工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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力がある映画は、想像力をインスパイアしてくれる
どこまでがフィクションで、どこまでが実話か、なかなか微妙な映画です。 調べてみると、ブラックビーナスは実在したようで、パク・チェソ氏という人物。通信社が、インタビューしています。1997年、韓国の大統領候補者の支持者が、4億円を北朝鮮の役人に渡し、投票日の数日前に武力攻撃を依頼した、というのです。 韓国の大統領選挙が近くなると、北朝鮮は軍事的な威圧を強めることが多く、それは「北風現象」と呼ばれているそうです。 考えてみれば、北朝鮮のキム一族にしてみると、韓国・アメリカなどと軍事的緊張関係にあった方が、国内を引き締め、自分たちの地位の安定化が図れる。民主化をすると南北朝鮮は統一、キム一族は地位を追われ在任中の犯罪を訴追される、でしょう。 一方、韓国の保守系政治家や軍人、軍需産業界としても、北朝鮮との軍事的緊張があることによって受けられる利権が多くあります。敵と相互依存の関係。相思相愛です。 とすると、大筋においてこの映画は、真実なのかもしれない。少なくとも、証言と動機はある、と言えそうです。 そういえば、アメリカのトランプ大統領は、金正恩が大好き。表に出せないようなディールでも、独断で快諾してくれるとするなら、アメリカと北朝鮮は敵対しても、トランプと正恩は良きバディーでしょう。 もしそうなら、日本と北朝鮮にも、同じ構図があっても不思議じゃない。よくミサイルが飛んで来ていましたよね。公立の学校で、ミサイル攻撃に対する避難訓練まで行われていました。あのころ、改憲をライフワークにしていた総理大臣は、ちょっとは嬉しかったのかもしれません。北朝鮮が緊張をもたらすたびに、改憲に一歩近づいた、って気持ち。人の心は、多面的ですから。 さらに一歩踏み込んで言えば、機密費を使って…。 うーん、やめときましょう。決めつけちゃあいけません。ただ、あらゆる可能性を考えておくことは、未来への力になるはずです。 こんな想像もこの映画の楽しみ方の一つ。こうした映画が作れる韓国、韓国映画界の底力、なかなかのものじゃないでしょうか、ねぇ。
こんな映画撮ってしまう韓国は凄い!
停戦状態で今も38度線で睨み合って敵対している北朝鮮🇰🇵にカメラを入れて撮影したんですよね?そもそも北朝鮮がよく許可したな、と驚きである。しかもキムジョンイル(凄く特徴捉えてソックリ)まで登場させている。よく制作できたな、と感心する。 北朝鮮の平壌の街、キムイルソンの銅像の巨大さは目をみはるものがある。それに比べて庶民の暮らしは、、、死体の山にはゾッとする。 黒金星は実在の人物で、実際にスパイ行為はあった事。では何処からがフィクションなのか🤔 韓国が北朝鮮にスパイを送り込んでおきながら、裏では大統領選挙に関する裏取引?を画策していたことは事実? 私の脳内🧠では理解が追いつかない😩難しかった。 韓国のパクと北朝鮮のリ所長、お互い疑心暗鬼だったのが、パクがスパイと気が付いた時には友情が芽生えていて、リ所長はパクを脱出させてくれる。 リ所長は殺されてしまったのではないかと思い続けていたパクが5年後にリ所長と再会する場面は感動的!腕時計とタイピン、何も語らなくても男は眼と眼で心が通じる。カッコいいラストだった👍 今回、思ったこと。日本映画は韓国映画にまだ追いつけない。がんばれ、ニッポン!
正統派スパイ映画
「コクソン」「新しき世界」などで 非凡な演技を見せてきたファン・ジョンミンが、 またもや、個の力を見せつけている。 とにかく安定感があるが、今回は 人間的な魅力を振りまくのではなく、 表と裏の使い分けが素晴らしい。 抑制しすぎず、わざとらしすぎず、 ギリギリの線がすばらしい。 アクションシーンはないが、 緊張感が最後まで保たれて また見たいと思わされた。
韓国映画の底力が素晴らしくて見事です。ハリウッド映画に負けてません!
