甘いお酒でうがいのレビュー・感想・評価
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カノンでヘッドバンキング
派遣社員として出版社に務める40代独身女性の日記に記された日常の話。
どこかズレた感じもするちょっとファンシーな思想のおっとり姉さんの心の声とつぶやきを、ショートコントの様にみせていく。
甘いお酒はグラッパですね。って英語タイトルにグラッパって入っていたのね。
友達は少なくぼっちな感じもするけれど、本人は寂しさをそれ程感じている様子はない。でも、後輩の若林ちゃんが大好きで遊んで貰えると嬉しくて仕方ないという主人公。
更には若林ちゃんの後輩の岡本くんも現れて、涼しい顔して実はもうシッポブンブン振りまくりw
誤送信の件は思わず声を出して笑ってしまった。
登場人物は皆良い人ばかり、大きい波はなく、柔らかく温かい空気感に、期待通りの笑いも折り込まれていて、面白かった。
それにしても、黒木華の素の演技がめちゃくちゃうまかったのが印象的。
【”これは私の誰も読まない日記・・” 日常に起きる何気ない出来事を優しい視点で描き出した作品。醸し出される温かい雰囲気がとても良い作品でもある。】
-佳子(松雪泰子)は独身の書籍関係の仕事をしている会社員。
独り暮らしの生活の中で起きる細やかな出来事(それは、ちょっと嬉しいことであったり、切ないことであったり・・)を愛おしむように生きている。-
・年配の女性がガラケーで一生懸命メールを打つ姿を優しく見つめる佳子の姿
・職業の椅子の脚が壊れた時の佳子のがっかりした姿
・帰宅時、ふと逆の方向の電車に乗ってみたり・・
・電車のホームで年配の小柄な女性の後ろに並んだ時の”母を想う”佳子の言葉
・無くなったと思っていたお気に入りのピアスをソファーの中から偶然見つけた時の細やかな喜びをかみしめる姿
等々、よくぞここまで、日常の細やかな出来事を佳子の心象に映し出したなあ、と思ってしまった程の優れた脚本が素晴らしい。
・職場の後輩 ”若林ちゃん”(黒木華:明るく、少し天然で先輩である佳子を気遣う、心優しい女性を好演している。)は、いつも彼女を大切にしている。その多くのシーンが良い。例えば、佳子の誕生日を翌日に”直感で”知り、怒りながら蕎麦を啜る姿。
ー”お祝いしたかったのに・・。” その気持ちだけで、嬉しいよね・・。-
・そして、佳子が年齢が二回りも下の”岡本くん”(清水尋也)と、少しずつ距離を縮める過程も自然に描かれており、良い。
ー二人の価値観が似ている事が上手く描かれている・・。食べ物屋や新居の選択基準(新しい部屋より、少し古いが綺麗な部屋を選ぶところ)など。-
<佳子の心の機微を優しいトーンで、囁くように流れる佳子自身のモノローグが印象的な作品。鑑賞後、暖かい気持ちになれる作品でもある。>
大人の女性
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