「河童の話が聞きたかった」燃えよ剣 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
河童の話が聞きたかった
新撰組が存在した幕末の六年間、たった六年であるが激動の六年を、土方歳三に焦点を当てて描く。
二時間半に上手くまとめられていると思います。
(日本の歴史の知識のない人は楽しめない、という評もありますが、そこに合わせた作品作りはしなくても良いと思う。知識のある人はより楽しめる。なんだってそうだと思います。)
岡田准一が主演だけあって殺陣が素晴らしい。
池田屋のシーンだけでなく、終盤の戦闘のシーンに至るまで、斬る者も斬られる者も一人ひとりが命をかけて闘っている、迫力があるので命の重さが伝わってくる。
司馬遼太郎原作だけあってか決め台詞も多く、現存する古い建造物が社寺くらいしか残ってないためか、ロケーション撮影地も美しい。(池田屋はセット、凄い)
音楽も新鮮かつ、でしゃばらない。
どこを切り取っても絵になる作品、何度でも繰り返して観てみたい。
はんにゃの金田が出てるのは知っていたが、ウーマンラッシュアワーの村本が出てるのは知らなかった。ちょっとやりすぎかとも思ったが、いいアクセントになってたかな。
山田涼介の沖田は意外と(とても)良かったです。
慶喜の山田裕貴も上手い俳優さんだなと思いました。
終わり方、静かなラストシーン良かったです。
今晩は
”日本の歴史の知識のない人は楽しめない、という評もありますが、そこに合わせた作品作りはしなくても良いと思う。知識のある人はより楽しめる。なんだってそうだと思います。”
このお言葉、激しく共感します。歴史を知らなくとも、観る側に満足させる映画を作る事が、映画監督の仕事だと思いますから。
それにしても、原田監督、前作の「関ケ原」もそうよりもでしたが、国民的ベストセラーを題材に、スケールの大きな映画を製作する姿勢には、敬意を感じます。私のレビューにも書きましたが、現代邦画監督で、このスケールの映画を自ら脚本も書いて製作できる監督は、限られると思います。
勝手に、日本のリドリー・スコットだと思っています。
けれど、原田監督の下で働きたくはないなあ・・。物凄ーく厳しいらしいですから。私より、相当厳しそうだなあ・・。労働基準法、絶対守って無いよなあ・・。では。