ホフマニアダ ホフマンの物語のレビュー・感想・評価
全1件を表示
15年かけて撮ったストップモーション・アニメ
クリックして本文を読む
ユーリー・ノルシュテイン監督などロシアを代表するアニメーション作品制作会社スタジオソユーズムリト・スタジオによる作品で、後に作家となるE.T.A.ホフマンが想像した幻想世界と現実世界を描いたもの。
ストーリーよりも際立つのが人形の造形美と細かいセットのこだわりかた。エンドロールではメイキング映像も見られるが、その繊細な技術と工程には舌を巻くばかり。また、デフォルメされた人物像も主人公エルンスト以外は不気味な顔ばかりで、おどろおどろしい表現も特徴の一つだろうか。
思ったほど想像世界のシーンは多くなく、現実でのエルンストと枢密文書官リントホルストによる劇のようでした。それが夢想では娘ゼルペンティーナがヘビ娘であり、文書官はアトランティスを追放された魔法使い。どちらにしろエルンスト(夢ではアンゼルムス)の味方で、悪役は弁護士コッペリウス=目玉を集める砂男とヘンテコな魔法使いとネズミたち。その目玉を使って人形オリンピアを蘇らせるのだった。いかにも人形、まるで南極2号みたいな・・・
光と影も絶妙に操って幻想的雰囲気を盛り上げ、ユニコーンとムーア人の侵攻も気色いいものではない。そんなこんなでオペラ「ウンディーナ」を完成させるが、このラストの劇場シーンもメタ的オペラとなってエルンストを称えていた。もうちょっと艶っぽいゼルベンティーナに登場してもらいたかったなぁ・・・
コメントする (0件)
共感した! (1件)
全1件を表示