閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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とても痛いです
原作は未読です。予告編を観て、面白そうと思いました。ストーリーは、予想を裏切らず、良かったです。そして、俳優陣も、とても良かったです。
精神科病院の話なので、ちょっと重いかなぁ…とは思ったんですが、想像以上の重さでした。特に、小松菜奈ちゃんの役…。義父からの身体的暴力、実母からの扱い、同入院患者からの暴力。子供を守るべき母親から守られないなんて…。飛び降りたシーンは、ちょっと、考えられないと思いました。精神科病院なのに、鍵かけないなんて…。実際には、こういうことはないと思うけど、これは、作品上の演出とすることにしましょう。そんな小松菜奈ちゃんを唯一守ってくれたのは、笑福亭鶴瓶と綾野剛の二人。綾野剛くんの「事情を抱えていない人なんていないからね…。」って言葉、すごく納得しました。ああいうところでなくても、みんな、それぞれに事情があるから…。みんな事情を抱えながらも、生きていく様は、泣けました。
それにしても、綾野剛くん、最近、こういう役が多いですね…。良い役者さんになったってことでしょうね。
優しさとは
死刑執行されても生き残り、世間に出すことができないので精神病院をたらい回しにされてきた主人公。
義理の父親から性的虐待を繰り返しされて、妊娠。母親からは義理の父親を奪った女と目の敵にされている女子高生。
幻聴に悩まされたり薬物中毒だったりと世間から隔絶された世界に生きる人々が生活する病院が舞台になっている。
行き場のない人たちが描かれていく中で、一人一人が様々な過去を抱えながら生きていることを丁寧に描いていた。
生きるとは何か?
生きる価値がないと、人が人を裁くことができるのか?
人権とは?
優しさとは?
問いかけを視聴者に突き付け続けられる。
人を殺めることは絶対悪が前提だが、人の尊厳を考えさせられた作品。
古臭いけど良く出来たフィクションドラマ
管理ガチガチでは無い、比較的アットホームな精神病院で起こるドラマ。それ故のメリットはドラマに優しさや暖かさを生み出すが、リスクとして事件(レイプ、殺人)が簡単に起こっちまう。『ああ、そこはメリハリよ。あまりにもヤバイ患者は別扱いの強固な管理が必要じゃね?』と思ったが、ま、これもフィクション、ドラマですからね。何か事件が起こらないとね。
主要人物達の演技は良かった。その中でもやはり鶴瓶の役がね、グッと来た。ハマり役だ。ただ古臭いよ、昭和の臭いがする役だよ。故高倉健でも合う役だよ。あ、俺的にはカッコーの巣より、幸せの黄色いハンカチの健さん役を思い出した。だから、ね、古臭い。そこが良いんだ。
ラストの、車椅子から何度も立とうともがき、暗転。ほほう、やられたよ。不覚にも涙が出たじゃないか。
タイトルなし(ネタバレ)
いろいろ批判的意見が多く聞かれる映画ですが、私は感動しました。
途中、DVシーン等観ていて目を覆いたいような辛い場面もありましたが、自分の為ではなく、自分を支えてくれた他人の為に勇気をもって挑む姿に感動し、途中から涙が止まりませんでした。
殺人という行為は許されるものではないですが、エンディングで優しいメロディが流れ出すと、他人を思う優しさに包まれて幸せな気分にさえなりました。
ディアドクター同様、鶴瓶さんの演技にはすっと引き込まれてしまう上手さがあり、綾野剛さんは悪役から刑事、楽園やこの映画のような難しい役どころなど、幅の広い演技の出来る上手い役者さんだなと思いました。
失礼ながら小松菜奈さんはきゃぴきゃぴの若手女優だと思い込んでいたので、しっかりとした演技のできる女優さんなんだなとかなり印象がかなり変わりました。
役者の演技◎。内容は???
精神科病棟を題材にしたものだということで、興味がわき見に行きました。
前知識なしで行ったのもあるのか、思ってた内容とだいぶ違うし、結局何を伝えたいのか、訴えたいのかよくわからなかった。
何より、ツッコミどころ満載で内容に集中できなかった笑
まず、この精神科病院やばくない!?というのが一番の感想です。暴力ありまくるし、火事寸前なるし、外泊した患者が亡くなるし、患者病院からいなくなるし、殺人起きるし、落ち着かない病院だなぁと。
病棟鍵閉めて管理してるのに、患者ふつうに病院玄関前に見守りなく出てるわ(すぐに患者いなくなりそう)、外出・外泊も患者一人で簡単に許可出るわ、暴力沙汰起こしてる患者の見守り甘すぎるわ、妊娠・義理の父親・挙動不審の患者で怪しさ満点なのに退院させるわでちょっとあり得なくないか??
綾野剛演じる患者も退院するにあたって、入院生活何年もしてて、外の世界久しぶりなのに、試験外泊もなく退院させちゃうって、そりゃ退院するの患者も不安になるわ。
役者の演技はみんな素晴らしかった!!静と動がしっかりしてて、精神科疾患の特徴も捉えられてて違和感なかった!!
