劇場公開日 2019年4月20日

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「ドキュメンタリーとしてはゼロ点!」主戦場 ミズキさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5ドキュメンタリーとしてはゼロ点!

2019年7月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

女性の人権問題に関してはリベラルな考え方をするほうだけど、慰安婦問題に関してはこれ以上賠償するべきじゃないって考えてる。当時の慰安所勤務の女性たちには同情するけど、日本の国家的な強制性を見いだすには証拠がのこされていないんだもの。『疑わしきは罰せず』...これは、どの国でも同じ価値観のはず。今になってこういう映画が出たということは、国家的な強制性を臭わせる新たな証拠でも見つかったのか、どんな議論が交わされるのか興味があって見てきたけれど、これはドキュメンタリーではなかった。悪意ある編集で右よりの人たちの言いぶんを意図的に隠してるのが随所に見られて、彼らは横暴で悪者、リベラル側は心が優しいヒーローみたいに改変されていた。
また、途中から雲行きがあやしくなってくる。議論もそこそこに、日本を牛耳るのはオカシな思想の持ち主たちだという話に切り替わる。いくらなんでも突飛すぎると思った。話をそこに帰着させるためには、そこまで盛らないといけないのは分かるが、これではリベラル側の論者がまるで番組に全力で擁護してもらえるよう手回しした卑怯者みたいに見えてしまう。議論には議論で返すべきじゃないのか?結局、国家的な強制性を示す新証拠はなかった。右よりの論者を悪人のように撮る『印象操作』に頼りがちで、不愉快だった。
レビューの記述で気になって調べてみたら、右よりの人たちの態度が悪い理由も『映画に使うよ』と明言されてなかったからだそうだ。これではドッキリ映像の仕掛け人とターゲット並みに不平等ではないか。議論は対等な関係で行うのが当たり前であり、それが意図的になされなかったのなら、もはや差別じゃないか。こういう下準備の姑息さは恥じるべきだと思った。知れば知るほどリベラルの面汚しだ。テザキ監督と、本作に登場するリベラル側の論者には失望した。これはドキュメンタリーとは呼べない。

ミズキ