「ぜひ成功してほしい!」幸福路のチー Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ぜひ成功してほしい!
映画の冒頭から何がどうなっているのか皆目見当がつかず、そして、あからさまにデフォルメをされたようなアニメを意図的に見せつけられている感覚になったが.....? なんだ?一体これは....?
この映画の監督に対して、謝らなければならない自分がいることを言っておきたい。いつもは、自身でも解説など頼らずに、映画を見るのだが、今回に限って、一見してデフォルメされたような画風のアニメなところや、またこの映画の内容が、"子ども時代の懐かしい思い出を振り返りながら"という部分から早合点してしまい、スタジオジブリ製作、高畑勲監督の映画「おもひでぽろぽろ(1991)」の亜流だと思い込んでしまっていた。失礼なことをしたと思う。
Granny is a savage.........?
..............
It says in our textbook...the aboriginals from Alishan chop people's head off.
..............
Kiddo, listen to me...people can call us whatever they want
-savages or aboriginals
To survive, we need to eat Since this chicken was sacrificed to feed us.
We must eat it without wasting.
That's the way we show our respect to it.
最近では、ミレニアムを過ぎた頃より、よくマスコミでも取り上げられる日本人の"孤食”の問題。それが心がまだ成長過程の子供からするともっと問題になる。子供の時は、分からなかった食物の大切さをチーのおばあちゃんは、分かりやすく説明し、その言葉は厳しく響く。"残しちゃだめよ!”
最初に違和感があった映像でも見ていくうちに、分かりにくいとされる"Nonlinear narrative”形式のシナリオがちーちゃんの成長とともにアットホームな日常を描いている中に台湾で起こった事件や騒動、また震災などの台湾人では決して見逃すことのできない歴史的事実を踏まえながら進行していくにもかかわらず、お隣の国なのに個人的に台湾の歴史をあまり知らない者でもサックと観ることが出来た。
I wish I weren't related to Chen Shui-bian at all.
陳 水扁(ちん すいへん)の娘とされる女の子のセリフなんかも出てくるけれども、一見政治色があるのかなと思われるが、これも監督の避けてはいけないものかもしれない。ちーちゃんも蒋介石がなくなった、その日に産声を上げる設定で、ソン・シンイン監督は前年の1974年に生まれているので、ちょうど彼女と同じ年を重ねて投影しているように作られているのかもしれない。それとは別にちーちゃんが、よく見る夢の中には、有名な映画のワンシーンや監督自身が日本にいた経験からか、日本のアニメのヒーローにちーちゃんが変身をしている日本アニメにオマージュしているところも見どころとなっている。
約130年の歴史を持つアメリカの日刊紙、Los Angeles Times。その記者が言うには、「視聴者が映画の多様性の向上を求めているとき、映画「幸福路のチー」は、有望な新しい女性の代弁者としてアニメーションンでその入り口を示している。」しかし、2019年の3月のキックオフイベントで監督が、50代以上の男の人が涙する映画として質問に答えて、監督自身も市場調査などからこの映画の特質も考えて、女性を対象にする映画だと思っていたが、50歳を過ぎた男性たちから、"今まで歩んだ人生を肯定してくれた。""また自分の人生の一部がある"という発言から共感を得られたと述べている。
Can we really see things with our hearts ?
But the eyes in my heart seem to be clouded.
Growing up means more things..........
いつの間にか、涙する自分に気がつく。