それだけにストーリーが惜しすぎる・・・!!
あと、精神科の患者が極端に描かれすぎて、逆に偏見生みそうな感じがして不安で仕方がなかった。精神疾患持ってても、福祉のサポートなどを利用して地域で暮らす人はたくさんいる。そんな人たちが偏見なく過ごせる社会になってほしい。
オーバーリアクションは弱者への差別
この映画は人を選びます。精神疾患というカテゴリーについて知る気がなく、知らない病に対して差別的な認識しか持っていない人しか感動できません。上記に当てはまる人にとっては、この映画は「医療現場のドキュメンタリーかつ患者たちのハートフルヒューマンドラマ」のように映るでしょう。
そんなものに共感できるほど、私はレイシスト側に堕ちていません。私には差別の現場に見えました。
精神的な病に冒された家族を持つ方々は、この映画を観てどんな気持ちになりましょうか。私が彼らの立場なら、怒りにふるえるでしょう。
制作陣はもう少し配慮できなかったのでしょうか。評価されればされるほど、配慮されるべき立場の弱者が蔑ろにされるようで、悲しさがこみ上げてきます。レイシストが共鳴して、ホルホル増長しているようにしか見えません。。。
鶴瓶兄さんは役者であると同時に噺家でもあるんだから、演じる中で「これはアカンやろ・・・」ってなってほしかったです。
いつもの
弱者を描こうとして弱者を取材せずに作り上げた駄作
左巻きが好きそうな題材だなーとチェックしてたのですが、いざ見てみるととても褒められたモノではありませんでしたね・・・。
伝えたいことはわかりましたが、伝え方がひどすぎます。
日本の映画って左巻きが作る題材になったとたん、極端に取材不足になるのと、それでも大絶賛する人が溢れるのは何故なのでしょうか。
少なくとも心療内科の知識を少しでも有する人間が見たら違和感しかありません。
左巻きの連中がどれだけ精神的弱者について知ろうとしていないのかが浮き彫りになっているように感じます。
原作があるものと聞いていましたが、いったい何十年前の病院という設定なのでしょうか。現代風にアレンジするだけの能力が作成陣にはなかったのでしょうか。
釣瓶師匠はいい仕事してますが、作品自体がガタガタなので活かし切れていません。監督の力不足です。
日本映画の悪いところが満載
普段、洋画を主に観ているかもしれないが違和感が半端なかった。
第1に、精神病患者の演出がステレオタイプでかつ過剰。映画のなので多少のオーバーな演出には眼を瞑るが、落とした観劇のチケットを食べるや、ヘッドギアをした青年がここは楽しいといいながら、窓の外に向けて手旗信号で家に帰りたいのアピールなどなど。あまりに
極端すぎて、ぜんぜん映画の世界の中に入っていけない。
第2に、主演の3人による絶叫シーン。そもそも感情が昂って絶叫するってこと、内向的な日本人がするのか。
外交的な欧米人が行うことは画になる。恥の文化の日本人が人前で感情を全開にして、号泣・嗚咽することが想像できない。(これもまた日本人へのステレオタイプかもしれないが。)もちろん幻聴の病、殺人、レイプとそれぞれ重い背景を抱えての絶叫なので、わからないでもない。しかし3人みな絶叫はいささか、やりすぎの気がする。
第3に、ストーリーの展開がご都合主義過ぎる。映画冒頭、義父による暴行により妊娠がわかった少女。ふらふらと病院の屋上へ行き、そこからの飛び降り自殺。未遂に終わったが、お腹の赤ちゃんは亡くなり本人は無傷。
そんな都合よく精神病院の屋上へ行けますか?そんな都合よく無傷で済みますか?その後の病院の管理体制は問題にならなかったんですか?ツッコミどころご満載です。
最後に良かったところを述べると、やっぱり小松さんはかわいいということと、最後の鶴瓶さんの「クララは立った」シーンは笑えたというとこ。
偏見とステレオタイプ
精神疾患のある人間はすぐ人をレイプする危険人物だという偏見を助長する酷い内容
出てくる看護師が一人残らず無能
精神疾患はある程度、患者同士の影響を考えて病床管理しないといけないのにすべてごった混ぜにした無能病院
何もかもがどこかで見たことあるような展開でありきたりな内容でした
精神疾患のある患者の演技は上手かったですが、それ以外はな…という感じ
佐藤秀峰が見たらぶちぎれる内容だと思うよ
とても苦しくなりますが救いはありました
冒頭の処刑の赤裸々なシーンから
色々な病を患う患者さんのそれぞれの苦悩の描写と続いて見ていて本当に気持ちが重くなります。
楽園に続いて綾野剛さんの演技は素晴らし過ぎました。
統合失調症の患者さんの役でしょうか、、
苦しみながらも世間に戻ろうとする儚げながら前向きな姿勢が痛々しいながらも心打たれました。
