劇場公開日 2019年8月23日

  • 予告編を見る

「作品に集中させてくれ(声)」二ノ国 kouさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0作品に集中させてくれ(声)

2021年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

Amazonプライムにて視聴。

私は声優信者ではありません。
俳優さんがアフレコしていても問題ないと考えています。
そう、違和感がなければ……。

新田真剣佑さんはギリ耐え。山﨑賢人さんはギリアウトくらい。
ただ、永野 芽郁さんのコトナ/アーシャの声は余りにもキツイです。
感動シーンを全て台無しにするくらいの凄まじい棒演技を聞かせてもらえます。
これでOKを出した百瀬監督は、耳の検査をするべきです。
俳優起用の場合、レコーディングの時間が短くなりがちと聞くので、
予算と演技指導の時間が取れなかったのかなぁ何て思ってしまいます。
……そう思わせるような演技をさせている辞典でダメなんだろうけど。
主演や一部のキャラ以外の方々は、名だたる声優さんが演じているので安心して見られます。

本作はレベルファイブの日野さんが脚本をしているのだが、
伏線の貼り方が若干雑だし、キャラクターの思考回路がグチャグチャです。
特にハルに思考回路は、誰が見てもグズグズです。
「直情型の人間だから」のキャラ付けだけでは納得しないですよ。

子供向けのものは、単純簡単に作れば良いと思っているのかも知れません。
物語を描くのであれば、そこに生きるものをちゃんと描き切って頂かないといけません。
それに、何か答えを出すときに、直感的な判断だけで物語を進めていくのもどうかと思います。

映像はそれなりに綺麗です。
ジブリ風のファンタジー。メリダとか思い出します。
ただ、クオリティは若干低めです。
風や影の動画数が足りないかなぁ。(大手と予算を比べるのは違うかも…)

良い点を上げるとしたら、何よりも劇中曲。
流石の久石譲先生。作中の盛り上げ方が上手く、曲だけで画を持たせている場面も何度もあった。
EDは須田景凪「MOIL」だが……これ合ってるのか? 他の人の意見を聞きたいです。

基本的には、分かりやすさ等に重きを置いた結果、何もない映画になったと言う印象。
材料は問題ないはずなので、
視点・伏線の作り方をワンランク上げて作って頂きたかった。
特に「剣」にまつわる伏線などは、もっと細かく入れて欲しかったし、
もっと主人公の存在についても、描き切れたはずだ。

子供向けに作るということは、単純なものを作るというものではない。
子供に伝えたい事や、何度も繰り返して見て欲しいものを作るということだ。
日野脚本には、何故それが無くなってしまったのか。
もし次回があるのであれば、改善の上、より良い作品の発表を願う。

kou-suke