「「トータル・リコール」? 夢オチはダメでしょ」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
「トータル・リコール」? 夢オチはダメでしょ
1992年、何歳(いくつ)でした?
当然、世代によって感じ方は違うのだろうけれど、かなり拍子抜けするクライマックスが待っていることは確か。
ここから先はネタバレです。
本作は同名の国民的RPG(ロール・プレイング・ゲーム)の映画化で、原作は1992年発売の第5作、「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をベースとしている。
1992年に小学5年生(10歳)だったとして、現在37歳くらいから上が観客ターゲットだろうか。
これまでビデオゲームを原作として映画化された作品は山ほどあれど、これほどまでに"ノスタルジア(懐古)"以外の何物でもない作品はない。
先日公開された「名探偵ピカチュウ」(2019)のような実写化を、普通は想定して観るはず。「バイオハザード」しかり、「トゥームレイダー」しかり、ゲームの映画化はそういうもの・・・のはず。
ところが本作は「トータル・リコール」(1990)なのである。
驚くべきは、主人公リュカ役のCV(声優)を演じている佐藤健は、佐藤健自身を演じていました・・・という、"身も蓋もない話"。
実は、主人公がバーチャルリアリティの「ドラゴンクエスト」をプレイしていただけで、キツネにつままれたようなオチが待っている。これって"夢オチ"映画なのだ。むむむ。
一方で、1986年の1作目からプレイしていた、オッサンど真ん中にいる筆者にとっては、懐かしさよりも"天空の花嫁"は、すでに"ドラクエ"に飽き始めていた頃のタイトル。
もちろん、テーマソングが流れれば、それなりに気持ちが高揚したり、スライム以外の懐かしのモンスターキャラクターとの久しぶりの邂逅に、当時が甦ってくる。
"ベギラマ"や""メラゾーマ、"ルーラ"・・・懐かしの呪文の数々。
モンスターを倒すと手に入るゴールドが、散らばるコインの形で映像化されるのは、なるほど面白いし、"薬草"での回復の仕方は見事である。パフパフの言葉も出てくる。
山崎貴や八木竜一と白組の映画としてはオーソドックス。これはこれでいいと思う人もいるのかもしれない。
(2019/8/2/TOHOシネマズ日本橋/ビスタ)