「ほのかに、心に残る」スノー・ロワイヤル DWK9さんの映画レビュー(感想・評価)
ほのかに、心に残る
リーアム・ニーソンのいつもの復讐アクション映画と甘く見ていたら、良い意味で期待を裏切られた。人によっては辟易する余分な家族ドラマ要素は薄く、それ故に湿っぽいセリフ回しもない。華麗な体術やガンアクションといったファンタジー要素も排除している。
つまり、あの手この手で感動を誘おうとする王道ハリウッド系では無いだろう。
けれども退屈な映画だなんて不安に感じる事はなかった。所々で諧謔が発揮され、各場面にはメリハリがしっかりとある。観ていて飽きない。映像のテンポが良いのだ。
序盤は主人公の性質、中盤以降はその土地で暮らす人々や情景の持つ空気に感じ入る。徐々にボタンを掛け違えていくような不安感を覚えつつも、何故か安心感があった。
繰り返すが、大泣きしたり大笑いしたりする映画ではない。ハリウッドに慣れすぎた感性のまま観れば、物足りない人も居るだろう。10代20代などは特に。
コーヒーの苦みが分かるような、大人向けかもしれない。
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