。この一フレーズだけでも、彼女の才能が感じられるではないか。>
リズムが合わなかった
1番感じたのはリズムが合わない カメラワーク、編集、セリフ、立ち姿、、なんか合わない。 このスタイルは令和スタンダードなのか? 昭和世代との軋轢、不協和音が響く。 僕は他人にオススメは出来ないと思ってしまいました。 池田さんの事が好きで好きでたまらない人は補正されるのでは?
地元愛があふれる作品
原案と監督を務めた池田エライザのファンなので観てみました。 伝統の祭りで太鼓を叩くチームに入っている高校生の主人公。 人生にはやがて分かれ道がやってくるという、青春映画では定番のテーマを爽やかに描いていて、手堅くまとめていると思いました。 池田エライザは福岡市の出身とあるけど、田川市への地元愛があふれた作品です。 映画のポスターは髪型や角度を工夫していて、倉悠貴君が池田エライザのようにも見える。
監督やってみた
海外では、俳優が監督業へまわると、いいしごとをする。 がんらい、映画をつくりたいと思っているひとが、俳優として業界へ入ってきたのなら、彼/彼女が、まっとうな監督になるのは順当なことだ。 イーストウッド、ニューマン、ベイティ、レッドフォード、ケビンコスナー、ショーンペン、ベンアフレック、ポールダノ、ジョエルエドガートン・・・。検索すれば俳優→監督や、俳優+監督は、大勢出てくるだろう。 かれらの監督業には余技の気配がない。プロフィールに、アクターとディレクターを並列できる。アクトレスでも、ガーウィグ、ラバキ、ジョディフォスター、アンジェリーナジョリー、先般ネットフリックスで見た楽しい青春映画ブックスマートの監督はオリヴィアワイルドだった。ソフィアコッポラ、キャスリンビグロー等は監督比重が高くなった元女優といえる。 なにが言いたいのかというと、海外では、俳優だからといって、クオリティが容赦されたり、俳優であることが免罪符になるってことが、ない。 海外では、というより、今の世のなかで、プロダクトの品質が「誰某がつくったから、まあ許してやるか」という、大人の事情or予定調和がまかり通るのは、ザ日本映画だけではなかろうか。 ただし、ザ日本映画では、そもそも監督専門職でさえ、演出のイロハも知らずに映画を撮ってしまうという現実があるので、ポピュラリティの高い女優が撮った映画が「かわいい孫がつくった」みたいな、迎合的世評で覆われるのは、致し方ないところ──だと思われる。 けっきょく、つたなくて見られない本作も、日本の状況に照合すると、池田さんが撮った映画を、海外の俳優+監督の偉人たちと比較するのは、ばからしくなり、むしろ、なにをムキになって酷評してるんですか、池田さんが新型コロナウィルス禍下にもめげず頑張ってつくった映画を、温かい眼で見てやりなさいよ──という気分になってくるわけである。 そして、日本のプロダクトの多くが「なにをムキになって酷評してるんですか」という脱力感によって、酷評から免れていることに、今更ながら気づく。わけである。 (よく感じることだが、酷評ばかりしている(わたしのような)人/レビューって、第三者から見るとけっこうバカっぽい。駄作にたいしても寛容な姿勢が、理知に見える──わけである。) のんがつくったおちをつけなんせも見られたものではなかったが、のんだからまあいいのでは──の気配を形成していた。では21世紀の女の子はどうだろう?21世紀の女の子は、若手女性監督を集めたオムニバス映画である。いったい彼女たちは、どんな優位性によって、そのクオリティが容赦される──と考えたのだろう?ひょっとしたら、若くて、女だってことだろうか? 池田さんがつくった映画だということに無類の価値が生じている。それがとても日本的だと思った。演出がすごくクサい。ザ日本映画ぜんたいに言えるけれど、いったい、いつのどこで生きている人が撮っているんだろう?0点。
悩む高校生
高校3年生の翔と泰我は親友で、長年一緒に和太鼓の練習を続けてきた。ある日、泰我が受験勉強のため太鼓を辞めると言い出した。自分は何をしたいのか分からない翔の前に、ギターを持った少女・都が現れ、高校に行ってプールに入り・・・といった話。 幸せってなんだ、という事がテーマみたいだし、自分探しに悩む高校生の姿が良かった。 池田エライザが原案と初監督を務めた作品だが、そんなに違和感はなく良かったと思う。今後の作品も期待したい。 翔役の倉悠貴があまり喋らないが存在感有った。それと都役のさいとうなりも不思議な魅力が有った。祖父母役のリリー・フランキーと原日出子がほのぼのしてて良かった。
