劇場公開日 2020年1月31日

  • 予告編を見る

「どうせ歪むなら美しく歪みたい」嘘八百 京町ロワイヤル ラグさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0どうせ歪むなら美しく歪みたい

2023年2月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

知的

三作目を映画館で観て面白かった為、先日一作目を、今回二作目を家で観ました。

古美術店 獺(カワウソ)を営む小池則夫はテレビのレポートを受けるが、嵐山堂の二代目から茶碗を安く見積もられ、しかも偽物呼ばわりされてしまう。

個展を開いていた陶芸家の野田佐輔は、自身が創作した茶碗を偽物呼ばわりされたことで、オーナーから個展打ち切りを迫られていた。

そんな二人は、嵐山堂が贋作を不正に販売していることを知り、同じく遺恨を持つ美人詐欺師と手を組み騙し返す計画を立てる。

今回は「織部のはたかけ」を軸に騙し合いが繰り広げられます。

相変わらずの則夫と佐輔の掛け合い、茶碗作りのシーンは癖になる面白さでした。

娘のいまりは占い師になってて、心なしか則夫の古美術より繁盛してるのも笑えました。

誰も世話を焼いてくれないところで、自分の器に向き合ってみたい。昔の俺を超えないといけない。

今作は佐輔の過去を超えたいという熱意が伝わってきました。

頑張りたい時、自分自身にも言い聞かせたいです。

過去の自分よりも根性が歪んでしまったことに嘆く佐輔に、則夫が今のあんたにしか出せない歪みがある、いずれ評価はついてくると諭すシーンも良かった。

歪みを美しさと表現するのは斬新でした。

ラグ