サイダーのように言葉が湧き上がるのレビュー・感想・評価
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文化は、地層のように生み出される
背景の感じ、山下達郎のレコードジャケットのイラストを思い起させました。「ナイアガラ」という店の看板もチラリと映り、大貫妙子の歌が展開のキーとなる。1980年前後に大学生活を経験した者なら、誰もが「~だよね」って言うんじゃないかな。
イシグロキョウヘイ監督の郷愁もともなった遊び心からの演出か、とも思いましたが、監督は1980年生まれ。1980年代文化へのリスペクトでしょうか。ただ、背景が主張し過ぎで、年寄りにはちょっとうるさい。
ストーリーは、2001年の映画「アメリ」が浮かびました。日本版アメリ。いやぁ、単に年寄りは、自分が知っている中から似ている物探しをして、安心したいだけなんです。「すべての新しい作品は、過去の作品の変奏曲にすぎない」誰かが、どこかに、書いていたような。
スマホと俳句、結構、相性は悪くないのかもしれませんね。写真は一瞬を切り取る。でも、俳句は写真には写らない何かも写し込む。
悪くない映画でした。夏の終わりを感じさせます。
アニメーションが魅せてくれます
田園とショッピングモールのコントラストのよう青春
現代っ子の青春
近年少ない、良質なアニメ映画
まず、くたびれた社会人である私は、基本的に少年少女の群像劇が苦手です。
登場人物に青臭い万能感が溢れてたり、浅薄な行動原理や非常識さが目に入りすぎて内心で常にツッコミが入りすぎてしまう為です。
ほとんどのジュブナイル作品は見るだけでストレスが溜まるのであまり好きではないんですが、稀にスッと腑に落ちる作品があります。
そんな数少ない作品の一つでもある「四月は君の嘘」のイシグロ監督作品ということで思い切って観たところ、大変良かったです。
SNSを軸にした直球の現代劇でありながら、独特の風情を持つ圧倒的な映像美、キャラクターの纏う微妙な侘び寂び、王道(ベタ)でありながらも爽やかな余韻の残るシナリオ。
大人でも純粋に楽しめると思います。
題材的にはキャッチーさもなく、失礼ながら話題作や大ヒット作とは決して評されていないと思いますが、クオリティも内容も、十分に日本アニメ映画の中でも最高峰であると感じました。
もっと評価(認知)されて欲しいという願いを込めて、高得点を付けさせていただきたいと思います。
とても良い作品です。
良作
何でもない日常の出来事
本作は何かとんでもない出来事が起こるわけでもない、実に有り触れた日常の中で起きた、ちょっとロマンチックな出来事のお話。
コンプレックスを持った二人がある出来事をきっかけに距離を縮めていくというものなのだが、まぁ題材からして盛り上がらないのは必至と言える。なので何か大事件を期待していると、何も起きずに終わるので退屈かと思われる。
が、よく考えたら、極有り触れた日常を題材に物語を紡ぐのは大変に難しい。物語とは語ることのほどがあってこそ物語なのであって、特になにもない日常というのは物語として成立しない。なのでこの作品は物語性よりも、その日常と主人公二人のコンプレックスとの向き合い方、そして言動に対する共感性を重視していると言える。
人との距離感や身体的な特徴に対する考え方が多様化している今ならば、より求められる作品となったかもしれない。
監督イシグロキョウヘイの出身地について
このアニメについて、ですが
日常的、普通のアニメです
実は、このアニメの監督のイシグロキョウヘイ
と言う人は、神奈川県の秦野市の出身です
自分も住んでいる秦野市は、特にとても有名な特産物も無く
普通の都心から1時間強の少し遠めのベッドタウンです
でも、良い街です
それをアニメにしてくれた監督に敬意を払い
自分の判る限りロケ地を公開したいと思います
電波塔の有るお城の展望台→弘法山展望台
田んぼの畦道→土屋橋の前の田んぼ
ショッピングモール→残念ですが海老名
