幸福路のチーのレビュー・感想・評価
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田舎の両親の声を聴きたくなる映画
アメリカで結婚して暮らす主人公のチーが、祖母の葬儀のために台湾の実家に帰ってくる。そこで懐かしい顔に会い、自分の半生を振り返り本当の幸せは何かに気づく物語
、
懐かしい田舎の雰囲気。変わってしまった風景。距離感の近い親戚たち。少しだけ年老いた両親。懐かしい親友。
チーが回想する台湾の近代史も面白い。
だけど回想シーンと心理描写が中心に進むので、物語に大きな波もなく、2時間弱はかなり長く感じました。
内容の良い映画だったので、70〜90分程度で魅せて欲しかったなー
レビューを書き終わったら、田舎の親に電話します😊
けっこう、気持ちよかった
台湾の市井の一隅で、ひとりの女性の30年弱をゆっくり振り返る。政治的には、激動の時期だが、人生にとっては、それらはあくまで背景のひとつに過ぎないってことを、あらためて思わされる作品だった。
そう、一番大切なのは、やはり自分の人生。そしてそれは、自分が何を信じているか、で決まる。
なんか、ほっこりタメになったなあ。
台湾、こういう作風では、アニメ技術も日本と遜色ないんだな。絵も、動きも違和感なく、けっこう気持ちよかった。
これほど面白いアニメ映画を作る会社が台湾にもあったのか!
今までアニメは日本やアメリカ(ディズニー、ピクサー)製が面白いと思っていたが、本作を見てその偏見が覆りました。
実写と比べてアニメのいいところは、実写ではできない(難しい)表現ができることだと思います。例えばキャラクターが突然変身したり、空を飛んだり、空間が歪んだりなど。本作はそういったアニメならではの表現が冒頭からふんだんに用いられていて、見ていて退屈しない。「こんな表現ができるんだ!」と感動しました。
また家族愛や、幸せとは何かなど、現代人が忘れかけているテーマに触れられており、終盤感動のあまり泣いてしまいました。
経済が成長している国の映画
何もない故郷から飛び出して、色々なものを手に入れて、幸せになったはずなのに……って映画なのね。
日本でも数十年前はノスタルジックな作品や光景を語るときに『私たちが忘れてきた何かがここにはある』っていう手垢のついた表現を良く使ってけど、いま使わないよね。
たぶん数十年前を振り返って『あの頃は……』って思えるのは、変化があるときだと思うの。日本は成長しきって成熟したから、変化が少なくなったんじゃないかな。
台湾はいま成長してるのかも。だからみんな『明日は今日より良くなる』ってやってきて、確かに良くなったんだけど、振り返ると思うところもあるのかな。
どこかで観たような…
ストーリーは、少しピンボケ気味ですが最後まで観ました!
あれ?マルコ?シンチャン?さざえ?
と感じる場面も多く、もうちょっと頑張って欲しかったな〜
アメリカに留学すると、あんなに英語が上手に話せるようになるの?
ってちょっと突っ込みたくなりました。
映画としての魅力がもう少しあったらな〜
ごく一般的な台湾女性の生い立ちから旅立ち、そして帰巣が画かれている...
ごく一般的な台湾女性の生い立ちから旅立ち、そして帰巣が画かれている。
映画自体に凄みや尖った感じはなく、終始柔らかい、暖かみのあるアニメーション。
台湾の現代史と女の子の半生
独特の絵柄で描かれる台湾の貧しい女の子の半生と家族の物語。ファンタジックな描写が自然に挟まれ、悲惨な話もすっと入ってくる。
チーは貧しいけれど、母親の頑張りで、教育を身につけることができているし愛情たっぷりに育っている。素直でまっすぐで、それゆえ自分探しをしてしまうところが、まあユルいしその分共感を得やすいだろう。
親はとにかく必死に生きてるし、周りの友達もそれぞれ大変なんだけど、辛いときに助けてくれる田舎のおばあちゃんが自由で賢者で、ほんとに楽しいシーンになってる。
エンドテーマの歌は、優しくてぐっとくるすてきな曲。
「国際市場で逢いましょう」や「この世界の片隅に」が好きな人に、見てほしい映画だった。
画の優しさと現実の厳しさと。
人物キャラクターも風景もとても優しく流れるようなアニメーションだけど厳しい史実になぞられるチーの人生が実にリアル。ほとんどの人生はこんなものではないかと、思うし。夢が叶わなくても幸せなら十分、うーん、うなずける。
期待以上
素朴な台湾らしい絵で描かれています。人によっては画力が足りないとか思われる方もいるとは思いますが、内容が素晴らしいので、是非観てみてください!