まだ緊急事態宣言が出る前のタイミングで、私が、、 兵庫県の名画座みたいな劇場で韓国映画上映してるから旅行がてら行こうよ! って友達を誘ってみたら、友達が帰りに南京町でご飯食べよう!ってなり早朝出かけました。 このサイトの情報から何となく観たかった映画です。 と言っても、私は日本人でどちらかというと日本映画かハリウッド映画しか観ないし、ちょっと苦手要素があったりして韓国映画はスルーしていました。 けれど、旅行できない国(北朝鮮、イラク等)には興味津々で、何としても大スクリーンで観たい!と思いました。 まずは凄いの一言ですね。 役者さんのキャスティングというか韓国の芸能情報0なのですが、皆さんがそれぞれの役柄に誇りを持って演じていらっしゃるのが胸に響くほど伝わってきました。 私はただの映画ファンですから深くは知りませんけれど、何か基本を大事に学問から演劇を勉強しているのかな?と思ったら、皆さん大学で芸術や演劇を学んでいることを経歴から知りました。 日本人の役者さんや女優さんと比較したくはないのですが、ちょっとしたところで演技力というか演技の奥深さを韓国の役者さんのほうにより魅力を感じてしまいました。 特に主演のファン・ジョンミンさんは主演俳優として素晴らしかったです!主演としての重圧に負けない佇まいや演技の幅広さは凄かったです!特に笑顔が可愛かったです。 イ・ソンミンさんの脇役だけれど主演を支えての大人の重厚な演技力に胸が熱くなりました。 チョ・ジヌンさんのそれぞれのシーンでの役柄の変貌ぶりに驚いてしまいました。 チュ・ジフンさんの軍服姿のカッコ良さは観ないことにはここでは表現できません。 ストーリーはスパイ活動映画みたいなのですが、それだけではなく人間ドラマとしても十分成立しています。 韓国と北朝鮮の祖国に対する愛国心は本当に素晴らしいというしかありません。 日本人にとって愛国心を持っている人ってそんなにいないですし、私も何となく日本で生まれたから仕方なくこの国で生きている幸せをあまり実感できない人間の1人ですから… もっと韓国や世界の国々に興味を持とうって思うキッカケをいただきました☺︎ 本作は感動巨編超大作映画です🎬 友達とも久しぶりに感想の一致した部分があり、帰りのご飯は美味しくいただきました。 私は何回も感動しているし、何度観ても泣きますし、感動は色褪せません! 劇場で見逃した方は是非レンタルしてでも観ていただきたい作品です !
核開発の実態を探る内に…
北朝鮮の核開発の実態を探るため、実業家に扮したパクソギョンは北朝鮮に潜入する。
広告写真のロケ地、遺跡探しを称して、中心地から外れた北朝鮮の街並みを見ると貧困問題が露骨に現れる。道端で座り込む人々、盗みを働く子供、積み重ねられた死体の数々。
同じ朝鮮半島でここまでの差が…パクのやるせない様子は観ていて辛かった。
北朝鮮による攻撃は韓国側が政治のためにお願いしていたというのが衝撃的だった。
北朝鮮は金と非難する相手が必要だからと…上の勝手の判断で和平とは逆方向に進んでいく様は怒りを感じた。
パクとリ所長が南方の壁を越え、和平に向けて協力する姿こそ本来あるべき南北の姿だと思った。
ラストの2人の再会シーン、感涙しちゃう。上手いよね韓国映画は。
今作は金正◯が出てくるのにビックリ。彼の考えで全てが決まる独裁政治のある意味恐ろしさを見せられた。そして、彼に反しただけで死が待つという緊張感、威圧感がチョン課長のビビリっぷりを通して上手く出ていた。
ファンジョンミンにハズレなし
ファンジョンミン主演ならまずハズレなしと思ってますが、加えてイソンミン、チュ・ジフン、チョジヌン。キャストだけでも見る価値あり。特にチュ・ジフンの北朝鮮の軍人役がハマってて必見。脚本も秀逸です。南北問題やスパイをテーマにした映画は多くある中で、ほのぼのとした笑いもあり、友情?もあり、また違う面白さと展開に最後は感動するでしょう。こんなことは実際には無いのでしょうけれども南北問題を面白くネタにしてドラマ(愛の不時着とか)や映画作るたくましさは凄いと思います。
スパイ映画という割にアクションのない…それでいてドキドキしました
これは、どこまで実話なのでしょう…。なんとなく、こういう出来事があったことは覚えがあるんですが…。
ともあれ、面白かったです。北だの南だの、スパイだの、日本でも、ありえない話ではないのかもしれませんが、やっぱり他人事。いろいろドキドキしながら観ていました。
そういえば…こういう北と南を描いた作品にしては、アクションがありませんでしたね。序盤は、北と南のスパイ作戦って思って観ていましたが、そのうち、南の選挙話になったときには、おまえらの思想なんて、そんなものなのか?とツッコミました。個人的には、普段から、しっかりとした思想を持ち、意思表示をしっかりするお国柄と思っていたので…。ま、映画なので、そこは大目に見ましょう。
それにしても…ラストは、何というか…。こう終わって欲しいという思いの通りでした。でも、そういう訳には行かないお国柄では?これまた、映画ならではの、ご都合主義な感じもしましたね。もしくは、作成者側の希望…なのでしょうか。
面白い映画は何でこんな面白いの?
