工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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結局は黒星なの?金星なの?
実際のスパイ活動なんてこんなものなんだと実感できる作品でした。実業家を演ずるために金には糸目もつけないで大胆に交渉を行うパク・ソギョン。ボディチェックを受けることはわかっているのでトイレにテープレコーダーを隠しておいて・・・といった件もありがちだけど緊張感がありました。まだICレコーダーが出回ってない時代なんですね。盗聴機器を仕掛ける様子もスリリングだったけど、FAXまで盗み出しているとは驚き! 目的は北朝鮮の核施設を見つけることだったけど、貧困の実態を思い知らされ、死体の山を見たときはゾ~っとする以外にない。そして、案内してくれた男にも隠しマイクが仕込まれていて、即座に左遷させられる(殺されたかもしれないけど、不明のまま)。ソギョンとすれば、かなりスパイ活動に慣れてきていたのでしょうね。 まぁ、ここまでは普通のスパイものステレオタイプといったところでしょう。衝撃を与えてくれたのはキム・ジョンイルと会談したときに、韓国大統領選に絡んで、板門店での武力行使やミサイル発射は韓国側の要請によるものだったこと!これは史実かどうかはわかりませんけど、能天気なジョンイルの顔を見るとあり得ないことではない。しかも360万ドル。金銭感覚もちょっと頭が混乱しそうですが、最初に出てきた大学教授が月給10ドルとか言ってたし、わからないものです。 そうやってひたすら北の危機を煽る保守陣営にとってはミサイル実験が欲しいところなんでしょうけど、考えてみれば日本海や日本に向けて発射されたミサイルも日本の誰かが北朝鮮に頼んだんじゃないかという疑惑も浮かんできます。世の中、特に対外関係に関しては自国の一方的目線で見ると、見えなくなってくるのかもしれません。それにしても、南北融和をこんなに嫌がってる国の人間がいるんだなぁ・・・
一言で凄い映画だった
本作品、凄い内容です。大変に見応えのある内容にびっくりしました。 一応、フィクションらしいですが、しかし、元にある人物や土台になる話があるのだから、まんざらではないと思いますが、20年も前「シュリ」で初めて南北の事情を目の当たりしてから、毎度、南北問題の映画に関しては驚かされますが、本作品もとにかく内容にびっくりです。 まず、映画と言う観点から見ても、テンポがよく、カメラアングルもよく、飽きることなく見てられるし、出ている役者さんの演技が大変に素晴らしいです。 私にとって、日本人にとって、本作品の南北問題の内容は大変にショッキングです。 また、北の中にもグイグイ入って行きますが、結局、ヒトラーの遺伝子を持った奴が、ゴロゴロしているんだろうな・・・・ 一般人の事情も出てきますが、絶句・・・・・・ しかし、韓国映画って、この手の南北問題を取り上げると、殆ど秀作が生まれますね。 本作品も、日本人として悔しいけれど、本年度一番に良かったな・・・・・ 邦画の今の状況を思うと何とも情けない・・・・・ 結局、本作品で言いたい事は、北も南も一般人の想いはひとつなんだろうと、しかし、南北問題を個人的な観点や利益、政治利用している状況は何とも言えないな・・・・・見てて、悲しくなるね・・・・ 北も南も国自体が、腐食しているんだろうね。
なんて巧妙な!何度も何度も思い、ドキドキしっぱなしだった。 スパイ...
