「周りを大切にする気持ちは自分孝行と気付かされる素敵な作品です。」浅田家! 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
周りを大切にする気持ちは自分孝行と気付かされる素敵な作品です。
両腕に刺青を入れた二宮くんが写真を通しての物語との事で、どうにも両腕の刺青と言うのが引っ掛かり、今までにないワイルドな二宮くんとは?と気になって鑑賞しましたw
で、感想はと言うと、良い映画♪ 自分は好きですね。素直に感動しました。
ベタと言えばベタ。でも王道のヒューマンドラマ。
作中のテンポも良いし、会話の端々も面白い。必要以上に暗くならなくて、楽しんで観ていられました。
良い役者陣を揃えて、作品のクオリティも高い水準で保ってます。
この辺りは個人的に好きな「湯を沸かすほどの熱い愛」の監督、中野量太さんだけに確りとツボを押さえてます。
政志は父親の影響で子供の頃からの夢だった写真家を目指すが、色々と苦悩する。でも持ち前の真っ直ぐな思いがとても暖かい。
政志役の二宮くんは様々な作品の出演でも持ち前の雰囲気が明るく真っ直ぐな感じで作品の雰囲気にもピッタリ。何よりも二宮くんの醸し出す雰囲気が良いんですよね♪
また、黒木華さんも良い感じ。頼もしくて、恋人と言うよりかはパートナーと言うのがピッタリ。政志の少し頼りない所を見事にカバーしてくれてます。
また他のキャスト陣も豪華。妻夫木聡さん、風吹ジュンさん、平田満さん、菅田将暉さん、渡辺真起子さん、北村有起哉さん、野波麻帆さん、池谷のぶえさんと実力派キャストを揃える事で作品の質も一定以上が保たれています。
良い家族。純粋にもがきながらも夢を追いかける姿勢。そして震災を通じての様々な葛藤。
邪推に物事を考えるのではなく、周囲が困っている時に何が出来るか?と言うのを改めてですが、考えさせられました。
写真家の浅田政志さんの自伝的な物語で、ある程度脚色はされていたとしても全然OK♪
正直、「こんな生き方素敵だなあ〜。こんな家族との絆が良いなあ〜」と思った。
写真、良いよね。いろんな職業に扮しての家族写真って素敵やん♪
携帯やスマホのカメラ機能で写真を気軽に撮る機会が増えたけど、昔に比べたら家族で写真を撮る機会って少なくなったらしい。改めて皆で撮ると言うのがこっ恥ずかしいと言うのもなんか分かる。
そんな時にイベント的に楽しめる写真の撮り方って良いよね。
こんなのに皆で参加する気持ちが持てる家族がなんか良い。
それぞれの家族にドラマがあって、それを聞いて、理解してから写真を撮る行程にじんわり。
さくらの花が枚散る写真や、お手製の虹色のTシャツを皆で着て寝転がる家族写真、父親のいない冬の海水浴場の写真諸々。どれもそのドラマが分かるだけに涙腺が緩くなります。
自由奔放だけど、素直で家族思いの政志と、政志への当たりは強いが長男として家族を引っ張る幸宏。専業主夫だが家族を暖かく包み込む父親と看護師として一家を支える強い母親。
いろんな考え方があるけど、家族を大事にする思いは一緒。
それがなんか良いんですよね。自分の家族への思いの薄さに心が痛くなりました。
最初に気になった二宮くん演じる政志の両腕の刺青はちょっとした若気の至りと言う話ではなく、単に個性の発表の場的に入れた感じで、後にそれがそんなに物語の中で波乱が起こさないかと心配でしたが一安心。
モデルとなる浅田政志さんの腕にも見事な刺青が入ってますが、多分若い頃に道を踏み外してと言う訳では無さそう。でも見事な「紋々」ですなw
前半は楽しく進んで行ったのが、後半からは写真家として賞を受賞し、プロの写真家として活躍していく中で、「東日本大震災」での出来事が様々な事を大きく左右していく。
撮影を通して、知り合った家族の安否確認で現地に赴き、震災で泥だらけになった写真を洗って、持ち主やその家族の手元に届ける作業にはホント頭が下がる思いがします。
実際に震災直後に現地でのボランティア活動には様々な支障があったと聞いています。
困った人の力になりたいと言う思いだけで行動しても、いろんな人の妬みや嫉み、思いを曲解して解釈する人。またそんな純粋な気持ちを悪用しようとする人。
いろんな事があって、大変だったと思うし、今も現地では完全復興はしていない。
月日が経つと、忘れてしまう大切な事を改めて思いださせてくれました。
自分の夢、家族、知り合った人々。そして大切なパートナー。
皆大事。
家族や知り合った人々、パートナーを大事にする事は結局、回り回って「自分孝行」でもあるんですよね。
二宮くんの笑顔と雰囲気、そして映画としてもほんわかした気持ちになれる素敵な作品です。
未観賞の方は是非、お勧めですよ♪