劇場公開日 2021年7月22日

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「近年少ない、良質なアニメ映画」サイダーのように言葉が湧き上がる R Mさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5近年少ない、良質なアニメ映画

2022年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

まず、くたびれた社会人である私は、基本的に少年少女の群像劇が苦手です。
登場人物に青臭い万能感が溢れてたり、浅薄な行動原理や非常識さが目に入りすぎて内心で常にツッコミが入りすぎてしまう為です。
ほとんどのジュブナイル作品は見るだけでストレスが溜まるのであまり好きではないんですが、稀にスッと腑に落ちる作品があります。

そんな数少ない作品の一つでもある「四月は君の嘘」のイシグロ監督作品ということで思い切って観たところ、大変良かったです。
SNSを軸にした直球の現代劇でありながら、独特の風情を持つ圧倒的な映像美、キャラクターの纏う微妙な侘び寂び、王道(ベタ)でありながらも爽やかな余韻の残るシナリオ。
大人でも純粋に楽しめると思います。

題材的にはキャッチーさもなく、失礼ながら話題作や大ヒット作とは決して評されていないと思いますが、クオリティも内容も、十分に日本アニメ映画の中でも最高峰であると感じました。
もっと評価(認知)されて欲しいという願いを込めて、高得点を付けさせていただきたいと思います。
とても良い作品です。

MR