なんて巧妙な!何度も何度も思い、ドキドキしっぱなしだった。 スパイだからこそ、真の底から築き上げて行く関係がだんだんと清々しく、他国のスパイ映画とは一味も二味も違うと感じた。 こういう作品を観ると、正義感こそ全てみたいな熱い気持ちに包まれてしまう。
面白かった
スパイ映画として秀作です。金正日役の俳優も好演、リアルに演じている。セット、ロケ、役者の演技は、どれも水準以上に出来上がっています。日本人として悔しいが、今の日本映画ではこれだけのスパイ映画は作れないと思う。いつまでも、テレビドラマ程度で済む、内容の貧弱な、低水準の三流、四流映画を作っていると、腕が鈍って、一流のものが作れなくなる職人と同じです。
また、諜報員というのは”二重スパイ”だということを、何気なく教えてくれるところが憎い。
興味深い話
最初に実話をもとにしたフィクションと断わりがあるのでどこまで本当なのかは判らないが、いろいろ興味深い話がテンコ盛りな内容だった。 特に大統領選挙の際の北との関係なんかは、本当だとしたらビックリです。 互いにスパイを送り込んだりしているのに、裏ではそんなことをしているなんて。 かなり長い映画ですが、最後までダレずに見れました。 ただ、映画として面白いかというと、どうなんだろう。 興味深い話であることには違いないんだけど、、、
素晴らしかった
真逆の立場でありながら同じ綱を渡った男どうしで通じ合い、友情という言葉だけではくくれないような感じが素晴らしかった。スパイでありながらキムジョンイルに面会するまでに上り詰めていたのに、それほど成果がなかったような。もうちょっと頑張れば体制を揺るがすことができそうなのにそうでないところが非常に実話っぽかった。
主人公の苦さ:7、甘さ:3くらいな顔と声がよかった。
2019-72
すごいものを見た。 チュ・ジフン오빠를 보고 싶어😍 とまぁいつもの軽い気持ちで観に行って、心がずっしりと重くなって返ってきました。 ラストシーンに湧き上がるあの感情はなんだろう... 心の底から汗が上がってくる感じで、エンドロールが終わってもぱっと立ち上がれませんでした。 アクションの一つもない、政治ドラマ。 派手さはないのに吸い込まれ、頭をフル回転させて2時間超集中。あほ、体力消耗しました(笑) まるでドキュメンタリーを観ているようなリアリティがあります。あのお方のお出ましシーンでは、劇場の空気もピリついた気がした。 ニュースではちらっとしか映らない北朝鮮の内部、平民の生活もガッツリ映しているし、なかなか挑戦的だと思います。 色々と、日本映画には出来ない部分を感じました。 所長を演じたイ・スンミンさんの演技が特に素晴らしい。 この役、すごく難しいと思います。 日本人にはわからない難しさがあると思います。 陰の主役は彼ではないかと。 とても魅力的に演じていて、だからこそラストシーンはぐっと来ました。 政治的なことは書きたくないし、書けるほどの知識がないのですが、 この二人がこの瞬間感じたであろう思いが、いつの日か、どこに行っても普遍的なものになっていてほしいな。
所長~!
韓国の現代史に詳しくないとわかりづらい部分もありました。
例えば、なぜそんなにメイドインノースコリアにしたいのか観ているときはわからなかった。
パンフレットに時代背景や用語解説が載っていたので事前に読んでおけばもっと楽しめたと思います。
でも、細かいところまで分からなくてもパクと所長の漢の友情に号泣でした。特に所長がカッコよく、実質的な主役はこの人ではないかと。最初は東京03の人に似てるなーくらいにしか思ってなかったですが、徐々にその漢気に惚れてしまいました。
また話の中核部分である、選挙になると与党が危機を煽るというのはどこの国でも同じなんだなと暗澹たる気持ちになりました。『ザ・キング』でもそこら辺のことは描かれていましたが、こちらの方がリアルではるかにぞっとしました。
文句なしにおもしろかった
非常に良いストーリーだった 韓国の現代史を知らないと 理解しづらいトコもあるかも知れない。 非常に映像に凝っていて ピョンヤンのシーンや北朝鮮国内の シーンなどは本当に現地で 撮影したかのようだった。 ただその中で、キムイルソンバッチの デザインが当時の物と間違っていたり (キムイルソンとキムジョンイル描かれたものは 当時はまだ使われてなかった、また 朝鮮労働党のマークがない) ピョンヤンのシーンで当時建設途中で 放棄されていた柳京ホテルが建設工事 再開後のものだったり、細かいところでは あるが間違えているところもあった。
