工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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ファン・ジョンミンは確かに素敵
だけど、ちょっとシナリオが甘かった。
上映館が少ないせいもあってか、週末のシネマートはパンパンで、事前の予約をした方が良さそう。
南北の友情を求める今の韓国の気分にはフィットしてるのかもしれませんけど、潜入ものとしては「ベルリン・ファイル」や「新しき世界」ほどとは言えないかと。
北の核開発の証拠を得るために潜入する実在の工作員をモデルにしたフィクション。
劇中では日本は空気でしたが、当時の大統領選を巡る疑惑は、なんか日米の関係性とかを想起させます。
将軍様が登場する映画としては(時代が違うけど)Netflixオリジナルの「鋼鉄の雨」のがハードで良かったなあ。
ブレイク・スナイダー的に言うなら「組織の論理(vs個人)」にあたるプロットなんだろうけど、その相克や緊張感が今ひとつ弱いという。
でもまあ、もちろんこのラストは腐女子的に号泣もので、八甲田山的な男と男が再会できるのか…みたいな企画が成り立つこと自体に感動してしまう。
そういう意味でも韓国映画が大変うらやましくなりました。
大義より保身
圧巻でハードな作品。
『反日』や『北風』を掲げないと国体が維持できない、そんな悲劇の国家
結局は黒星なの?金星なの?
実際のスパイ活動なんてこんなものなんだと実感できる作品でした。実業家を演ずるために金には糸目もつけないで大胆に交渉を行うパク・ソギョン。ボディチェックを受けることはわかっているのでトイレにテープレコーダーを隠しておいて・・・といった件もありがちだけど緊張感がありました。まだICレコーダーが出回ってない時代なんですね。盗聴機器を仕掛ける様子もスリリングだったけど、FAXまで盗み出しているとは驚き!
目的は北朝鮮の核施設を見つけることだったけど、貧困の実態を思い知らされ、死体の山を見たときはゾ~っとする以外にない。そして、案内してくれた男にも隠しマイクが仕込まれていて、即座に左遷させられる(殺されたかもしれないけど、不明のまま)。ソギョンとすれば、かなりスパイ活動に慣れてきていたのでしょうね。
まぁ、ここまでは普通のスパイものステレオタイプといったところでしょう。衝撃を与えてくれたのはキム・ジョンイルと会談したときに、韓国大統領選に絡んで、板門店での武力行使やミサイル発射は韓国側の要請によるものだったこと!これは史実かどうかはわかりませんけど、能天気なジョンイルの顔を見るとあり得ないことではない。しかも360万ドル。金銭感覚もちょっと頭が混乱しそうですが、最初に出てきた大学教授が月給10ドルとか言ってたし、わからないものです。
そうやってひたすら北の危機を煽る保守陣営にとってはミサイル実験が欲しいところなんでしょうけど、考えてみれば日本海や日本に向けて発射されたミサイルも日本の誰かが北朝鮮に頼んだんじゃないかという疑惑も浮かんできます。世の中、特に対外関係に関しては自国の一方的目線で見ると、見えなくなってくるのかもしれません。それにしても、南北融和をこんなに嫌がってる国の人間がいるんだなぁ・・・
一言で凄い映画だった
本作品、凄い内容です。大変に見応えのある内容にびっくりしました。
一応、フィクションらしいですが、しかし、元にある人物や土台になる話があるのだから、まんざらではないと思いますが、20年も前「シュリ」で初めて南北の事情を目の当たりしてから、毎度、南北問題の映画に関しては驚かされますが、本作品もとにかく内容にびっくりです。
まず、映画と言う観点から見ても、テンポがよく、カメラアングルもよく、飽きることなく見てられるし、出ている役者さんの演技が大変に素晴らしいです。
私にとって、日本人にとって、本作品の南北問題の内容は大変にショッキングです。
また、北の中にもグイグイ入って行きますが、結局、ヒトラーの遺伝子を持った奴が、ゴロゴロしているんだろうな・・・・
一般人の事情も出てきますが、絶句・・・・・・
しかし、韓国映画って、この手の南北問題を取り上げると、殆ど秀作が生まれますね。
本作品も、日本人として悔しいけれど、本年度一番に良かったな・・・・・
邦画の今の状況を思うと何とも情けない・・・・・
結局、本作品で言いたい事は、北も南も一般人の想いはひとつなんだろうと、しかし、南北問題を個人的な観点や利益、政治利用している状況は何とも言えないな・・・・・見てて、悲しくなるね・・・・
北も南も国自体が、腐食しているんだろうね。
なんて巧妙な!何度も何度も思い、ドキドキしっぱなしだった。 スパイ...
