「【存在感無き男の、哀しくも深い”無償の愛”を描いた作品。】」アンダー・ユア・ベッド(2019) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【存在感無き男の、哀しくも深い”無償の愛”を描いた作品。】
<Caution! 以下、内容に触れています。>
・三井は、11年前の大学生時代に、只一人、自分の存在に気付いてくれた千尋の”匂い”を、もう一度だけ嗅ぎたくて、ベッドの下で息を潜めていたのだろう。
決して、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」や「人間椅子」で描かれた、倒錯した欲望故の所業ではなかったと思いたい。
・だが、愚かしき千尋のドメスティック・バイオレンス夫の所業に気付き、その思いは、”千尋を守る!”という思いに変容していったのであろう。
- 綺麗ごとを言うつもりはないが、愛した女性に手を挙げるような男は、生きる価値無しであると思う。そのシーンを見るのも嫌だが、2回目だったので我慢して鑑賞。ー
・その様を、三井を演じる高良健吾が、自身の淡々とした効果的なモノローグと、そして抑制した演技で魅せる。
・アロワナを飼育していた男の行った所業と、三井の行った所業では、動機が決定的に違う部分も、さりげなく描かれている所も良い。
<ラスト、三井が警官に自らの所業を自白しているシーンで、全てを思い出した千尋が、”三井君!”と名前を呼ぶシーン。振り返った三井の顔・・。
・・少し、涙が出た・・。>
<2019年10月19日 出張先の長野相生座/ロキシー座にて鑑賞 鑑賞記録なし>
<2021年2月2日 別媒体にて再鑑賞>
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