台湾の1975年から2014年までの歴史も垣間見れます。
絵本のアニメ
絵のタッチが独創的で、大ざっぱでかつ非現実的な描写となっており、驚きの連続でした。近年はやりの写真に近い描写ではなく、絵本に近い大ざっぱな絵画が多く見られましたが、これまでにない空想的な世界観にとても感動しました。ストーリは単純明快で、貧しい少女が懸命に勉強し、幸せを掴むまでの人生が描写されていました。
珍しいアニメ
貧しい台湾家庭の生活を上手く表現した珍しいアニメでした。話の途中、某大国からの独立運動に関する描写がみられ、少し政治的な内容があり驚きましたが、家族離散・退職・離婚と続き、人生のいくつものハードルにぶつかりながらも幸せを求め、懸命に生きる姿がとても感動的でした。
台湾版『思い出ぽろぽろ』のような映画でした。
過去の自分を台湾に残して、アメリカで暮らすチーの物語。
小さい頃のお婆ちゃんの思い出とともに、幼かった自分の行動や気持ちなどが、現代の自分に訴えかけてきます。
今の自分はこれでいいのか、もっと幸せな人生を望みたい。
理想と現実の狭間で迷い続ける姿が、同年代の自分と重なって、観ていてとても切ない気持ちになりました。
小さな頃は、自分の望んだ夢や願いは全部叶うって信じていたチー。
友達と一緒に泥だらけになって、川や広場で遊びながら毎日が楽しかったのに…。
いつから自分は、あの頃の自分を忘れてしまったんだろう。
高学歴で両親からも沢山の愛情をもらってきたはずなのに、親のしいたレールに従うなんてまっぴらだと、己が道を突き進むことに決めたはずだったのに…。
気がついたら1人孤独になっていた自分。
このまま台湾にいてはダメだと、心機一転渡米し、そこで出会ったアメリカ人と結婚して子供も作って、幸せになれると信じていたのに、なかなか理想と現実は難しい。
女性って仕事に子育てに結婚に、悩みが尽きないものですが、チーが女性の代表として、女性の悩みを全て訴えているようでした。
そして、この映画は女性の働き方だけでなく、台湾の歴史についても触れています。
1980年代の台湾では、台湾語の教育ではなく北京語の教育が義務付けられていたことを、この映画で知ることができました。
中国に国が支配されて、台湾の人たちの自由が中国の政治に奪われていく時代の中で、チーも皆と一緒になって開放運動に参加している姿が印象に残りました。
基本的に優しく楽しいアニメ映画ですが、所々に中国の政治問題が絡んでいるところがなかなか鋭い。
多分これ、中国で上映するの絶対無理なんだろうなと、なんとなく予感させる描写がたくさんあります。
ちょうど今、台湾の若者たちが運動を起こしているからこそ、余計に色々と深い意味を汲み取ろうとしてしまう自分がいました。
チーの頭の中の考えていることがファンタジーに溢れていて、若干ぶっ飛んだ描写がありました。
でも、空想と現実がバランス良く描かれているので、気がついたらどんどん引き込まれました。
ジブリのようかと思ったけれど、ちゃんと自国のテーマを取り上げているところが素晴らしい。
これからの台湾アニメが楽しみに感じられる、素敵な作品でした。
ありがとうございました
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
社会と歴史に翻弄される1人の女性
試写会を拝見しました。
一人の女性の成長と挫折。
幸せとは何か?と追い求める人生に、台湾の歴史が重なる。
個人と小さい家族のことだけど壮大なお話。
民主化デモや政治腐敗、アメリカ軍駐留と縮小、中国との関係性の変化、911テロと台湾……
日本と同じ島国なのに、こんなに外国に振り回される台湾の人たち…
そして祖母や親の心……
「幸福」とは何か?
