「欠けているのはビー玉よりもテーマそのものな気がする」転がるビー玉 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
欠けているのはビー玉よりもテーマそのものな気がする
夜ふかしのお供に選んで鑑賞。変わりゆく渋谷の景色と彼女たちを包んで運ぶ展開は好きだけど、特筆している点は少なかった印象。
魅惑的な映像美に対比するような、3人の立ち位置。今のままでいいとは思っていないが、変わり方も変わりようも分からない。結果として、あの家が全てだったとも言えないし、空白が空白になっていなかったような気がして、噛み砕けないまま終わってしまった。個々の演技とかそれぞれの境遇みたいなモノは確かに輝いているんだけど、それが生ききっている気もしない。でも、ラストに向けて手向けられた思い出のような描き方は嫌いじゃない。だから言うほど悪くは思っていない。
あと、キャストが豪華だこと。主演の3人はもちろん、神尾楓珠に徳永えり、田辺桃子に河合優実(気付けなかった…)と、ワンシーンにしてはトーンが付きすぎるキャスティング。観ていて楽しかったけどね。
また、面白いのは、まだ建設中の渋谷が舞台ということ。パルコも工事していて、ミヤシタパークは建設中。当たり前のようにフラッと飲みに行ったりクラブに行ったり。可愛げのない言い方をすれば、押さえているところは押さえている。ただ、舞台だけに成り代わっていたのも事実なので難しいところ。
ボーッと観ていた割には引き込まれたけど、思ったよりリターンは少なかったかな。テーマがボヤケちゃった、に尽きる気がする。
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