劇場公開日 2019年8月23日

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「細かい所の創りが雑で平凡…」二ノ国 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5細かい所の創りが雑で平凡…

2019年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

 奇しくもゲーム発の冒険ファンタジーアニメ映画が重なって比較されそうな雰囲気ですが、巧く住み分けた形にはなった様子。ドッチが面白い面白くない的な比較論はないでしょうが、ドッチもドッチ的な声も聞こえてきてる様な…。

 お話の大筋大枠の流れはボチボチ無難かと思いますが、一方肉の付け方が甘々です。例えば、王女の命の恩人への報酬が『菓子折り』的な物を渡してハイサヨナラ♪ってアリ? 町のおばちゃんは宿無し描写などなく二人を突然泊まらせたり、王宮の警備がザルってどうなの? その王女の夜の洗礼儀式に従者1人だけで警護もなくましてや男同伴の奇妙な絵面、何となく出来ちゃう異世界転生…。そう言った不可解でユルいご都合展開が重要な箇所に見受けられ、リアル感のない雑な印象です。ファンタジーにリアルもヘッタクレもと突っ込まれそうですが、コレはそう云う意味ではありません。子供向けと言う方の根拠はその辺でしょうか。
 そんなイササカ欠陥じみたシナリオと描写が作品を稚拙な方向に傾けてしまっています。その辺を蔑ろにした訳ではないでしょうが、引き出しの無さなのか、研究不足なのか、お話を創る監督と脚本家にはもう少し練って欲しかった気がします。

 もう一つ個人的に、ナゼ手漕ぎの車椅子じゃないのかが疑問でした。高校生なのだしコトナがユウを押して歩くみたいな印象的なシーンなどが創れて良いのでは?と思うのですが…(〝結城友奈は勇者である〟のシーン参照)。
 別に電動車椅子なんて珍しくもないし誰もが利用してるのかも知れませんが、もしかして動画の負担を減らした?的な勘ぐりを覚え、決して手抜きとは言いませんが何だかずっと引っかかってしまいました。

 そして毎度毎度の突っ込みですが、山崎賢人&永野芽郁。新田真剣佑や伊武雅刀は然程気になりませんでしたが、この主役があの宮野真守と絡むシーンが多くサスガに大根の苦味を感じる結果に…。音楽は重鎮久石譲でシッカリ馴染んでましたし、作画や美術も強い印象はありませんがそれなりにキレイではありました。
 という訳で、何と言うかまたしても凡作な結果に少々残念です。

(文中敬称略)

Geso_de_Nyoro