「フィンランドのサウナでおじさんたちと地獄めぐり」サウナのあるところ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
フィンランドのサウナでおじさんたちと地獄めぐり
サウナブームにあやかって公開されたようにも見えるのだが、これはかなり肝の据わった確信犯ではないか? というのも、フィンランドのサウナ文化と、いろんな面白サウナを紹介してくれるドキュメンタリーに思えるが、実際には、相当ヘビーな告白映画になっているのだ。
フィンランドの男たちは無口だという。実際に行ったことがないので本当かは知らないが、アキ・カウリスマキの映画を観る限り、確かに無口なオッサンばかりの国に思える。そして本作では、そんなオッサンたちが、サウナという空間ゆえに、とつとつと身の上話を語り始める。
どこの誰だかわからないが、とにかく知らないおじさんたちが全裸で、聞くも涙、語るも涙の実体験を語り続ける80分。こんなに人の不幸話を一度にたくさん聞く体験もなかなかないし、それが全裸であることで、悲劇性が減じることはないにせよ、それとなく世間話として聞けてしまう。客席も全裸で観るのが一番いいように思うが、さすがにそんな劇場はないですよね。
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