劇場公開日 2020年1月10日

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「ありふれた筋書きながら、ファニングの歌声やディテールは見応えあり!」ティーンスピリット ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ありふれた筋書きながら、ファニングの歌声やディテールは見応えあり!

2020年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作の受け止め方は人によって大きく差が出るはずだ。そもそも、このタイプのシンデレラストーリーはありふれている。それにオーディション番組のパフォーマンスや楽曲、それに衣装や番組演出のダサには思わず苦笑してしまう。が、実際の番組のクオリティなんて意外とこんなものだ。

むしろ、私が心打たれたのは前半だった。イギリスのワイト島という特別な場所をフィーチャーし、しかも主人公はポーランド移民で、彼女に救いの手を差し伸べる老人はロシア移民。それだけでもこの国の多様性の現状が伝わってくる。さらにマックス・ミンゲラ監督の父は、高名な映画監督でもともとは音楽家志望。母は香港出身の振り付け師。つまり両親ともに夢を掴もうと必死に努力してきた人で、その生き様がエル・ファニングの体に乗り移ったかのように情熱がスパークする様が美しい。ファニングの歌声も透き通っていて力強い。思いがけない「拾いもの作品」といった印象だ。

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牛津厚信