「80年代のシティ・ポップとグラフィック・アートに彩られたボーイ・ミーツ・ガール」サイダーのように言葉が湧き上がる 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
80年代のシティ・ポップとグラフィック・アートに彩られたボーイ・ミーツ・ガール
歌舞伎界の新星・市川染五郎さんと若手トップ女優の一人、杉咲花さんが声優で共演したフライングドッグ10周年記念作品は、80年代のシティ・ポップとグラフィック・アートに彩られたボーイ・ミーツ・ガールの青春ストーリーが甘酸っぱく、サイダーのように弾けて展開する。
主人公の二人はコンプレックスを夫々抱えていて、少年・チェリーはコミュ症で、人から話し掛けられないようにベッドホンをいつも着用し、少女・スマイルは矯正中の前歯を隠す為にいつもマスクをしている。
趣味の俳句でしか自分の気持ちを表に出せないチェリーと、人気動画主でありながら見た目のコンプレックスを克服出来ないスマイルが、或る切っ掛けでショッピングモールで出会い、SNSを通して交流していく。
やがて、チェリーのバイト先であるデイサービスを利用するフジヤマ老人の想い出のレコード探しを二人して手伝うことにする。
レコード捜索の中で二人の距離も縮まっていくが、レコードが個人的な想い出と密接に繋がっていることに彼らは気付くが、思わぬアクシデントもあったりして、フジヤマになかなか想い出を取り戻させるには幾つものハードルが立ちはだかっていく。
果たしてフジヤマ老人の想い出のレコードは、そしてチェリーとスマイルの恋の行方は?
私にとっては懐かしさ一杯の80年代のシティ・ポップテイストの音楽や、そのレコードジャケットを彷彿させる色彩をはじめとしたビュジュアルで描かれる青春ストーリーは甘酸っぱく、そしてサイダーのように心の中で弾けます。
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