燃えよ剣のレビュー・感想・評価
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40時間の大河ドラマの総集編みたい
歴史も原作も知ってる人向けですね。どっちか知らないと置いてきぼりになりそう。
役名も表示した方が良かった気もする。「〇〇にいる〇〇が宮部鼎蔵です!」と言われてもあの流れで判断できん。
さて、どうしても大河ドラマ「新撰組!」と比べてしまいますが、
・土方はやっぱり山本耕史の方が本人に似てる
・近藤がちゃんと近藤してる
・沖田はまあ沖田、井上源三郎のすっとぼけた爺さんはなかなか良かった
・反面、永倉、斉藤、原田あたりがいまいちキャラ立ってなかった
・何かとお騒がせウーマンラッシュアワー村本の山崎烝が異様な役でハマってた
・芹沢鴨のイカレっぷりは新撰組系でも屈指かも
・松平容保の尾上右近はさすがの熱演
・一橋慶喜の神経病んでる描写はベタだけどなかなか
・七里研之助は司馬遼オリジナルキャラなんだしもうちょっと説明が必要では?
とりあえず面白いことは面白いけど見る側の知識次第では苦痛な2時間になりそうなので★は3つ
碧血ってなんですか?
ロケ地がすごい。長谷寺(たぶん)や吉備津彦神社(たぶん)で存分に雰囲気をつくっている。成羽の吹屋地区(たぶん)なんて、あれは道に土を敷き詰めたのか?ってくらいに現場を作りこんである(たぶん)。セットもすごい。これ、オープンセットで全部作ったんだな、って感心しながらスクリーン眺めてた。衣装もポリが混じってないような上質感。もう、大道具小道具の美術を見てるだけで飽きなかった。
ただね、やっぱ、ええ?そこまでいじるのはどうよ?ってことが、気分を冷めさせるんだわ。
原作に倣ってお雪を登場するのはいいにしても、絵を描きたい?はぁ?その西洋チックな画法いつ習った?って白ける。
クレジットで見つけたけど、殺陣指導が今回も岡田准一。迫力重視はいいけど、天然理心流ってあんな太刀筋だった?突きはどうした?
後半、畳みかけるように駆け足の展開に、誰が誰やら幕末知らずの人たちはおいて行かれるのだろうと危惧もする。
多摩のロケ地が、武蔵野平野を再現できずに山中っていうのも、どうもなあ。
で、最後に土方最後の描き方だ。あれはないな、あれは。あんな突撃してねえし、土方の死に方は・・・ま、いいか。
キャストでいえば、ウーマン村本はよかった(個人的に山崎丞はもっと寡黙だったイメージがあるが)。あれはあれで監察方らしさがあった。フラグのように水葬にも触れてたし。
なにより、尾上右近が抜群だった。藩祖保科正之の遺訓を堅守する会津藩主容保らしさがみなぎっていた。表舞台に引っ張り出され、損な役回りを甘受し、朝敵の汚名に屈し、孝明帝の宸翰を唯一の拠り所として余生を送った不遇の人を、体現していた。
見どころと不満が相半ばする映画、評価は、中庸というよりも相殺。
詰め込みすぎ感が否めない
キャストが豪華であることもあり、それぞれの演技、特に戦闘シーンは鬼気迫る迫真の演技で素晴らしかった。
しかし、新撰組の始まりである試衛館時代から戊辰戦争の終わりまでの長い物語を2時間ちょっとで収めるのには無理があったように感じた。土方のナレーションにより物語を振り返る風にしているため、ところどころの物語のとびは気にならないが、それぞれのシーンが短すぎて感情移入できなかった。最後のシーンもおそらく感動シーンになるはずのとこでも何も感じず、すーっと終わってしまった。キャスト、演出は良かったので本当に勿体無い。前後編の2部作品にした方が良かったのではと感じた。
PS.はんにゃ金田はとても良かったが、ウーマン村上はいらなかった。
殺陣のシーンは凄かった
もう2時間半の映画とは思わせない展開の連続。特に殺陣のシーンは迫力満点でよく撮れたなあと思う。役者の演技もとても大変だったろうと思う。
ただ燃えよ剣の原作は読んでないけど、新撰組の話は少しは知ってたつもりだが、それでも頭が追いつかないほど。詰め込みすぎはわかってるけど新撰組を語るにはどれも避けて通れない。だから迫力、音の大きさで誤魔化している面も無きにしも非ず。ただ岡田准一はじめ演じる俳優の迫真の演技が補って余りある感じで、新撰組で生きた土方たちの思いを言葉ではなく映像で思い切り伝えていたのではないか。
