燃えよ剣のレビュー・感想・評価
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待て。も一回待て。またまた待て。
そんくらい待たされた感のある大作が、堰を切った様に連続開演の今日この頃。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
でですよ。待たされた大作がですよ。大作だけに、みんなして長い訳ですよ。どれもこれも2時間半が当たり前な訳ですよ。これが地味に辛い。ですが、クオリティは高い作品が続いているのは嬉しいです!
これは、司馬遼太郎ワールドですよ。「司馬遼の世界観を忠実に絵巻物大作にするぜ!」って言う声が聞こえて来る気がするくらい。予算も邦画としては破格と推測。兎に角、丁寧です。背景に映り込む街並みの景観から、衣装から、大小の道具類まで、手抜き感無し。撮影もやっつけ感ゼロ。役者さんも贅沢に使い切ってます。
また、冒頭のテンポの良い展開も好感持てます。最初ダラダラやると、五稜郭まで話が進まないもんね。それでも、終盤は飛ばし過ぎだけど。ただ148分と十二分に長いから。
物語り的としては、京都時代に重心を置く、当然の作り方ですが、鳥羽伏見の戦い以降を、も少しじっくりとやって欲しかった気もします。ラストサムライの悲哀に期待してた自分がいたもんで。また、沖田総司の人気の理由が判る物語りにもなってました。
昭和映画の絵巻物的な作りを感じさせる大河ドラマ。観客の年齢層は、やや高目。司馬遼太郎で新撰組となれば当然だと言うしか無いんでしょうが。
若い人にも見て欲しいよね、多少の予習をした上で。って言うのは思いしました。
普通に良かったけど。
土方のラストは、臭くても良いんで、過剰演出でも良いんで、もう一捻り欲しかったです。
新撰組史実を知ってから見るべし
とても良かったです。
この映画は、どれくらいその時の時代を知り、想いを馳せられるか、で評価が分かれると思う。
尊王攘夷思想はあれど、佐幕派の彼ら。
時代の流れとはかくも残酷で、
将軍と時代は尊王攘夷を捨て、そして、尊王倒幕に進んでいく。(違ったらごめんなさいw)
その中で、新撰組は、さまざまな時代の流れに翻弄されて、
芹沢を切り、試衛館時代から一緒にやってきた山南を切り、御陵衛士になった藤堂も切らなきゃならなかったわけよ!
一緒に仲良くやってきてたのによ。。。
もう悲しくて悲しくて。
ほいでやっぱりさ、沖田くんが、せっかく刀買ったのに山南さんしか切ってないとかさ、、、気がついたら近藤さんが斬首されてるし、もう沖田の心を思うと涙を流さずにはいられなかったです。
そして、彼らは、そんな時代の中、周りは鉄砲でバンバン撃ってるのに、刀を手放さず、散るわけですよ。
剣客の時代ではない、と分かりつつも、曲げられない士道のため、己のため、進まざるを得なかったわけよ。
その生き様が、しっかり描かれていて、私はとても良き映画と思いました。
ただ、感情移入できるだけの知識が必要ですね。
画的なリアリティはあるが内面のリアリティが薄い
時代の空気感はうまく出てるし、リアリティはあるんだけど、盛り上がりにかけたね。函館まで落ち延びて明治政府軍に徹底抗戦した土方歳三を突き動かした何かがが描かれていないから歴史絵巻物として終わってしまった感がある。
国際情勢を知ろうともせず、攘夷を叫ぶ公家や勤王志士たちの無知蒙昧な様子は、当時の空気感がよく出ていたと思う。彼らが事を起こしたら義和団の乱の二の舞になっていたかと思うとそら恐ろしい。
徳川慶喜の腰抜けぶりを山田裕貴がうまく演じていたよね。会津藩や幕臣を残してさっさと江戸にトンズラしちゃうなんてそもそも将軍としての器じゃなかったと思う。王朝の最後の主としてここまで醜態を晒した人物はそうそう見あたらない。
池田屋事件は、新撰組、長州方とも狭い空間で互いに傷を負い、血みどろの戦闘を再現した点では、すごくリアリティがあるんだけど、緊迫感が今ひとつだった。同じく芹沢暗殺のシーンも確実に地味に殺す演出は実際に近いのかもしれないが、鞘を掴んで数珠つなぎで侵入するって演出はちょっと疑問。
土方歳三は、イケメンの証拠が写真で残っているから岡田准一でピッタリなんだけど、いろいろと不満が残る作品になってしまって残念。
150年前の日本の美しくて儚い情景
武蔵から江戸、そして京都、そこから函館五稜郭までの、波瀾万丈だけどスジは通りまくってる土方歳三の戦いまくりの人生を描く
