「ビデオテープの呪いの連鎖はやっぱり偉大!」貞子 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
ビデオテープの呪いの連鎖はやっぱり偉大!
「リング」シリーズが好きで、「らせん」「リング2」「リング0:バースディ」と鑑賞して、小説も読んでテレビドラマも見ましたが、海外版の「リング」でなんか違う感を感じつつも、「貞子 3D」でこれじゃない感が満載になってゲンナリして、「貞子 3D2」は未鑑賞。
「貞子vs伽椰子」は意外な面白さがあっても「ザ・リング リバース」はやっぱり未鑑賞。
年々貞子の扱いの悪さにうんざりしながらもやっぱり気にはなるのと、今回は「リング」の中田秀夫監督なので、ハードルを限りなく下げて鑑賞しましたw
で、感想はと言うと…なんとなく惜しい!足りない感はやっぱりいろんなのがあと2つずつくらい足りない物足りなさw
それでもそんなに悪くないかなと思うからの惜しい感じ。
でもツッコミ所はやっぱり多い!
初代劇場版の「リング」「リング2」の続編と言うか、繋がりがあるのはちょっとビックリした。
この辺りは中田監督起用の妙ではあるけど、観ている途中からハードルが上がってきて困りモノw
偉大な初代を超えるのやっぱり難しくて、粗だけが気になってしまっても簡単にダメと言いたくは無いのですが、それでもツッコミは別w
やっぱり貞子の悲壮感が無いし、設定は甘いし、怪物感だけは健在で初代を越えられは出来ないんですよね。
ここからはツッコミばかりになります事をお許し下さいw
宣伝の謳い文句に「撮ったら死ぬ」と謳ってましたが、見ても死んでんじゃん!と殺され理由もバラバラw
また原作の「タイド」のあらすじを少し聞いただけでも似ていない感が満載で、何故原作「タイド」と明記したかが謎です。
でも、タイドはまだ未読なので、読む気は上がりました。
ツッコミ所は多々あれど、一番突っ込まざるおえないのは主人公の池田エライザさん演じる秋川茉優の弟の和真の立ち位置が悪い!
最近の流行りなのでユーチューバー(劇中ではそうは言ってませんがまぁ同じ事ですw)が流行るのはしょうがないにしても、アクセス数を稼ぐ為にやってはいけない事をして、アクセス数を稼ぐ者に共感は得られる訳もなく、観ていても正直貞子に呪い殺されても当然と思う人って多いと思うのですが(ここでは敢えて人命尊重は置いておきます)、何故それを結構重要な役の設定にしたのかが謎。
まだ、友人がユーチューバーで仕方無く撮影を手伝った際に呪われましたなら、可哀想感も出るのに、この弟、和真の質の悪いユーチューバーは殺されても同然感が強すぎるんですよね~。
これが一番のツッコミ所です!
他には和真の先輩の塚本高史さん演じる石田の立ち位置が中途半端とか
意味のなくユーチューバーが呪いに掛かった様な描写はいらないし
貞子の呪いも何日後に死ぬのかも分かり難いし
少女の母親役のともさかりえさん演じる祖父江初子が近所の人に酷い扱いを受けてた理由もなんか曖昧だし、立ち位置設定も微妙。
少女が触媒になって、貞子復活の鍵になるのはまぁ良いとしても生まれながらの能力保持もよく分かんないし退院後も何処に引き取られたかも分かんない。茉優は少女を守ると言ってたのに、守ってないじゃんw
茉優が最後に貞子に呪い殺された(様に思える描写)にはちょっとビックリで、まさかあんなに病室で怯えているのは逆にあそこだけ浮き彫りになって怖いんですが、色合いが違い過ぎるんですよね。
あれだったらまだ、石田が殺されるのが先の方が良かったのでなかったのかなとw
それでも初代リングシリーズのオマージュと言うか、リスペクトはなんとなく感じられるし、倉橋雅美役の佐藤仁美さんの起用と言うか、設定はナイス!長いこと入院してたなぁ~と思いながらも元気になった振る舞いが変わり過ぎですねw
ただ、貞子の超能力と言うか力は母親に間引きされてあのほこらに捨てられたからの設定の改変は個人的に無しです。
あと大島のほこらを守る島のバアちゃん。演技も雑だし、ベラベラ喋り過ぎw
「リング」「らせん」「リング2」を観て人にはいろんな部分を連想させるオマージュも所々にあるし、怖いのはそれなりに怖い。
貞子の出番が少ないかなと思う所もあるけど、「貞子 3D」みたいに怪物感満載のウジャウジャと量産型貞子が出るよりもよっぽどマシで良いかなとは思います。
ですか、それでもツッコミ所と言うか、不満感は拭えない。
これは初期のリングの貞子の呪いがビデオテープと言う絶妙の設定に他ならない所が多々あると思います。
だからと言って、今更ビデオテープで呪いの連鎖を使ってもナンセンスだし、これだけインターネットで動画が出回るなんて、誰も予想を出来なかったからだとは思います。
でも、やっぱりこの時代に即したネットと動画を使っての呪いの連鎖を作り出さないと結局貞子の怪物感を出して、チープな作りになってしまうかと思います。
正直、貞子を使っての安易なリングシリーズの製作はうんざり感があるので、ここは長いインターバルがあっても初代を超える作品を産み出して欲しいと切に願います。