そういう点で久しぶりに日本映画を堪能した気がする。
ん〜、形が良くない。
新選組が大好きで、この原作をはじめ他の作品も読んできたので、すごくハードルが上がった状態が良くなかったのか…
映画一本に詰め込み過ぎのような感じでした😅
幕末の中でも新選組と言えば、いろんなエピソードがあるし、それぞれを描きたいのはわかりますが、この時間で伝えるには多すぎてストーリーがまとまってなかったと思います。
土方の言葉を借りれば「形が良くない」んでしょうねぇ。
ちょっとガッカリしました〜😅
長い小説の内容を詰め込み過ぎな感
良い小説をベースにしているのでストーリーは悪くないのですが、しかし148分では表現し切れず、ナレーション頼みの感じが否めない感が強かったです。
小説を読んでから観るなら良く判ると思いますが、映画のみで全てを理解するには少し難がある様に感じました。
う~ん、いまいち!
司馬遼太郎の名作の何度メかの映画化。コロナの影響で公開が1年延期された。主演・岡田准一、監督・原田眞人。それなりに面白かったけど期待値が高過ぎたので、ちっと中途半端な感じ。観て損はないけど。
司馬遼の原作は長いけれど一気に読みたくなるようなワクワク感、感動等があって(ちなみに私は歴史小説好きではない。あまり読まない)大傑作だ。それを2時間半分にまとめるんだからそもそも無理かある。
また、監督との相性もよくないんだと思う。『金融腐蝕列島〔呪縛〕』 『突入せよ! あさま山荘事件』 『クライマーズ・ハイ』 『検察側の証人』 『日本のいちばん長い日』『関ケ原』等は観ているけれど、どの作品も(期待をもって観たが)やはり今一つの感があって決して名作とは言い難い。事実を上手くつなぎ合わせて客観的に映画にまとめあげるという技術には卓越したものがあるかもしれないが、一人一人の人間にスポットを当てていくのは苦手かも。悪く言えば表面的。本作も土方歳三という人間の話ではなく新撰組の歴史話として捉えればいいのかもしれない。「永遠のゼロ」の岡田君の演技や司馬遼の小説の感動を期待していてはいけないのかも。脚本も監督によるものだが、事実をだいぶ脚色していて観客に感動を与えようというのがミエミエ。あと事前学習として「壬生義士伝」何回目かの視聴をしたのもよくなかったなあ。(「壬生義士伝」はよかった。人間を描く映画だった)豪華な配役というのもこの監督の特徴。俳優をうまく使いきってるとは思えない。映画全体としたらもっと殺伐とした感じや切迫感、臨場感がたりないんだなあ。特に立ち回り。(白黒の昔の作品は首が飛んだり手がちぎれたりと、ある意味グロかった)演技が良かったのは伊藤英明、鈴木亮平(この人は何を演じてもうまい)、柴咲コウ(ただし、司馬遼太郎が創作した人物。それをさらにふくらませていた←脚本に問題アリ)、山田亮介(切なさを出していた。びっくり。)あと、音楽がとてもよかった。
充分な努力が伝わってくる作品。
まず、この作品の大前提として、この作品に限らず言えることですが、
幕末の歴史にある程度理解がないと面白くはありません。
歴史を理解していても言葉が難しく、しかも会話のスピードが早いため、
完全に理解するのは難しいと感じました。
作品としては長いストーリーを2時間程でまとめるという難題に正面から挑戦する姿勢には好感を持てた。
作品上、血が出るシーンも多いが、不思議とそこまでグロくはありませんでした。
配役も的確で配役が良かったからこそ見たいと思った作品でした。
ロケ地にもこだわりが見え、それも良かった。
様々なシーンの中で個人的に特に気に入ったシーンは芹沢鴨殺害シーン。残酷極まりなかったが、そこがリアルでよかった。
役者○殺陣◎脚本・監督△→トータル△
岡田准一(土方歳三)、山田涼介(沖田総司)、柴咲コウ(お雪)、村本大輔(山崎烝)の演技が光った。しかし尺の都合上どうしても駆け足で描かなければならない事情もあり、原田監督の映画監督としての手際の良さがかえって作品を陳腐にしてしまった印象が強い。幕末の男たちの物語は大抵泣けるのだが、この作品には泣ける要素が一切なかった。
