「人生賛歌」幸福路のチー Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
人生賛歌
異国の現代女性の半生記というとペルセポリスが想起される。80年代から00年代にかける過去と現代を編み込んで物語る手法も似ているが、普遍的な成長過程と共通する時代感は観ている自身の人生も重なり、国境を越えた連帯感に行き着くのはこれも同じである。似ているからといって気にはならない。その国の現代史と文化・思想が一遍に入ってくる。どこの国のマルジもチーもこうやって描けばよい。世界は幾ばくか平和になる。
2人の友人の生き方、特にベティとその母親に引き寄せられる。祖母の生き様、父と母の生き方と家族の人生感にも光があたる。着地は意外であったが、それも自分で決めたことなら否定はしない。そんな着地にあっても、その後の幸福は保障しない。人生山あり谷あり。美しい歌と共に幕がひかれる。
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