劇場公開日 2021年10月15日

「剣は燃えていない」燃えよ剣 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0剣は燃えていない

2021年10月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

難しい

岡田准一主演の時代劇ということで、制作発表当時から楽しみだった本作。新撰組を150分に収めるなんて厳しいだろ...と思っていたので、まぁ役者目当てで見ることに。内容にこれといった期待はせずにね。

ほんと、期待通りの映画でした笑
面白いのは事実。楽しいのも事実。だけど、物足りずよく分からないのも事実。しょうがないとは思うんだけどね。

武士になるべく京都へと移った土方歳三(岡田准一)らは、新撰組を結成し市中を擁護する。土方は鬼の副長と恐れられながら、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)らと共に戦い続ける。

役者は文句無し。
岡田准一は相も変わらず最高の演技。カッコよすぎるし、アクションは流石すぎるし、土方歳三がピッタリすぎる。ファブルのように冷静沈着な役なのに、本当に同一人物なのかと思うほど。毎年5本ずつくらい彼の主演作品を見たいものです。
山田涼介は暗殺教室の時から変わらず若くて上手いなぁと感じたり、芸人2人も前情報知らずのサプライズからしたらサプライズ登場で驚き、いい味出していた。
伊藤英明は特に、あの渋くてウザったらしい役を見事に演じていた。なんか癖になるのよね、この人の演技。

何故だかこの映画、すごく魅力的。
恐らく、カメラワークのおかげではないだろうか。
剣を振りかざす戦闘シーン、前へと進むシーン、そしてラストシーン。どれも観客を引き込み、没頭させる。カメラワークでここまで映画は面白く見えるのか。この作品で改めて気付かされたようだった。

ただ、やはり全くもって尺が足りなかった。
全体的に丁寧さがない。とりあえず土方歳三の半生を描くために、大きな出来事はひたすら取り入れてはいるものの、何が起こっているのかが全く分からず大事なところ完全にスルー。無駄が多い割りには余裕が無い。常に切羽詰まった様子でしんみりとする時間なんてそうそう無い。どうしても映画では厳しかった。300分はいる。そう考えると大河じゃないといけなかったのだが、大河だと私は見ていないので結局は良かったのかなとか考えたり。

戦闘シーンも迫力に欠けているし、全然興奮しない。
別に手を抜いているわけでは無いのだろうけど、照明が無くて誰が誰なのか分からなかったりしたし、勢いを感じられず新撰組の強さがイマイチ伝わなかった。せっかく映画館で見ているわけだから、戦闘シーンはしっかりして欲しかった。

んー、しょうがなかったと言えばしょうがなかった。
最善を尽くした結果だとは思うけど、どうだった?と聞かれれば微妙だと答えるそんな映画。時代劇映画は作るのが難しい。

サプライズ