まず良くなかった点を順に述べたい。第一に、映画の主題が致命的にぼやけてしまっていた。『燃えよ剣』という原作タイトルをそのまま採用したならば、主題は「剣に生きた男」でなければならなかったが、中身は単に土方歳三の伝記だった。一応、剣にまつわるシーンを無理やり詰め込んではいたが、やるなら徹底して最後まで貫かないと、たとえば「和泉守兼定」と出会ったシーンそのものが映画の中で無駄死にしてしまう。柄本明まで使って気合を入れて撮影したシーンであったはずなのに、兼定を描いたシーンはそこだけで何のフォローアップもなく、タイトル『燃えよ剣』の意味が雲散霧消してしまった感は否めない。
第二に、監督としての余裕を見せたかったのだろうが、映画の中に入れた「遊び」が完全に邪魔だった。ウーマンラッシュアワーの村本大輔は好き嫌いの分かれるお笑い芸人ではあるが、作品の中では非常に重要な役割(池田屋事件の潜入調査)を見事にこなしていたように思う。しかし、新選組に入隊するシーンでは例の早口芸を十秒近く披露させたり、随所に「村本大輔」を感じさせる演出を盛り込んでしまった。原田監督の遊び心なのかもしれないが、彼のせっかくの好演を空しくしてしまう余計な演出だったと言わざるを得ない。山崎烝を感じたいのに、村本大輔を感じさせられては、いちいち映画の中から映画の外へ意識をつまみ出されて、うざったいことこの上ない。
第三に、重要人物の描き方が大変雑だった点を挙げたい。司馬遼太郎は『燃えよ剣』も書いたが、『新撰組血風録』や『最後の将軍』も書いた作家であり、これらを読んだ身からすれば、あれほど近藤勇や徳川慶喜を雑に描けてしまうのは少々信じ難いことだった。次第に変化していく近藤の振る舞いを「最近おかしくなった」で済ませたり、徳川慶喜を徹底的に逃げ腰の15代将軍として描かれてしまっては、それぞれの正義を感じ取ることも、心の機微に触れてその深みに涙する映画そのものの醍醐味も、失われてしまって当然だ。
ただし良かった点も当然ある。特筆すべきなのは、土方歳三の匂い、体温がつくづく感じられる作品だったという点。独特の歩様、田舎剣法の武骨な様、スマートな見た目とは裏腹な豪胆さ(ギャップ萌え)をよく描けていた作品で、これらを体現した岡田准一はもはや、三船敏郎級の日本歴史映画の大スターにのし上がったと言って良いように思う。
またセットやロケ地の選定も良かった。新見錦粛清のシーンで使われたセットのおどろおどろしさや、芹沢鴨暗殺現場の八木邸の間取りのリアルさなど、歴史好きにも十分満足できる内容だった。
つまるところ、この映画は役者やセット、ロケーションといった素材は一級品であったにも関わらず、ターゲットとなる客層をあまりにも広く意識しすぎたことから、全体的には極めて凡庸な味わいに落ち着いてしまった勿体ない作品と評価することが出来ると思う。具材としてよく煮込まれた岡田准一、山田涼介、柴咲コウ、村本大輔と、生煮えの鈴木亮平、山田祐貴が同居して、ごく少量の高級付け合わせとして山路和弘や柄本明が添えられた市販のレトルトカレーが、清水焼の高級皿に盛り付けてあるといった感じ。
もう史実でいいでしょう
キャスティングは良かった。
試衛館の近藤、土方、沖田の3人ははまり役で特に岡田さんの土方歳三はあの有名な写真を思い出させるに十分な雰囲気がありました。
いろいろ事件は有るものの比重が同じで物語と言うよりは歴史資料のようで有る意味で観終わってみればよりリアルな感じはあったように思います。
また土方さんの思い出としての語られていたので、この平坦さというか鋭利さもらしく感じます。
二部作でもいいなとも思うし、この詰め込み様は幕末の風雲を表す目まぐるしさかとも思う。
時代が右往左往し民衆のええじゃないかとやけくそぎみに新しい時代を祝う様はまるで新しい時代を告げる津波の様子。
上には裏切られ仲間は死んでいき民衆にも望まれず、ただ若き頃に憧れた士道を信念にその流れに必死に抗う新撰組(土方歳三)の時代の負け組の柱として戦った姿はやはり尊い。
もっと感情的になれる作品を観たかった気もするし有るがままで十分な生き様とも思う。
これからどうする?