しあわせにこたえはない
池田エライザ監督 個人的に池田エライザさんが大好きなので 観ました。 鑑賞理由はそれ以上でも以下でもないです。 人生の分岐点 人には必ずあって その中で悩むことある 内容は至ってシンプル 共感もできるとこ多々 懐かしい気持ちになれたり 田川の情景とか美しく 不満はコマ割りと魅せ方かなぁ 無駄に長くみせる情景とか なんでここ引いてまでみせるの? こここんな長く見せなくても みたいなとこ多かったです 編集もうちょいうまいことやってくれたら もっとみやすかったのに とはいえ池田エライザ監督1作目 人の表情を撮るのが上手い監督ですね 2作目も見たいと思った
一瞬のようで、刹那に長い時間…
誰しもがそこを通り過ぎて行く。 過ぎてしまえば一瞬のようだが、なんとも言い難い長い時間。自分がが何者になっていくのか。焦燥感、期待、 不安、孤独、自立…。なんとなくが目に見えない未来がどんどん押し寄せてくる、あの切なさ。 田舎町での生活。どんどん自分を見つけて動き出す 周りの友人達。浮き足立つ周りに自分だけが取り残されていくたまらない不安と脱力感。 誰もが似た経験をする息苦しい夏。 何にもない町だから考えてしまう将来。 何にでもなれる若いエネルギー。 大人でも、子供でもないどっちにも行けない高校生の モヤモヤが痛い。 そこで、ある少女に出会い自分を客観視する。 主人公にだけ寄せることなく、まるでその場に自分も 居合わせているような錯覚を覚えるカット。 あの蒸し暑い夏の空の色、抜ける風、夜のプール。 何処となく懐かしく感じました。 この世代にも共感できるし、通り過ぎた大人にも あの少し苦しくてより生きてる感じが色濃い卒業間近を 思い出す。青春を感じる作品です。
なつのおもいで
2021年映画館鑑賞8作品目 1月11日チネ・ラヴィータ 原案監督池田エライザ 女優が監督やるなんてそれほど珍しいことではない 巨乳バカ説というものがあるがそもそも巨乳の分母が少ない インテリとバカの2種類しかないとしたら世の中圧倒的にバカが多い 巨乳バカ説はフェアじゃない 監督もやってみなよと女の子を唆したプロデューサーが悪い 日本映画の父は「脚本さえ良ければ監督も役者も楽」と言っていたから脚本家も悪い 池田エライザは悪くない 下積みもないのによくやった デビュー作としては上出来 だけど全くつまらない 子役が可愛かった 祭りの和太鼓が良かった 2本の煙突の前でのリリーフランキーと原日出子のやりとりが良かった 高校のプールに3人ドボンは案の定 都役のさいとうなりは珠代姉さんになんとなく似ていた エンディングテーマの前半はJ-POPじゃなくて炭坑節の方が良かったと思う 酷評にめげないで 次回作に期待
幸福論
女優の池田エライザさんが原案&初監督を務めた本作は10代で上京した自身の経験を基に、豊かな自然の福岡県田川市を舞台に、2人の男子高校生が自らと向き合って幸せな人生を歩むべく、葛藤していく様を繊細にリアルに描いていく。 主人公の大沼翔は今まで幼馴染みで親友の平川泰我の後を金魚のフンのようにくっ付いて歩んできたが、高校3年になって泰我が受験勉強に専念すると言って一緒にやってきた太鼓も辞めてしまう。 人生の羅針盤のような泰我と一緒に歩むことが難しくなった翔は大いに惑い、これからの行く末に悩む。 本作では歩む道が分かれる2人が、そのことにどう考え、どう行動していくかの顛末を、彼らの周りの人々のドラマを交えて描いていく。 そのドラマでは何度も「幸せとは何か」という問い掛けが出てくる。 それは緑の鳥であったり、或いは2本の煙突であったり、またはパプリカのピクルスであったり、そしてパートナーの横顔であったりする。 監督の若い頃の分身のような不思議な少女・都が、この葛藤する2人の高校生の心に波紋を投げ掛ける役割を果たしているが、紆余曲折の末に彼らは或る決断をしていく。 2人がその迷いを吹っ切るようなラスト近くの夏祭りでの和太鼓の力強いパフォーマンスが心に残ります。
超マイルドSEVENTEEN’S MAP
太鼓に勤しむ男子高校生が「幸せ」とは何かを考える話。 何でもこなしかっこ良い友人の泰我が、受験があるからと太鼓をやめると言い出して、一方翔は何も考えられず、「〇〇になりたい」というなりたいもの、思いを問われ、空気と言い出してというストーリー。 翔を軸にストーリーが展開して行くけれど、無表情、無活力な上に、思想を述べるどころか、それ程多くを語らない人物であり、悩んでいる様があまり伝わってこず。 泰我の吐露でやっとモヤモヤが拡がった感じがしたけど…。 翔の人物像が泰我の思うそれと重ならない…。 しかもそこ、キレるところでも…ねぇ。 まあ、青春のむず痒さみたいなものは伝わってきたし、こういうのは嫌いじゃないけど、ちょっと起伏が足りないし、登場人物の魅力も足りなく感じた。
