「普通にいい話。」浅田家! せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
普通にいい話。
家族にコスプレだったりパロディだったり色々演じさせて暖かい家族写真を撮ってる浅田政志さんの話。
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私にとっては特別な1本にはならなかったけど、普通にいい話だし、普通に泣けて良かったと思う。暖かくて泣ける話。まぁ私の感覚としては24時間テレビダイジェストで見せられてるような気分になったね。
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でも家族写真という写真を撮ることの良い面だけで仕事をしていた政志が、震災によって写真を撮ることの残酷さに向き合わなければいけないっていう構図は良かった。
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政志が瓦礫を撤去する人を撮ってるカメラマンを嫌な顔出見るシーンがあったけど、その場にいない人、後世に残していくためには、残酷だけど現実を写すことは大事な仕事。そういうことも含めてカメラマンということに、初めて政志が向き合ったんだと感じた。
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でもこの映画どうしてもちょっと引っかかることが2個あって、1つ目が、大の大人が家の中でフラフラしてるってお父さんをからかうようなシーン。いやそれ言ったら、主婦も家の中でフラフラしてるだけってことにならない?ユーモアのシーンなので素直に笑えばいいと思うんだけど、私はちょっと今の時代にその笑いは笑えない。
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もう1つが、お父さんの写真を探して欲しいっていう女の子に遺影を探してるわけじゃないから特別扱いは出来ないって政志が断るシーン。この女の子のお父さんが死んでるのか死んでないのか、死んでたとしたら地震でなのかそうでないのか劇中で描写はないけど、たぶん行方不明で見つかってないだけ?それなら、遺影と同じような感じじゃないのって思っちゃったけど。探さない理由がちょっと納得いかなかった。
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この映画の後にすぐに本屋に行って浅田さんの写真集を手に取りたくなること間違いなし。