「ドラクエの醍醐味って、なに?って製作者にききたい」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー とっしーさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラクエの醍醐味って、なに?って製作者にききたい
公開前の宣伝で気になってたのでそれなりに期待しながら鑑賞しました。
ドラクエは派生作品も含め色々プレイしており、20年来の付き合いになります。
問題は最後のシーンですね。これは散々他の方が意見を書いていますので私のレビューでは触れません。ちなみに私は否定派です。
最後のがなければ星3つの凡作だったと思います。
そこで、ここではどうして星3つと思ったのか書きたいと思います。
ストーリーについては、わずか100分の時間に収まるわけがないと思ってたので期待してませんでした。子供時代がほぼ端折られてたのでそこで諦めました。でも大人時代はよくまとめていたと思います。あのシーンないのかとか思いましたけど、全てを入れるのは無理ですしね。勇者が剣を抜くところとか、最後のゲマとの戦いとか、カッコいいシーンや熱くなるシーンがあり、素晴らしかったです。
問題は、今作には全く「冒険」してる感じがなかったことです。街と街と移動はほぼカット、道中の戦闘もダイジェスト。VRゲームという設定ですが、本当にゲームみたいにファストトラベルしてどうするんだ。街自体も少ない建物内のみで話が進み、そこで住人が暮らしているという空気がなく、死んだような感じでした。フィールドにおいてもそうです。奥行きを感じることなく狭苦しそう。せめて、向こうの方には何があるんだろうという、ブレスオブザワイルドで感じたような感覚を映画の大スクリーンで感じたかった。
ドラクエ5はストーリーが秀逸のため、そこを重点的に描きたくなるのはわかりますが、私はドラクエの醍醐味は冒険だと思ってます。初めて訪れる街やワールドマップ、道中の未知の敵との戦いなど、昔子供心にワクワクした要素がこの映画にはありませんでした。
エンドクレジットの名前の少なさから少人数で制作されたため、多くの街や細かい背景などに割く余裕がなかったのかと思いますが、そこはせめて見せ方でカバーしていただきたかったです。作中の人物の言う通り、虚構が虚構にしかみえませんでした。
8月19日追記です。
「大人になれ」このセリフで大分物議を醸しておりますが、私はここに関してはどうでもいいです。VRオチが気に入りません。あのオチがわかるまではキャラクターやモンスター達は確かにあの映画の世界では「生きていた」んです。それぞれが自分の意思をもってそれぞれの人生を生きていた。VRオチなんていらなかった。あれが判明した瞬間あの世界の主人公以外の全てのキャラは死にました。空っぽのただの用意された言葉を喋る人形になってしまった。みなさんそこにショックを受けているんじゃないでしょうか?