ツッコミどころが多くてモヤモヤ
多彩な池田エライザさん
勢いのある若手女優が監督を務めたという話題性の高い本作ですが、決して上げ膳据え膳のお飾り監督ではなく、エライザさん自身がしっかり制作に関わっている姿勢は尊敬に値します
きっと現場で共に汗して、チームで映画を創作していくことが大好きな人なんだろうなと想像します
まだお若いのに立派で、ますますこれからの活躍が楽しみな才能です
そんな監督への個人的な興味はもちろん、本作はSNS上での評判がよいので期待を持って見てみたのですが・・・
ピクルスや小鳥、笛、ギターなどの小物使いがさりげなく効いていたり、崎山蒼志氏の書き下ろし楽曲をテーマに持ってくるあたりはさすがだなと思いましたし、照明や色使いなどはとてもきれいで印象的なシーンはいくつかあったものの
うーーーん
決して悪くはないんだけれど、また見返したくなる映画か?と聞かれたら「一回でいいな」というのが正直な感想でした
まず、メインキャスト3人の心理描写が圧倒的に不足しており、心情の変化に合わせた決定的なシーンに対して共感・没入できるポイントがない
(あえて余白を多めにしたとも想像できるが、それにしても少ない)
この映画のハイライトと思われる、プールでのシーンに行き着く時間の流れに無理がある
(食堂でお昼を食べて→ギターを持った少女に遭遇して→学校に忍び込んで・・・、でいきなり夜!夏の設定なのに日が暮れるの早すぎない?)
主人公の両親が若すぎて、ミスキャスト感がある
(なぜか主人公と父親の間に距離感があり、連れ子なのかな?と余計な想像ばかり膨らんでしまう)
ラストでなぜ主人公は単身海外に行ってしまうのか
(そんな片鱗あったっけ?しかも子供が旅立つというのに両親や祖父母は見送りもしないの?)
あと何と言っても最大のモヤモヤは、「そもそも田川って、そんなにピュアな街じゃない」
(映画では田川独特の土着的な匂いが消え去っており、美化されてる)
いろいろ考えた末、本作はファンタジー映画として捉えたほうがいいのかもしれないという個人的な結論に至りました
次作に期待です。
原案 監督 池田さん。ってだけが鑑賞欲の全て。池田さんの歌声聴いてから虜モードになってしまい、表現者としての映像作品が気になって気になって。 まず、一本作品として認められるものを撮ったことにあっぱれです。尊敬レベルです。合っているか否かはわかりませんが、画面から伝わってくるものがありました。 表現出来てるってことですよね? さて、本作。 池田さんの思い出映像というか、あー、私こんな感じだったなぁ〜、こんなこと考えてたなー、悩んでたなーを池田さんの好きなモノや、いいな!って思うモノで囲んだり、並べながら綴りました。って感じの作品でした。 なんか、池田さんが自分で作ったスクラップブックを見た感じです。 主人公はきっと、その頃の池田さんなんじゃないかな?って勝手に思ってます。 良くも悪くも、20代前半の若者の高校の頃の思い出話を聞いてるんじゃないかな?って。 だから、お話としては、うーむ、、、、。 なんだろ、青臭い。 けど、それを表現したかったのなら、流石!って言えるけど、映画にするほどのお話かな?って思いました。 失礼な言い方ですが。 キャスティングも重要な演出説を私は強く支持しますから、リリーさん、原さんをキャスティングできたことは大きな成果です。彼らがいなかったら、、、と想像すると、、、ゾッとします。 このテーマならもっと掘り下げられたんじゃ?とか、あのラストは何かスイーツ女子、スイーツ男子の帰着点バリバリで、妙に安っぽく見えます。 思い出話なんだよなー、全体の印象が。 飲み屋で新卒3年目の後輩の昔話を聞いてる感じ。 池田さん、脚本を書いて撮ったらいいんじゃないかなー? 次作に期待。
【高3、夏。2020夏。夏の記憶】