司馬遼太郎の原作もがっつりページ数あるし、上映時間150分とはいってもそりゃ全部は突っ込めないからどうすんだろうと思ったら回顧録の切り口、まぁそうだよなー
やっぱりいろいろ端折った感じは否めない
けど、特筆すべきはその映像、ああそうか、あのシーンはこんな色彩だったのか、という、150年前の日本の美しくて儚いリアルな情景が心を鷲掴みにしてくる
公開直前にコロナ禍本格化して、2年近くかかってやっと上映
そりゃ作品が作品だし、俳優の皆さんも気合漲っててよかった、できれば原作読んでから観るのがおすすめ
あっという間の時間でした
少しだけ物足りなさが
原作の面白さが余り出てなくて、脚本がイマイチ。
2020年5月公開予定のはずが、長い延期を経て、ようやく2021年10月に上映開始。
司馬遼太郎の原作は既に読んでいて、更に昔から新選組ファンである私。
前から楽しみだったこの映画、「一刻も早く観たい」と思い、初日に観に行きました。
しかしながら、映画が始まって、時間が経つ毎に、観ていてテンションが下がってきました。
原田監督が同時に兼ねている脚本がどうもイマイチで、要所要所で違和感を覚える箇所多し。
それぞれのキャラクターに引き込まれるような人間的魅力が乏しいというか・・・
観ていて感情移入しづらい場面が多いので、だんだん映画に入り込めなくなってきます。
この辺りは脚本や演出の問題が大きく、やたら暗い場面が多いのも気になります。
後半の頃には、何だかどうでもいいような気分になり、熱心に観れなくなってきました。
この映画で特に顕著なマイナス点は、言葉が聞き取りにくい場面が多過ぎるところですね。
長年の新選組ファンなので、石田散薬やら試衛館やら普段は聴けないワードがテンコ盛りで
土方歳三の写真撮影シーンとか、嬉し過ぎる映像が沢山出てきた点では楽しめたけれど、
映画全体としてはツッコミどころが結構あったりして、正直これは無いなと思ったりもして
原作の面白さが余り出てないし、監督の力不足を感じた作品でした。
ちょっと厳しいですが、2つ星。
あるようでない
教科書
昨年5月公開予定から延期してはや1年5ヶ月。少しずつコロナも収まり、タイミング的にはジャストなタイミングでの公開。ただ、初日の夕方の客入りが大スクリーンの3分の1というのが何とも言えない…
大まかにバラガキ時代から新選組結成、そして大政奉還後の最後の戦いまでを全て描きます。148分に本当に詰め込めるのか?という疑問を抱えながらも鑑賞。
まず良いところを挙げていきます。
役者陣の剣術に武術のクオリティはとても高かったです。狭い小屋の中で繰り広げられる血みどろの戦闘はるろ剣とまではいきませんが、狭さを活かしており良かったです。ちゃんと斬撃の音もしっかりしてますし、乱戦の様子も群像劇のように描かれておりリアルでした。
次に登場人物の描き方です。差異はありますが、沖田総司の愛嬌の良さだったり、美少年感は山田涼介さんにピッタリハマっていました。藤堂平助や山崎烝ははんにゃ金田さんや、ウーマン村本さんが演じられており、違和感なく観れて、ハマり役だったと思います。山崎のイメージは銀魂で固まっていたのですが、今作だと優秀な潜入捜査官として描かれており、こういう人物なんだなと知れたのが今作の功績です。一橋慶喜の頼りなさも山田裕貴さんの喋りのお陰で深みを増しています。土方も勇ましさの部分が強く描かれており、圧倒的強者感が素晴らしいです。お雪さんの愛らしさも魅力的です。
風景の作りもとてもうまかったです。定番の幕末の景色のみならず、広大な自然、教科書でも一度は見た建造物、他にも精巧に作られた建物もあり、世界観に違和感なく浸ることができました。
ここからイマイチだった点です。
一部の登場人物の描き方が曖昧でした。近藤勇も目立った活躍がないために、何故ここまで讃えられているのかが映画の中では分かりませんでした。芹沢鴨も登場から死ぬまでのくだりがほぼ描かれず、突然切り込まれて死んだ様にしか見えなかったです。そこまでの描き方がこの尺では非現実的だったんだろうなとは思いましたが、どうしても拭えない違和感が心残りです。
全体的に思ったのは教科書通りだなと思ったことです。意外性が全くを持ってないです。自分は幕末の時代の本を読むのが好きなので、山崎の描き方以外は大体どこかで見たものでした。もっと土方の意外な人間性や、深掘りされた新選組、劇中でもちょろっと触れられていた新選組内部の崩壊ももっと観てみたかったです。後半になっていくごとに駆け足になり、近藤や沖田の死に際もナレーションで済まされて、土方の死も感動できるはずのものなのに特に何の感情も抱きませんでした。ただ運ばれる様子からエンドロールに繋げられても…