…みたいなことになる。すごい面白かった。 派手なアクションもないし、最初は誰が何の人だか整理するのに混乱して、まあ結局北の核開発の現場に潜入するのがゴールってことね!と思ったら大統領選諸々が絡んできてさらに頭フル回転させなきゃいけなくなる(し、結局ハテナになる)のに、全然見るのが嫌にならないどころか、2時間超える映画を家で全く集中力途切れずに見れた。なんで?なんで!なんでこんなに面白いんだ! こういう題材をエンターテイメントとして楽しむ良さも感じた。 イデオロギーの外側から世界を眺める手段としての、エンタメとしての映画の力を感じた気がした。 ちょっとうまく言えないけど。 シンプルで魅力的なイメージがたくさんあったし、キャラクターも印象的だった、と思う。 ほんとに…なんで…なんでこんな自然に惹きつけられるのか、この映画に…分からない…すごいよ… これはほんとにおすすめ!なのでなんで面白いのかわからないを連発するぽんこつレビュー書きました。 チュ・ジフンさんが怖くて綺麗なお兄さん(ダンス可愛い)だよ!
韓国映画の底力が素晴らしくて見事です、ハリウッド映画に負けてません!
まだ緊急事態宣言が出る前のタイミングで、私が、、 兵庫県の名画座みたいな劇場で韓国映画上映してるから旅行がてら行こうよ! って友達を誘ってみたら、友達が帰りに南京町でご飯食べよう!ってなり早朝出かけました。 このサイトの情報から何となく観たかった映画です。 と言っても、私は日本人でどちらかというと日本映画かハリウッド映画しか観ないし、ちょっと苦手要素があったりして韓国映画はスルーしていました。 けれど、旅行できない国(北朝鮮、イラク等)には興味津々で、何としても大スクリーンで観たい!と思いました。 まずは凄いの一言ですね。 役者さんのキャスティングというか韓国の芸能情報0なのですが、皆さんがそれぞれの役柄に誇りを持って演じていらっしゃるのが胸に響くほど伝わってきました。 私はただの映画ファンですから深くは知りませんけれど、何か基本を大事に学問から演劇を勉強しているのかな?と思ったら、皆さん大学で芸術や演劇を学んでいることを経歴から知りました。 日本人の役者さんや女優さんと比較したくはないのですが、ちょっとしたところで演技力というか演技の奥深さを韓国の役者さんのほうにより魅力を感じてしまいました。 特に主演のファン・ジョンミンさんは主演俳優として素晴らしかったです!主演としての重圧に負けない佇まいや演技の幅広さは凄かったです!特に笑顔が可愛かったです。 イ・ソンミンさんの脇役だけれど主演を支えての大人の重厚な演技力に胸が熱くなりました。 チョ・ジヌンさんのそれぞれのシーンでの役柄の変貌ぶりに驚いてしまいました。 チュ・ジフンさんの軍服姿のカッコ良さは観ないことにはここでは表現できません。 ストーリーはスパイ活動映画みたいなのですが、それだけではなく人間ドラマとしても十分成立しています。 韓国と北朝鮮の祖国に対する愛国心は本当に素晴らしいというしかありません。 日本人にとって愛国心を持っている人ってそんなにいないですし、私も何となく日本で生まれたから仕方なくこの国で生きている幸せをあまり実感できない人間の1人ですから… もっと韓国や世界の国々に興味を持とうって思うキッカケをいただきました☺︎ 本作は感動巨編超大作映画です🎬 友達とも久しぶりに感想の一致した部分があり、帰りのご飯は美味しくいただきました。 私は何回も感動しているし、何度観ても泣きますし、感動は色褪せません! 劇場で見逃した方は是非レンタルしてでも観ていただきたい作品です !
