「小石の裏の虫たち。その一匹が俺だ。」アンダー・ユア・ベッド(2019) 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
小石の裏の虫たち。その一匹が俺だ。
変態にして、純粋。
臆病にして、一筋。
なんで気付いてくれないんだろう、というこちらの苛立ちは、その程度の存在であり、それどころではない現状だからだった。いくつものちょっとした違和感は、「人生において最も辛いことは、忘れられることだ」の独白を脳裏で響かせながら、最後にさらりと剥がれ落ちた。
ああ、なんて切ない残像だろう。三井君の感情が揺れたのが、そんな時だなんて。ほんの小さな幸せにすがって生きてきた彼が健気でいじらしく、気持ち悪いほど気の毒に思えた。
コメントする