「板橋に帰りたくなった」幸福路のチー ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
板橋に帰りたくなった
チーにとっての幸福路は、私にとっての板橋です。昭和50年代の板橋の小さな道は迷路みたいで、アパートや小さな工場や商店や銭湯が密集してました。確かにあの時代よりも現代の方が女性は選択肢が増えたと思いますが、しばしば道に迷ってしまう事もあるんですよね。
私は台湾に2回訪れた事があるのですが、歴史については詳しく知りませんでした。『サニー永遠の仲間たち』『国際市場で逢いましょう』の様に、その国の歴史的な出来事とチーの生活がリンクしていて、台湾の知らなかった歴史を知る事ができました。韓国の作品にも民主化運動の話が良く出てきますが、民主化運動により台湾政府も国民を迫害していたのですね。今の香港と重なりました。
勉強も仕事も人間関係もずっと頑張って生きてきたチーは、政変や災害の中でも一生懸命に生きぬいた人達の象徴です。作品から悩んで迷って落ち込んだ時でも、ひとりひとりの人生を肯定し応援してくれている様に感じました。
観ている人が、ふと思い出すあの場所あの風景。私も板橋の事を思い出して、心の中であの時代の板橋に帰りました。
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kossyさんのコメント
2020年8月1日
台湾旅行に誘われたことが数度。毎回断ってました。夏じゃなかったら行きたかったのに・・・
それにしても李登輝元総統が亡くなられたニュースの直後にレビューされるのもいいタイミングですね~