かなり楽しみにしていただけなのに微妙な完成度になってしまったのは悔しいものです。戦闘描写に関してはしっかりしているのでそこに注目すれば面白い作品だろうなと思います。
鑑賞日 10/15
鑑賞時間 17:20〜20:00
座席 Q-26
たぶんいろいろ横槍が入ったんでしょう
原田監督作品は、なんか凄くまとまっている時とそうでないときの差が激しいような気がします。
本作は、岡田さんはじめ俳優人の演技はよく頑張っていたし、映像としても綺麗なんだけど、このシーンは何?って思えるようなところも多く、濃密な幕末を駆け足で表現する中で蛇足が多かったように思います。
また、一方でストーリー全体は、やはり駆け足なので、幕末について基本的なところを知っていないと今何の話しているんだろうとなってしまうので、他の方も書いているように誰向けの作品かわかりません。
恐らく監督としては、骨太映画を作りたかったけど、某オリンピックで悪名を馳せた企業が、こんな風に(タップダンスとかね)とか言ってめちゃくちゃにしたんだろうなと想像します。
日本には原田監督あり
時代に翻弄され、うねりに巻き込まれながら、逃げずに前を向いて突き進...
「どうなりますか? ではなく、どうしまししょうか!」そして「かたちが良くねぇ」と土方歳三副長は言った。 長州倒すべし!
刀は美しい そして 武士とは”死ぬ時を待つ者” だから 絶えず剣を脇に持つ
映画を通して「長曽祢 虎徹」「菊一文字」が登場する中で、土方副長の十一代め「兼定」を2代目300年にしたのは面白い脚色だと思う。良い!
劇中に兼定のアップはあったものの、題名に 剣 が付く位なので、武士の魂である刀を バックを極力暗くした中に"光をあてた美しい真剣''をカメラがナメるカットが欲しかった。それが脇差なら、鑑賞者にも解りやすかっただろうに。そんなカットを入れられない監督・脚本家は残念。
序盤のシーンで、轍(わだち)があったのも残念。シーン的にもカットして無問題ないので、修正して欲しい。
また浪士たちが最初に京都に入った寺廊下シーンや京都市内等の地面が
”土を奇麗に固めたもの”ではなく、どうもコンクリートのような硬さを画面から感じられてしまったが、おそらく誤解だと思うが違和感はあった。
濃い茶色を出す為に撮影前に水を撒いておいて欲しかった。
特徴ある髪形をした2名の子供エキストラが別シーンでも再度登場させたのは。。。
街中シーンはカット修正を希望
「め組」が顔をだしたり、ちょっと時期は早いが「ええでないか運動」をアクセントとして入れたり、人切り以蔵がでてきたのは当時を知るうえで、良い計らいで、考証と言うよりも
幕末好きを擽る。
そういった意味で、少々時代考証をまげて、娯楽映画として脚色しているが、その辺は愛嬌 映画として面白ければいい。
池田屋内に突入したのは4人、そして沖田総司隊士、藤堂平助隊士が離脱する中、劣勢になりながらも永倉新八隊士が、池田屋の鴨居を利用して、
脇差にて、バチバチと長州側の剣を折った事が大きな勝因なのだが、そのへんはもう少し事実に近くしてほしかった。
ざんバラ髪に序盤の猿のような”農民歩き”から侍に代わっていく 土方副長の成長を感じさせられた。
また座位での 切りあい は岡田さんの発案であることは想像できる。
岡田さんは他に代えがたき良き役者であることは間違いない。
他の演者も凡役者が居ない申し分のない良い役者陣であった。
土方歳三新選組副長の人生を2時間半で
どうマトメルのか見物だと思い、
今風の映画だから後半生に焦点を当てて、いきなり池田屋から始まるのだろうかと思っていたが、うまい脚本で上手くまとまっていた。
撮影や照明も見事申し分ない安心して観てられる”ザ・東宝時代劇」
池田屋事件や他の事件もキチンとこなし、大満足。
エンディングタイトルを観ていて気付いたのは「動物は傷つけていまむせん」と言うコメントと
スタッフを「***協力隊」と書いていた遊びが良かったです。
この映画を観たら、逆方向から「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」や「ええじゃないか」と見比べても良いと思う。
そして題名の意味を考えるなら「武士の一分」
早口言葉でまくしたてるあの男!