スパイ活動にドキドキしながら男の友情に感動
黒金星と呼ばれた対北朝鮮工作員の話なのだが、どこまで本当なのかと戸惑ってしまう(かなりの部分本当にあった気がするけど)。ニュースの断片的な映像でしか見ることのできない北朝鮮の町並み、独裁国家の異様さ、市民生活の格差・惨状が映像化されているのはなかなかすごいことだ。 スパイ活動にスリルはつきものだから、ところどころ出てくる緊迫感あふれるシーンはよかった。さらによかったのは男同士の友情。南北分断の状況を使った映画は友情ものになりやすいいよなと思いつつ、最後は感動してしまった。 ファン・ジョンミンもはずさない俳優だな。
異国の同志
1990年代に実在した黒金星と呼ばれた工作員をモデルにしたフィクションで、北朝鮮の核開発を巡り送り込まれた韓国国家安全企画部の工作員の話。 工作活動の為に過去を消し事業家としての実績をつくり上げていくところからはじまり、北朝鮮の対外経済委員に近付いて行く、実際の出来事の背景に何があったかという体のストーリー。 丁寧につくられおり一つ一つのシーンや展開は面白いが、丁寧過ぎて前半で少々ダレてくる。 感情優先だったり掌返しを平気で政治にも持ち込むし、半洗脳的教育がされているこの国で少人数しか知らない様な後ろ盾を信用しなければならない不安って…。 将軍様登場からは緊張感も増してきて、1997年の大統領選も交えてドロドロ、モヤモヤもあり中々楽しめた。 この作中では描かれていないけれど、歴代大統領のその後とかを考えると、ホント面白いし不思議な国だ。
実話をもとにした映画
スパイ映画としては凄いアクションはありませんが、緊張感のあるなかなかの秀作に感じました。実際のニュースに接していた年代としては、日本で平和に暮らしていた時に隣の国であのようなことが実際にあったのだと、驚きました。映画なのでフィクションも結構はいっていると思いますが、その時代の流れはよく解りました。今度は映画館に家内ともう一度見に行きます。細かい演技の部分も楽しみます。
近くて遠い、言い尽くされている。
この作品は、国家安全企画部に所属していた実在のスパイをモデルにした対北朝鮮工作の様子を描いた実録的映画になっている。
話自体は、面白くできていて、彼が、北朝鮮の幹部に気に入られ、当時の北朝鮮の国家主席にまで面会が出来る立場になる様子は、息をもつかせない緊張感があるが、これはどうして?となるような場面もあり、例えば、高官とのやり取りを録音するための小型録音機を手首と足首にまくシーンでは、日本を代表する電機メーカー“SONY”のロゴがバッチし見えるところなどがある。韓国の電機メーカーではないというか、スパイの工作用機器を自国で作らないのかという単純な疑問もわく。
その当時の国家主席のクリソツさんが登場して、焼酎かウイスキーか知らないが、その方が、いちいちガブ飲みをするところがでてくるし、愛玩犬はマルチーズ?なんて。この映画が韓国製で韓国から見た冷静な映画のようでそうでもないのがわかる。
しかし、評論家はもちろん一般の視聴者からもまたamazon.comのレビューもほぼ満点に近い評価をもらっているので、個人的なレビューは無視してもらっても構わない。
最後のシーンは、ある意味、感動を呼ぶ作りとなっている。
国の為に命をかける男達が織りなす張り詰めた心理戦
1993年、北朝鮮が核開発をしているのではないかという憶測から朝鮮半島の危機が高まっていた。核開発の確かな情報を得ようと画策する韓国の国家安全企画部はパク・ソクヨンをスカウト、彼を実業家に仕立てて北京へ派遣、北京駐在の北朝鮮高官に接触させ上層部とのコネクションをつかませることを画策する。用心深い高官と側近の目を欺く為に慎重に距離を詰めるパクはようやく平壌へ乗り込むことに成功、確固たる信頼関係を築くが時は既に1997年。韓国大統領選を前にして南北間である密約が交わされパクは窮地に陥る。 アクションシーンの1つもない地味なドラマですが両国の政治的な思惑が錯綜する中で国家のために命をかける男達が緊迫した心理戦を繰り広げ、やがて自分達にはどうにも出来ない歴史のうねりに飲み込まれる様が圧巻。南北の対立だけを軸にしているわけではなく、朝鮮半島の複雑な歴史を背景に睨み合う男達の胸にある思いには実は南も北もないという人間ドラマが胸に突き刺さります。大傑作です。
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