「人間らしさたっぷり」窮鼠はチーズの夢を見る Serinaさんの映画レビュー(感想・評価)
人間らしさたっぷり
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まずはじめに。腐女子が観ても大満足の大伴と今ヶ瀬の絡みシーンがあるので、ご家族での鑑賞は本当におすすめしません。気まずさマックスになります。
私は一人で観に来て没頭できて本当に良かったと思いました。
そして原作未読ですので、あしからず。
愛する人には1番幸せでいて欲しいと願いつつ、自らの手でその幸せを奪っているんじゃないかという葛藤が描かれているのかなと感じました。
ナレーションベース、モノローグ的なセリフはほとんどなく、代わりに登場人物たちの表情や言動に多くが表現されているのだと思います。個人的には成田凌さんの演技が頭ひとつ抜けているように感じました。とにかく粘着質で恋愛依存体質っぽい、でもどこかいじらしい。。。
また、大伴と今ヶ瀬が別れた後、大伴はゲイバーに行ったり、今ヶ瀬がよく座っていた高めの椅子にたまきちゃんが座ることを複雑そうに見つめたり、今ヶ瀬がよく着ていた服装に似せたり、、と未練たらたらな言動も細かく描かれていて、観ていて面白かったです。
お互いのためにならない、辛そうだから解放してあげよう、と別れる2人ですが、意外とすぐにヨリを戻します。その後もまた今ヶ瀬がいなくなったりしますが。。。
今ヶ瀬には大伴以外との恋愛の描写はほとんどありませんでしたが、大伴は女の子を取っ替え引っ替えという感じです。
相手を幸せにしたいと願っても、結局居心地の良い隣を手放すことができない人間の欲望をそのままに描かれていた、行定監督らしさを感じる作品でした。
原作とは全く別作品とのレビューが多くあるので、原作も読んでみたいなと思いました。
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