ダルマ祭り→タバコ祭り
特に、花火は、河川敷からの仕掛け花火と離れた弘法山からの打ち上げ花火
このアニメのエンディングのようです
(^^♪
現在、残念ながら劇場公開は、日本で一軒も無いので、ネットフリックスだけみたいです
残念ですが、見て頂いた方に敬意を表し感謝いたします
エモさ弾ける田舎のボーイ・ミーツ・ガール、言葉に詰まる思いが加速する
今年の作品がすぐにサブスクに来る時代。評判良かったので新作としてネトフリで鑑賞。爽やかな余韻と夏の清涼感!たまらないねぇ…。
小田市のショッピングモールを舞台に、小さなひと夏の出会いを描く。たまたま今年、ご当地スタバで高崎のイオンモールに行ったので謎の親近感。レイアウトはかなり似ているし、イオンらしい開放感が面白い。
チェリーとスマイル、お互いコンプレックスを隠すような二人が出会ったことによって生まれる化学反応が爽やか。更に、コンプレックスを克服することが全てではないことも含むのがまた良い。現代的なパーツと旧き良きカルチャーを組み込んだ、レトロフューチャーのテイストがアクセントに。
そんなアニメのテイストは、ベタッとしたキャラ造形と奥行きのある風景が特長。綺麗さが際立つ作風が多い中、独自のカラーとファンタジックな造形が心をくすぐる。さらに、かわいい声した杉咲花と市川染五郎、それを支える声優たちのキャスティングがまた上手い。夏に観たらまた違った味になる気がする。
コロナ禍で1年延期した本作。ネトフリで再び湧き上がってくれたのが嬉しい。本当にエモい。シャープな味が弾ける1本。
理想的な青春でした
タイトルも内容も全部シュワシュワする気持ちよさ!
夏の間に観たかったが観ることができず、新宿で復活上映していたので最終日にギリギリ見ることができました。
よくある田舎の郊外大型ショッピングモールが舞台の青春ムービー。
日本のド田舎ではなく比較的人が多い田舎のイメージは、時間の動きが遅く、実写にすると壁も空気感もちょっとグレーがかる感じ。だけど、この映画では色彩が豊かでシティポップ調であることで、田舎である喪失感やあきらめが全くなく、純粋に俳句で気持ちを紡ぐ爽快な青春ムービーのストーリーに気持ちを向かわせてくれる。また、俳句という言葉をダギングという形でビジュアル化し背景に入れていくことでかなりいいアクセントになっていた。
ストーリーは、いい感じで伏線豊か。伏線回収したところで、あれが伏線だったのか!と気付かせるくらい絶妙な塩梅が素晴らしい。
最後の最後まで楽しませてくれるいい作品でした。
最後にパンフを購入しましたが、レコードジャケット風になっており、ちょっとネタバレ感もありますが、こだわりが細部まで出ていて本当にいい作品だなと思います。
主題歌も最高!
ぼくはすき
開始10分で大体全員出てきて、20分にはもう面白い。
何も考えずにササっとこの世界観に身を委ねたら、なんともとってもいい話だった。
(ヒーローとヒロインが激突した瞬間、98%くらい入れ替わるかとドキドキしたが、そーゆー類でないのでご安心を)
複雑で壮大な近年の映画とは対称的に、自宅と近所のショッピングモールの範囲内に起こる日常と、コロナ禍もあいまってマスクとか配信とか、色んなものがもの凄く身近に現実的に感じられる素朴な田舎で繰り広げられる小さなドラマ。
カラフルで美しい絵と、何にもない(あるのはこのモールだけ)田舎のマッチングもいい。
今の世代に伝わるか分からないギリギリの時代感も絶妙。
コンパクトだがちゃんと現実世界で最大限あり得る奇跡と機微はしっかりドラマになっていて感無量。
声優もとっても素敵。絵も独特で可愛い。
上映最終日滑り込めてよかった。
この映画
賛否あるけど
ぼくはすき
ミッドランドシネマ名古屋空港(隣りイオンモール、周り田んぼ、夏、静かな夜)の帰り道、情緒に浸りながら。
タイトルの 秘密に気付いて 恋をする
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