金日成がリアル
韓国、北朝鮮の歴史を知らなければ楽しめない作品。第二次世界大戦後、朝鮮半島は分断された。南の資本主義と北の共産主義。戦後もスパイが国境を行き来する。そんなスパイの一人として黒金星と呼ばれる工作員がいた。北の核開発の実態を掴むため送られたスパイだ。実業家になりすまし、北の幹部と広告事業というウソの名目で糸口をつかみ、ついに将軍と面会する運びとなる。途中、大統領選でどちらが勝利するのか世論が注目するシーンがあるが、工作員となんの関係があったのか理解できなかった。また武力挑発も誰がなんのために実行したのかわからない。この作品の醍醐味は工作員が北の幹部との間に芽ばえた信頼関係である。北に染まったとみなされた工作員が組織から破門にされ単独でスパイ行為をしたと裏切られたシーンではないだろうか。
南北分断のドラマは悲しく熱い
北朝鮮というと、中川家のニュースキャスターや、サンドウィッチマンの「北の偉い人」のモノマネもあって、昨今ではコミカルな印象もあった。しかし、映画の中の北朝鮮は戦慄と恐怖でしかなかった。
1つの行動や受け答えで粛清されてしまう官僚や軍人たち。飢餓に苦しむ国民。圧倒的存在感の「北の偉い人」。キムデジュンのことなど、歴史の裏舞台も知れて、もうiPhone画面に釘付け。
見応えはやはり、冷静冷徹な官僚であるリ所長との交渉シーン。腹を探り合いながら、ギリギリの信頼感のところでお互いの利益を図る。ミスるとお互いに命はない。処刑or粛清
そしてもう1つの見どころ。緊張感が高まるにつれて、観る方も身体が強張ってくるなか、そのリ所長が時折「人間」としての顔を見せる。そう、彼にも同じく赤い血が通っているのだ。滅多に表情を変えない彼の、止むに止まれぬ心の叫びに、ただただ涙するしかなかった。そして、彼の家に接待を受けての食事シーン。ホテルでの高級レストランではない。しかし、どうだろう。人間が心を通わせ、同じテーブルについて食事を取るって、こんなに温かいものなんだなと深く沁み入る。その対比が素晴らしい。
政治に振り回された1人の工作員の物語
1995年、核開発を進めていると噂の北朝鮮に韓国の黒金星が諜報員として赴く御話。 ユン・ジョンビン監督が収監中だった黒金星ことパク・チェソから手記を頂き映画化しているので、民間人になりすまして北との広告制作共同事業や1996年の「北風工作」は実在にあった話である。 序盤は北朝鮮への接触方法などに安臭さが有り少し拍子抜けはしていたが、徐々に話が進むに連れてかなり面白味のある心理描写を描いた「工作員」映画だなと思った。 (スパイとは敢えて書かない。あえて私的に書くなら、諜報員→いつの間にか工作員。) この作品の魅力は実在の韓国が良くも悪くも何度も政権が変わり、築いてきた国家であるからこそ(自国を良くも悪くも映画で描く事が出来るからこそ)だと思うし、また日本が思う様に北朝鮮が馬鹿じゃない所こそもある。 1995年当時韓国政府の立場、北朝鮮の立場、両方とも納得が出来る立場上での工作員映画。見事である。 変に政治の形を歪ませず、映画化した姿には拍手を送りたい。もう少し諜報の上手さがあれば満点だった✨ やはり、使い勝手いい奴は切られ方も可哀想。 いはやは総書記の俳優さんにはビックリしたよ。 後ろ姿が何とも言えない💦
人を信じる勇気
大傑作。ラストシーンは涙が出た。『ショーシャンクの空に』の青い海辺で男二人が抱き合うシーンを思い出した。 骨太で緊迫感のあるストーリーライン。役者も全員素晴らしい。金正日謁見の統制された様式も興味深かった。 祖国のために命懸けで行動する人々の芯の太さ、疑惑のなかでそれでも決断する勇気、敵対関係を越えた人間性への信頼が芽生える過程に心揺さぶられた。
濃厚スパイ映画
北朝鮮の核施設に潜入するために送られたスパイ、黒金星の話。 . 実話を元にした話ではあるけれど、それって実は裏ではこうだったんじゃないっていう視点で作られてる。でも韓国の歴史に疎い私はどこまでが実話でどこからがフィクションかわからなかった(笑). . 劇中で北朝鮮からの攻撃は実は韓国の選挙選に合わせて韓国が攻撃するようお願いしてるって話が出てきたけど、もしそれが本当なら北朝鮮が今ミサイル打ってるのとかも、、ってちょっと考えちゃうよね。 . . 北朝鮮の内実が結構わかるような映画になってて面白かった。この機会に韓国と北朝鮮について学んでみては。 .
