「江戸川乱歩を彷彿とさせる倒錯と妖艶」アンダー・ユア・ベッド(2019) マエダさんの映画レビュー(感想・評価)
江戸川乱歩を彷彿とさせる倒錯と妖艶
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アンダーユアベッドというタイトルのまんま、
かつて惚れた片思いの相手のベッドの下で、
ひっそりと彼女の温もりを求める様は、
江戸川乱歩の「人間椅子」を彷彿とさせる。
他人の私生活を覗き見る快感がエスカレートしていく様は「屋根裏の散歩者」である。
さらに「d坂殺人事件」の香も仄かに薫ってきた頃、
救いようもなくもがく芋虫の如き主人公が、
残りわずかな希望に手を差し伸べられるか否か。
一見おどろおどろしくどんより展開したはずの物語が、
視聴後は仄かに苦くてどこか清々しい。
それはマンドリンのコーヒーのように、
口内で未だ淡く残っている。
甘くはないが、それでいいのだ。
それこそが、人生であり、希望であり、その瞬間が映画に収まっているのならば。
ただエドワードヤン監督の「恐怖分子」のオマージュはこれ見よがしすぎる。
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