「もう、何回泣かせんだよ」ファイティング・ファミリー bionさんの映画レビュー(感想・評価)
もう、何回泣かせんだよ
ほんとに何回泣かせんだよって感じ。ペイジがWWEの候補生としてアメリカに旅たつときの家族の涙、ペイジが苦しいトレーニングでくじけそうになりながらもやりきったときの湧き上がる熱い想い。そして、夢を諦めきれない兄のザックが最後にすがった希望が、絶望に変わった時のやるせなさ。
みんないい演技してるね。宇宙人ポールのニック・フロスト、けっこう体動いていたけどトレーニングしたのかな。サーセイ・ラニスターが出てるのにはビックリ。お兄さんのザック役のジャック・ローデンはつらくて悔しい気持ちが顔の表情だけで伝わってくる。
主人公ペイジ役のフローレンス・ピューは、役作りも完璧で、女子プロレスラーにしか見えない。アリ・アスター監督のミッドサマーが楽しみ。
音楽がこれまたいい、アイアンメイデンの曲がかかった時にはノリノリになったし、モータヘッドの時は、ミニバンの中でみんなが一緒に歌っているシーンだったから思わずくちずさんでしまった。しんみりしている時は、アコースティックギターのいい曲がかかって気持ちが揺さぶられてしまった。
ロック様もいいこと言ってるね。プロレスに筋書きはあるけれども、ファンは本物であるかどうかがわかる。まさにこの映画そのもの。実話ベースだから、ペイジがスターに育っていくシナリオは決まっている。演じている俳優、脚本、音楽が全てが最高に仕上がっている本物だから、すごく感動する。
ロック様に推薦されてペイジが大舞台にたつ、もう会場のファンと同化したね。手は握りこぶしだし、喉はカラカラになるし、涙を拭きながら応援した。チャンピオンになった時は、興奮も最高潮になった。
エンディングもいいね。夢が叶わなくても、スターになれなくても幸せで充実した人生はある。
コメディとしてもすごく面白いし、見れてよかった。パルコさん、こういう映画をどんどん上映してくださいね。