北風工作
中盤までスパイ映画特有のバレるバレないの緊迫感。転じた終盤の流れ。冷戦の終結とともにスパイが用無しになる展開はハリウッド映画で幾度と取り扱われたテーマでもある。敵を放逐するのが任務であるが、敵がいるからこそ成り立つ矛盾。あながちフィクションとも言えぬ韓国のお家事情。仮想敵を置いて国を纏めるのは政治の常道。現実を一歩でも前進させようとする暗黙の同士関係が、政治の虚構に対照的に浮かび上がる。秀でた政治ドラマである。
南と北の未来の為に輝いた“スパイ”という名の星
今やすっかり国際ニュースの定番となった北朝鮮の核問題。
遡る事20年以上前…。
1990年代、北朝鮮に潜入して核開発の実態を探れ!
実話に基づくサスペンス。
そんなジェームズ・ボンドやイーサン・ハントでも難題なミッションを課せられたのは…
元軍人の韓国の対北工作員、パク。コードネームは、“黒金星(ブラック・ヴィーナス)”。
その方法は…
実業家を装い、北朝鮮の人脈に接触。3年の工作活動の末、遂に重要人物である北朝鮮の外資責任者であるリ所長の信頼を得る事に成功。
核開発が行われている付近でのCM撮影、そしてあの偉大なる将軍様と接見する時がやって来る…!
とにかく話が面白い!
どうやって接触/接近し、信頼を得るか。策を凝らした頭脳戦。
そして何より、このスリリングさ、緊迫感と言ったら!
巧みで着実な手腕で信頼を勝ち得ていくが、いつバレるか分からない。
リ所長はかなりのキレ者。
国家安全保衛部の軍人は何かと疑いの目を向けてくる。
本当は、バレているのではないか…?
危機は何度も。特に、将軍様との接見直前、保衛部の軍人に遂に…!?
将軍様接見シーンも圧倒的緊張感。
派手なアクションは一切皆無。なのに、この興奮!
これぞ本当のスパイ・サスペンスとしての醍醐味!
実業家を装った時の柔和な人柄、工作員としての苦渋の表情、ファン・ジョンミンの熱演。
クセ者揃う中、リ所長役のイ・ソンミンが存在感を放つ。
『悪いやつら』でも見応えあるサスペンスを手掛けたユン・ジョンビン監督が更なる上質な作品を。
それから、特殊メイクであの将軍様をそっくり再現・登場は注目。
命懸けの工作活動の末、遂に北朝鮮の核開発の決定的証拠を掴む!
…という、劇的エンタメな展開にはならず。
ある意味、劇的な展開へ。
本作は、何とも重く苦しく考えさせられる、社会派サスペンス/社会派ドラマであった。
北朝鮮に潜入してこの目で目の当たりにした、悲惨な現状。貧しい村では、ゴミと死で溢れ返っている。
リ所長もその部下もその現状に胸を痛めている。だが、この体制下、どうする事も出来ない…。
1997年、韓国の大統領選。目下、最有力候補者に反対派の上司たち。北朝鮮と裏取引。それにより、これまでパクがしてきた事が全て無になる恐れが…。
単純に韓国=善、北朝鮮=悪と描いていない点が絶妙。両国の問題や闇を浮かび上がらせる。
パクも当初は、祖国に忠誠を尽くす工作員として行動していただろう。
が、かつて一つだった南北に分断された両国の為、工作員活動や政治の暗躍より、本当に事業で友好を再び…と、奔走する姿が胸を打つ。
パクとリ所長の間に芽生える絆。初めて交わした酒呑み。
しかし…
これは実話。
結末やパクのその後はこうやって映画になっているので知れ渡っている。
ラストシーンの南と北の初めての文化交流の場。
気付けば、10年の歳月が経っていた。
やっと、こういう場が…。
そこで、10年ぶりの再会も…。
昨夏公開した時から気になり見たいと思っていたが、もう期待以上!
面白さ、ハラハラスリル、考えさせられる社会派テーマ、そして感動…。
どうしてどうしてこうも、韓国サスペンスは面白い!?
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