ジーンとしちゃいました。
いっぱい食べて寝ること
1975年4月5日生まれで台北の幸福路というところで育ち、現在は結婚してアメリカで暮らす女性の話。
祖母の弔報を受けて台湾に帰省し、町の風景をみたり家族や友人知人と顔をあわせたりする中で、幼い頃から今までを振り返ると共に現在を見つめて行くストーリー。
主人公の育った世情を映しながら物語が進んで行き、世代が近い自分には感じ入るものも多かったけれど、国が異なる為当然世相の違いがあり引っかからないものも多々。
とはいえ生きることに対するもどかしさや家族や友人の優しさと温かさが良く伝わり沁みてきて、中々面白かった。
台湾の女流実写映画監督による長編アニメーション作品
台湾の女流実写映画監督による長編アニメーション
原題:幸福路上
英題:On Happiness Road
邦題:幸福路のチー
公開:2018年1月5日(台湾)
公開:2019年11月29日(日本)
東京アニメアワードフェスティバル2018(TAAF2018)長編コンペティション部門グランプリ獲得。
2018台北電影獎・100万元大賞・アニメーション賞・観客賞の三冠受賞。
ドイツ・シュトゥットガルト・アニメーション国際映画祭・長編部門グランプリ。
カナダ・オタワ国際アニメーションフェスティバル・長編部門・スペシャルメンション
20180506 ----------
台湾文化センターでの上映会にて視聴
アメリカや日本にて実写映画の作成を学んだ女流実写映画監督;宋欣穎(ソン・シンイン)氏、アニメーションによる表現の可能性を見出し幾つか短編アニメーションを作成、手応えを感じ本格的に長編アニメーションを作成されたそう(短編の「幸福路上」もyoutubeなどに上がってます)。
制作も実写映画方式とのことでその辺も構成構図物語進行等から滲み、心温まる等身大の物語、
おすすめ^^
20180721 ----------
台湾文化センターでの特別上映会にて再視聴
一回目の鑑賞時と印象が違う感、三世代となる女性達の物語、台湾の歴史、父親の存在感など作品に深み生んでます。
今回は最初からラストまで暖かな涙溢れる観賞、
やはり良い作品です。
20191120 ----------
「幸福路のチー」として11月29日公開決定!
試写会にて3回目の鑑賞、
3回目にして漸く全貌を少ながら把握、
ちびまる子ちゃん風味の絵面に惑わされてはダメですね、
今敏氏の作品を何度も見返し演出を研究されたというソン監督、
序倒叙、チーを軸に三世代となる女性達と父親や夫の存在感、台湾の歴史など絡ませバラバラにされた時間軸、静かにゆっくりピースが収束、確信成す成長譚、
ファンタジー要素を糧とした実写では表現しきれないアニメーションならではの作品、
未だ完全把握には至らず、
凄い作品です。
20191202 ----------
「幸福路のチー」として11月29日本公開!
字幕版と吹替版が有り、4回目の鑑賞は吹替版、
本公開となりいくつか編集されたシーン有り、
これは著作権の関係(日本のTVアニメ観てるシーン等)と思われ、本筋に然して影響無いかな、
吹替版の演出は中村誠氏、
中村誠氏といえば「劇場版AIR」「劇場CLANNAD」の脚本、「チェブラーシカ」「ちえりとチェリー」監督、
登場人物の優しさ柔らかな表情合重り、
違和無き配役の的確さ流石、
ベティなど人柄と成長譚、可愛さからの格好良さが更に増し増し!
素晴らしい( ^ω^)
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