公開初日に観てきました!
原作の世界観を裏切らない素晴らしい出来映え。
原作などで新撰組近辺の歴史を知らないと展開についていけないかと。
歴史的な戦闘戦場のシーンは、大スクリーンで観る価値あり。
岡田准一演じる土方歳三は、イメージ通りの戦略家でありながら心熱き男として、表現されていました。特に、箱館のシーンでは、肖像写真で見た土方歳三そのままでした。
柴咲コウ演じるお雪は原作と比べてストーリー展開に絡んでくる重要な役どころになっていました。
ちなみに村本大輔演じる山崎丞が早口言葉でまくしたてたりして、物語にいいスパイスを与えていました。
良いシーンが沢山あるだけに惜しい出来上がり
司馬遼太郎の原作は名著である。土方歳三を中心として、その生い立ちから仲間が集って非常に実戦的な天然理心流の道場を形成し、やがては京に上って新撰組として一世を風靡しながら、やがて戊辰戦争に伴って北に転戦しながら敗戦を続け、遂には箱館戦争で絶命するまでが俯瞰してある。百姓上がりの出自を馬鹿にされまいと、新撰組では武士にあるまじき行為には全て切腹を求めるという鉄の戒律で隊の規律を保ったが、男ばかりの集団の中では実は男色が蔓延して情欲絡みの不祥事も多発していたことが描かれている。
だが、この映画では男色関連の描写は一切描かれていない。そればかりか、時間のスケールを原作と同じにしてしまったため、全てのエピソードが要所のみとなっていて、登場人物の描写も表面的であり、原作や他のドラマで新撰組についてある程度知らなければ疎外感しか感じられないような作りになっていた。とても男色関連まで拾い上げる余裕はなかったということであろうか。隊士の扱いにも濃淡が見られていて、特に、明治維新後まで生存した斎藤一、永倉新八、原田左之助の中で、斎藤以外の二人の印象が極めて薄かったのが解せなかった。
解せなかったといえば、新撰組の隊服としてよく知られている水色のだんだら模様のものの他に、黒一色のものが登場していたのだが、あれはどれほど史実に沿ったものなのであろうか?その両者が混在しているなど、隊としての統一感に欠ける描写の意図が全く不明であった。また、若い頃の描写において、頭髪や衣服が非常に乱れていたが、あんな不潔な日本人はいつの時代にもいなかったはずである。またしてもこの監督の自虐史観を見せられたようで嫌な気がした。
印象的だった隊士役は山崎丞で、早口の関西弁で捲し立てるところや、表情に乏しすぎるところなどがいかにも密偵らしさを感じさせていた。また、藤堂平助をはんにゃの金田が演じていたのも目を引いた。最近テレビでは全く見なくなってしまったが、役者に転業したのであろうか?更には、理屈っぽ過ぎる山南敬介や、ヘタレ過ぎる徳川慶喜、苦悩を絵に描いたような松平容保なども印象的であった。
これまでに、土方を演じてきた俳優は数多く、映画とドラマで2度も大役を果たした栗塚旭を筆頭に、ビートたけし、山本耕史、渡哲也、地井武男、近藤正臣、中井貴一、役所広司などがいる。今作の岡田准一は実物の風貌にも近く、期待していたところ、殺陣の見事さでは歴代屈指の高みを見せてくれたと思う。惜しむらくは眼力の強さが終始抜けず、穏やかな表情に乏しかった点である。函館で戦死する数日前に撮影されたとされる現存する本人の写真からは殺気などは一切感じられず、意外なほど穏やかな風貌であるのに対し、岡田の写真は緊張感が迸っていた。
音楽担当は馴染みのない女性の作曲家で、ビゼーの「真珠取り」やカルメンの「ハバネラ」を引用した曲が印象的であった。特に冒頭と最後に流れる「真珠取り」は、同じ場面であることを示すのに見事に貢献していた。ただでさえ胸を打つ「真珠取り」の曲をああした場面で流されると、ひときわ胸に迫るものがあると実感させられた。
函館で土方本人が過去を語るという設定をするならば、話をもう少し絞った方が良かったのではないかという気がした。新撰組についての予備知識がない者には何がなんだか分からず、知ってる者にはあらすじを見せられているだけのようにしか感じられなかったのではないかと思う。血糊の量の多めな芹沢鴨の暗殺シーンや、スケールの大きい箱館戦争の野外戦闘シーンなどは非常に見応えがあっただけに、いろいろと惜しいと思った。
(映像5+脚本3+役者4+音楽4+演出4)×4= 80 点。
良かった
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