物語の進行と司馬史観、狭量な山南や全く矛盾とういうものを持ち合わせない土方。そして敵対者よりも死に追いやった身内の数の方が多い新撰組という冷血組織の姿…
問われれば言いたいことは沢山ありますが、ここでは全て先ず措かなくてはなりません。なぜならこれは、美しく醜く見事な日本人を描いた見事な日本映画だったから。
もしかすると、外国の方にはこの映画の描く些細な機微や悲しさは理解・評価しにくいかも知れません。そう思うと、この映画はまさに新撰組という存在そのものであるかのようです。
時代が変わる時に必要なあだ花。良い時期に作ってくれました。
七里研之助
上下巻ある原作を二時間半に収めた技量は素晴らしいが、原作読者なら早送り感はあっただろうし、この辺の知識が微妙な人には今何が起こっているのかチンプンカンプンだろう
原作読者以外にはキーマンとして度々出てくる「七里研之助」誰⁉となるのでは…
アクション、ロケ地、美術、俳優は素晴らしいが、映画として面白いかは別
岡田准一と山田涼介が良かった。
公開延期が何度も続いたのでやっと見れました。
まずは公開おめでとうございます!肉体技巧派岡田准一の土方像は独特ですが心と技に芯があり興味深かったです。
沖田役の山田涼介の清々しさとやつれ方も見事で最後の姿は女性ファンには染み入りそう。
ストーリーはほぼ歴史をなぞってます。上映時間の制限があるのでかなり駆け足なのは仕方がないにしても、
幕末から明治維新にかけての会津と新選組の関係をメインにした流れが個人的には好みでした。
蝦夷地の戦場が派手に描かれてますが、人物関係や土方の最後の苦悩の描き方が甘かったのが少し残念。
でも全体的には力のこもった素晴らしい作品。幕末の歴史に興味がある方にはぜひ見て欲しい映画でした。
るろうに剣心の人を切り殺さないというフィクションが通用しない本当の刀での生々しい殺し合いの現実を感じることができました。
まだまだ時代劇も期待できます。
新選組ファンとして満足度の高い作品
新撰組の史実、関連創作小説、漫画、ゲーム等わりと広くチェックしているが、
下手にオリジナル色を入れず
共通的にあるイメージを何か逸脱することなく
中心から脇まで演技派、実力派の俳優で固めた見応えのある作品だった。
史実と原作に沿ったものなので
観たことがある、代わり映えなしと思う人もいるだろうが
1つの表現として、幕末を生きた男たちを描いた素晴らしい創りだと思う。
昔の言葉や京言葉をセリフとして消化するのではなく
自分の言葉のように出せる今回の役者勢には
安心して、また、感動して、のめり込んだ鑑賞ができた。
誠の信念に命を捧げる、というよりは
己の信念に命をかける、という描き方だったが
漢らしさに目を奪われ心が震えた映像化。
個人的には岡田准一さん、伊藤英明さんの格好良さが群を抜いており鑑賞後も余韻に浸っている。。
意外だったのが沖田総司役の山田涼介さん、
中心メンバーの中では演技派でないと思っていたが
決して岡田さんのついで、ジャニーズ縁故枠ではなく
素敵な演技をされていた。
藤堂平助役のはんにゃ金田さん、
こちらも若手で元気のある役柄イメージ通り
端正で若々しい顔と邪魔にならない演技で
この先他作品でも俳優として観たいなと応援したくなるものだった。
作品時間は長いが、観ているとあっという間。
新撰組の成り立ちから分岐、分裂、終わりまでが
バランス良くまとまっていた。
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