劇場公開日 2021年7月22日

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「サイダーのように言葉が湧き上がらない!?」サイダーのように言葉が湧き上がる caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0サイダーのように言葉が湧き上がらない!?

2021年7月26日
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題名は「サイダーのように言葉が湧き上がる」だが、決して「サイダーのように言葉が湧き上がる」ことはない。
チェリーくんのコミュ障はわかるが、最初から最後まで、コミュ障的な表現をひっぱるため、全編を通し、テンポが悪く、ストーリーは間延びしていく。
要は、チェリーくんが、スマイルさんに「好きだ〜!」というところまで持っていくのが、ストーリーの中心な訳なので、あまり引っ張っても、途中で飽きてくる。
尺は90分弱だが、実際の内容は60分の分量もない。
コミュ障で「ん…、あ…、え…、う…」と言っているうちに、尺を一生懸命伸ばして、なんとか長編映画の土台に乗せた格好だ。
ラストで、言葉が湧き上がるかと思いきや、またもや赤面し、言葉が出てこない。
最後は、さすがに、「好きだ〜!」で終わるが、そもそも、いくらコミュ障だからといって、自分がお祭りの日に引っ越すことを言ってない訳がない。
盆踊りの練習もして、花火もスマイルさんと見に行くと言っておいて、さすがにそれはない。
花火の日に、わざわざ引っ越しをして、しかも、わざわざ、お祭りの会場であるショッピングモールの横を素通りしないでしょう。
アニメの製作者は、自分がオタクやコミュ障だから、こういう表現になるのかもしれないが、それならば、とことん、コミュ障を突き詰めて行くしかない。
短編映画でも観たような気分だが、時間は2時間ぐらいに感じる。
作品としては、80年代のシティーポップや鈴木英人的ビジュアルへのオマージュのようだが、それだけで終わってしまった感は否めない。
杉咲花さん素晴らしい!市川染五郎さん素晴らしい!と言いたいところだが、「好きだ〜!」だけで終わってしまっては、実力を発揮するのも難しいところだろう。
80年代風のイメージやビジュアルが好きな方は、映画館のスクリーンで観るのも悪くないと思います。
雰囲気で観る作品ですね。うるさいこと言うな!って感じですかね。

caduceus