興味深い話
2019-72
すごいものを見た。
チュ・ジフン오빠를 보고 싶어😍
とまぁいつもの軽い気持ちで観に行って、心がずっしりと重くなって返ってきました。
ラストシーンに湧き上がるあの感情はなんだろう...
心の底から汗が上がってくる感じで、エンドロールが終わってもぱっと立ち上がれませんでした。
アクションの一つもない、政治ドラマ。
派手さはないのに吸い込まれ、頭をフル回転させて2時間超集中。あほ、体力消耗しました(笑)
まるでドキュメンタリーを観ているようなリアリティがあります。あのお方のお出ましシーンでは、劇場の空気もピリついた気がした。
ニュースではちらっとしか映らない北朝鮮の内部、平民の生活もガッツリ映しているし、なかなか挑戦的だと思います。
色々と、日本映画には出来ない部分を感じました。
所長を演じたイ・スンミンさんの演技が特に素晴らしい。
この役、すごく難しいと思います。
日本人にはわからない難しさがあると思います。
陰の主役は彼ではないかと。
とても魅力的に演じていて、だからこそラストシーンはぐっと来ました。
政治的なことは書きたくないし、書けるほどの知識がないのですが、
この二人がこの瞬間感じたであろう思いが、いつの日か、どこに行っても普遍的なものになっていてほしいな。
文句なしにおもしろかった
スパイ活動にドキドキしながら男の友情に感動
異国の同志
1990年代に実在した黒金星と呼ばれた工作員をモデルにしたフィクションで、北朝鮮の核開発を巡り送り込まれた韓国国家安全企画部の工作員の話。
工作活動の為に過去を消し事業家としての実績をつくり上げていくところからはじまり、北朝鮮の対外経済委員に近付いて行く、実際の出来事の背景に何があったかという体のストーリー。
丁寧につくられおり一つ一つのシーンや展開は面白いが、丁寧過ぎて前半で少々ダレてくる。
感情優先だったり掌返しを平気で政治にも持ち込むし、半洗脳的教育がされているこの国で少人数しか知らない様な後ろ盾を信用しなければならない不安って…。
将軍様登場からは緊張感も増してきて、1997年の大統領選も交えてドロドロ、モヤモヤもあり中々楽しめた。
この作中では描かれていないけれど、歴代大統領のその後とかを考えると、ホント面白いし不思議な国だ。
実話をもとにした映画
国の為に命をかける男達が織りなす張り詰めた心理戦
1993年、北朝鮮が核開発をしているのではないかという憶測から朝鮮半島の危機が高まっていた。核開発の確かな情報を得ようと画策する韓国の国家安全企画部はパク・ソクヨンをスカウト、彼を実業家に仕立てて北京へ派遣、北京駐在の北朝鮮高官に接触させ上層部とのコネクションをつかませることを画策する。用心深い高官と側近の目を欺く為に慎重に距離を詰めるパクはようやく平壌へ乗り込むことに成功、確固たる信頼関係を築くが時は既に1997年。韓国大統領選を前にして南北間である密約が交わされパクは窮地に陥る。
アクションシーンの1つもない地味なドラマですが両国の政治的な思惑が錯綜する中で国家のために命をかける男達が緊迫した心理戦を繰り広げ、やがて自分達にはどうにも出来ない歴史のうねりに飲み込まれる様が圧巻。南北の対立だけを軸にしているわけではなく、朝鮮半島の複雑な歴史を背景に睨み合う男達の胸にある思いには実は南も北もないという人間ドラマが胸に突き刺さります。大傑作です。
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