「犯罪者が主役なんだけど悪じゃない」アンダー・ユア・ベッド(2019) 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪者が主役なんだけど悪じゃない
大石圭原作ということを知らず、タイトルとあらすじが江戸川乱歩の《人間椅子》を彷彿とさせたので、観にいきました。
高良建吾さんって、どこか気持ちの悪い雰囲気があって、
今回の三井くんにはぴったりでしたね。
もう少し気持ち悪くてもよかったかもしれません。
原作者の大石圭という作家さんは犯罪者を主役にすることが多いそうですが、
絶対に悪にしたくないというポリシーがあるそうです。
いいなぁ、そういうの。
今回も単なるストーカーの話ではなく、ターゲットの幸せを願う純粋な想いが、観ている側をいつの間にか応援させていたりして、
三井が意気地がなくて行動できなかったときも、
本気でイラついたりしましたもん。
しかし観終えて思うに、
この作品の本当のヤバイやつはこの夫だし、
千尋も自分に原因があると早いうちに気づけばこんなことにならなかったろうにと思ったり、
いろんな意味でイライラさせられた作品でした。
強いて言うなら、乱歩が持つ壮美な世界観を演出してくれたら、
もっとよかったのになと思ったり。
これじゃあ色気がなりないなぁと。
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