劇場公開日 2021年7月22日

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「何でもない日常の出来事」サイダーのように言葉が湧き上がる Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0何でもない日常の出来事

2022年1月31日
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本作は何かとんでもない出来事が起こるわけでもない、実に有り触れた日常の中で起きた、ちょっとロマンチックな出来事のお話。
コンプレックスを持った二人がある出来事をきっかけに距離を縮めていくというものなのだが、まぁ題材からして盛り上がらないのは必至と言える。なので何か大事件を期待していると、何も起きずに終わるので退屈かと思われる。
が、よく考えたら、極有り触れた日常を題材に物語を紡ぐのは大変に難しい。物語とは語ることのほどがあってこそ物語なのであって、特になにもない日常というのは物語として成立しない。なのでこの作品は物語性よりも、その日常と主人公二人のコンプレックスとの向き合い方、そして言動に対する共感性を重視していると言える。
人との距離感や身体的な特徴に対する考え方が多様化している今ならば、より求められる作品となったかもしれない。

Ko Fu