「ぼくはすき」サイダーのように言葉が湧き上がる ruさんの映画レビュー(感想・評価)
ぼくはすき
映画館での予告の時点では観に行くか迷っていました。
お引越し、夏祭り、夜に走る主人公もよく見るやつに思えたし
ビジュアルについてもシティポップ調?いまふう、雰囲気?などと考え。
一応行ってみようと出かけて大正解。本当に良かったです。
実家が水田にモールどーん!!の文化圏なので、うんうん、あるなぁと懐かしく頬がゆるみました。
夜の田んぼのカエルサラウンド、謎の虫の声、あぜ道を普通に歩いて帰る。前をずんずん、猫一匹歩いていたり。
それでいて、ただの田舎なのに雲と光がダイナミックに彩り、どうしようもなく美しい瞬間があるんです。そんな切ない一瞬もさり気なく、かつふんだんに描かれていたと思います。
線と塗り の間合い、余白と行間の美学は浮世絵のようで俳句との相性も心地よかった。作品の世界観をぶれずに纏め上げていました。
男の子と女の子が空に舞い上がったりとかしないのに、とても良質なファンタジーを観た満足感が残りました。
作中の俳句が高校生の手によるものとエンドロールで知り、粋な仕掛けにまた幸福感上がりました。
細い指が、ちょっと恥ずかしいけど、迷って言葉を探す。いいなぁ〜
こんな素敵な形で青春を刻めて良かったね、と祝福したい気持ちです。
良い時間を過ごせました!
実家を思い出して一句w
青田波 畦行く猫のいさましく
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