たくさんの人の記憶を呼び起こすような作品だと思う。 高3の夏。 特に、事件などあったわけではない。 しかし、自分は何者なのか、一体これからどうすべきなのか。つい先を急いでしまうタイガ、つい立ち止まってしまう翔、そして、戻ろうとする都の、それぞれの気持ち、そして、その対比や葛藤が、実は、僕達一人一人が経験した全てのようで、それは何か選択を迫られた夏の記憶として蘇る。 高3の夏。 僕は、秋にも大会があって、陸上競技の練習を続けていた。 受験は夏が勝負と言われても、ピンとこない自分がいた。 練習休みの日に、彼女と海に出かけたのが、唯一の楽しい思い出だ。 後で、引き出しにしまっていた彼女のビキニの写真が母親に見つかって、変な目で見られた記憶もある。 2020年夏。 コロナ。時間が出来た。 昔、通っていたパーソナルトレーニングジムのトレーナーに、もし高校時代、僕がこのジムに通っていたら、もっと早く走れるように出来たと言われたことを思い出して、その時真剣に考えていなかったメニューを思い出しながら、毎日のようにトレーニングした。 普段からの身体の動きが変わった。 トレーナーの言っている意味が分かった。 多分、運動全般に良い影響を及ぼすと思った。 別に、高校時代にどうすべきだったとか後悔などない。 ただ、身体の動き自体が変わったということが発見出来て嬉しいのだ。 高3の夏、がむしゃらに練習していた自分と、2020年夏の自分の取り組みが、どこかでつながって弾けるような気がした。 翔がバックパッカーとして外国に旅立とうとする場面がある。 バックパッカー経験者として言いたい。 これをしたからといって、正解を導き出せるわけではない。 ただ、その経験をかみしめながら、いつか、ハッとすることがあるのだ。 高3の夏。 急ぐ気持ち、立ち止まる気持ち、後戻りしたくなる気持ち。 全て、僕達の気持ちだ。 そして、僕達の記憶だ。 もっと注目されても良い作品のように思う。
23歳が作ったとは思えない
賛否色々ありますが、個人的にはここまでのクオリティーで作り上げ、昔の学生時代の思い出や大人になるとはどういう思いだったのか?夢とは何か?幸せとは何か?など色々考えさせられた深い映画でした。 映画を通して前向きになれた作品です。 哲学的な感覚を刺激されました。 ありがとうございました。
繊細な視点から素直に丁寧に描かれる真夏の青春映画でした。
うだるような暑さの中で蝉の声が鳴り響く公園。不安定なネットで作られた遊具の上で会話する主人公とその親友。夏休みを機に親友は受験に専念するために主人公と一緒だった和太鼓の稽古場には行かないことを宣言する。戸惑う主人公。
この心が不安定な心の揺らぎが表現されていた素敵な導入部だった。
彼は自分の将来の夢を「空気」と教室で答えてしまう。この「空気」という言葉が様々な語り口で観客に提示される。『幸せの青い鳥』のエピソード。じいちゃんの夢として語られる、おばあちゃんのことを大事にすること。食卓を家族で囲むこと。家族との時間を大切にすること。自分の内側と向き合うこと。(この映画は確かにボーイミーツガールの展開もあるが、そこでの女性との出会いは恋や愛だのという流れではなく、あくまで一過性の出来事に過ぎず、自分の内面について見つめ直すきっかけを与えてくれたというのが面白かった)たとえ物理的に離れることになっても、離れてしまっても遠くからでも側にいても大切な人のことを想うこと。こうした想いを持つ存在になることを「空気」の意味として形を変えて散りばめらている。この映画は池田エライザのスタンドバイミーだった。
・飼っている鳥と戯れているリリー・フランキーの縁側のシーンは美しかった。声が漏れてしまった。あのカットのラストの一言はアドリブだったのだろうか?
・シャッターの閉まった商店街を主人公と親友で自転車を転がしながら話をするシーンは一番良かった。
・デビュー作がこのクオリティというのは素晴らしいと思う。
・両津勘吉のお化け煙突を知る昭和世代に注意。ハンカチ必須。
刺さる人にはしっかり刺さる
期待以上の良作で見て良かった。 この作品はとても純粋で思春期の葛藤とか不安とか感情をダイレクトに伝えてくる作品で、某映画では泣かなかったけど、ガチ泣きしました。 正直、どこにでもある青春映画だけど、変にロマンス要素がない分、主人公の心の中が私には伝わってきた。 エライザ監督は映画監督向きでは無い思う。 だけど自分の半生を、これまでの経験を沢山詰め込んでくれたんだと思う。 それを音楽とかいろんな人が支えて出来た映画なんだろうな、と感じる。 エライザ監督、あなたは良い映画をしっかり世に送り出しましたよ。 出来るだけ多くの人に映画館で見てもらいたいと思う。
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