「色彩がポップに見える夏の恋」サイダーのように言葉が湧き上がる kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
色彩がポップに見える夏の恋
コンプレックスってものとてもやっかいなものだ。他人がいくら褒めようとも、自分が嫌なんだから仕方ない。
本作は、前歯が出ていて矯正していることにコンプレックスを持っている女の子スマイルと、自分の言葉を人に伝えることが苦手なコミュ障の男の子チェリーのボーイミーツガールなラブストーリー。スマイルは歯を隠すためにマスクをし、チェリーは人に話しかけられないようにヘッドフォンをつける。この対比がよかった。正直、上映時間も短いから深みのある話とは言えない。でも、人の死が絡んでいたり、暴力などで傷ついているわけではないからこれくらいの軽さでいいんだろう。アニメの色彩がかなりポップで鈴木英人さんのイラストを想起させるところも軽さを感じるところではある。服装の色使いもおじさんはどことなく80年代をイメージしてしまう。
レコードの在り処や最後の結末など、想定したとおり順当に話が進むのでやや拍子抜けしたが、鑑賞後の感覚は悪くない。杉咲花や周りを固める声優陣の演技が安定していたのも大きい。あまり粗探しなどしないでボーイミーツガールな話を楽しむのが正解だと思う。
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