「今ヶ瀬の“愛“に翻弄されて、」窮鼠はチーズの夢を見る 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
今ヶ瀬の“愛“に翻弄されて、
2019年。行定勲監督作品。原作は水城せとなの同名コミック。
刺激的な映画でした。良かったです。
主役の2人
大倉忠義と成田凌が入魂の体当たり演技。
2人が、そして2人の愛が男と男とかでなく、美しくて切なくて、
胸に迫りました。
愛を知らなかった恭一(大倉忠義)が、一途な今ケ瀬(成田凌)の愛を
受け止めて、受け入れて、覚悟を決める・・・
それまで流されるまま誘われる女の子を受け入れていた恭一。
何かが変化する。今ケ瀬と触れて大きく変わる。
2人の再会は、事件でした。
大学の後輩・今ケ瀬は、恭一の浮気調査の資料を持って現れた。
彼は興信所の探偵でした。
妻帯者の恭一は会社関係の女性と不倫していた。
その事実を突きつけられて動揺する恭一に、今ケ瀬は、
揉み消す条件に、「一晩付き合ってくれたら・・・」と言う。
大学の時から「ずっと好きだった!!」
そう、今ケ瀬はゲイなのです。
男性同士のラブシーンがけっこう過激です。
大倉さんと成田凌の裸の絡みシーン、凄く多いです。
女の子が見る映画ですよ。
(男から見たらキモいかも!今時の女子はこう言う映画、好きです)
(なんでだろう?男と男が愛しあう・・・とても新鮮!)
(それもトビキリの美形の男子たちが・・)
(密やかな楽しみ・・・嗜好品ですね、世の中が豊かになった証拠かも?)
大倉さんって関ジャニ∞だとは知ってますが、ドラマも映画も全く観てなくて・・・。
新鮮でした。上品で美しいですね。この映画にぴったりです。
(冷酷になれない優柔不断の優しさが・・・とても似合う)
成田凌は兎も角、拗ねる!嫉妬する!策略する!画策する!
そして脅す!!そう、脅すんですよ!
でも捨て猫(ネズミか?)みたいにいじらしい。
一途だもの、恭一だけを見ているもの。よそ見しないもの。
(可愛い男は、成田凌の独壇場かも)
振り向かそうとすると、するりと逃げて・・・
つかもうとすると、振り払われて・・・
恭一にとって、今ケ瀬は「愛の終着駅」なのでしょうか?
余韻の残るラストでした。
この作品は基本的の男も女も同じだということを言っているように思います。
そこに垣根などないというのが根本思想です。
ただそれを受け入れられない感覚が大多数だと考えられることが、この物語の方向性と着地点を決めたのだと思いました。
個人的に疲弊した感覚です。