小林聡美さんも芯の通った強さも良かったです。
患者さんの家族に物言う看護師さんはあまり居ませんが、、
あんなスタッフが居る病院は良いですね、、
先生は普通でしたが、、
血の繋がりのある家族は冷酷で理解が無いけれど
苦しみを分かち合える患者さん同士で家族として支え合う。
それは理想ですが、小松奈々さん演じるゆきちゃんが救われてホッとしました。
原作読んでません
あらすじも知らないままただただ鶴瓶さんの映画は好きで観に行きました。
私も、病気を患ったことがあるのでの感想。
実にリアルに精神病を演じられていてハッとしました。
1人1人にある疾患の表現の仕方、それを見守る小林聡美さん素晴らしかった。
そして、鶴瓶さんも患者と自分の中には何の隔たりもなく普通に生きている。
肉親よりわかりあえる仲間がそこにいたんだと感じました。
内容は、暗い感じですが、あったかくなりますよ。
最後に鶴瓶さんが歩こうとするシーン
私は生きる気力が出てきてくれて勇気をもらいました。
精神病を患ってない人にはなかなか理解しずらい内容かもしれませんね。でも、少しでも理解してくれる人が増えてくれたら生きやすくなる人もふえていくような気がしました。
管理がひどい、、、
閉鎖病棟ってあんなに開放的で、管理不行届きなんですか?完全に病院の管理の問題ですよねーって感じ。男性看護師、患者さんがいなくなるほど長く立ち読みします?あんな暴力的で乱暴な患者野放し?閉鎖病棟というくらい管理が難しそうなのに男女混合???若くて綺麗な女子なんていたら、そら、もう目をつけられて当たり前じゃないですか!
と、病院の管理についてイライラする内容でした。鶴瓶さん、綾野さん、小松さんは素敵な演技でしたよ。
うーん…惜しい。
原作未読です。「愛を乞う人」の平山監督の作品という事で鑑賞。前評判では重いというものを多く見たので、どれだけ重いのかと思ったが、案外そうでも無かった。人間ドラマだけあって役者の力量が求められる内容だが、笑福亭鶴瓶さん、綾野剛さん、小松菜奈さんはじめ、脇役の方々も良かった。
事情を抱えた精神病患者たちが暮らす病院が、いつしか家のような、家族のような温かく居心地の良い場所になっていく。
しかしながら、ある事件をキッカケに…。物語にはドンデン返しもなく予想通り進行し、予想通りの結末を迎えるので物語としては特に何もない。
ただ一つ許せないのは、笑福亭鶴瓶さんの役が背骨を損傷し歩けないので何十年も、車椅子に乗っている設定なのだが、どうしても足が太く筋肉も落ちていない為、ラストのシーンで興醒めしてしまった。もちろん現実には無理なのは分かっているのでCGを使用してでも、足を細くしそれでも立ち上がろうとする姿に心が動くと思う。細かい所をあげればキリがないので、せめてそこだけは頑張って欲しかった。
魚は自分で裁いちゃダメだよ!!!????
個人的にはシナリオを描き替えたい。
まず、自分で裁いてはいけないと思われるような。
110番して司法の判断を仰いだほうがよいかと。(笑)
さすがに2+1はだめでしょ。(笑)
あと法廷がくだらない。AI裁判でよいでしょ!!!(笑)(笑)
まあ議論はあるのかないのか。
あとコミュニケーションがみんな下手なのが原因かなとか思ったり。
なんとか営業法があるのだから、そこに勤めてお金を得たりするオプションを感じてしまったり。
また、その逆もしかり。(笑)(笑)
その施設ももっときちんとした教育をしないととかおもったり。
キャスティングも。
お兄さんと妹で。妹は嫌われ役か==とか。
この場合お兄さんもっと攻めないととか、まあこうなるのかなんて思って、そこはさすが、
どっかのライセンスを持っている人が監修しているのかどうなのか??!!(笑)
自動車ライセンスみたいに返納はできるのだろうか???(笑)
意味はないです。
もっとアクションでめちゃくちゃに。
アベンジャーズのキャプテンマーベルみたいに。
電車の中でおばあちゃんを扮したエイリアンにがつーーーんと。
そこから、やり返してがつーーーーんと。
そんなアクションが観たかった。
最後はマレフィセント2みたいにみんな生き返ってなんかハッピーエンドみたいにしてほしかった。
コメディー感がなくて笑えなくて。
笑いたかった。(笑)笑いたかった。苦笑
まあ苦笑ですよ。
みんな問題だらけです。(笑)
この人たちはきちんと言葉でマニュアル化してあげたり、プロシーデュア化してあげた方が
良いと思ってしまう今日この頃の空気感のなか、
こんなわかっているのかどうなのか、微妙な小職(自分の事 その立場ではないのであしからず。)
はなんともかんとも、ただ空を見上げるしか、できないのでした。(笑)
そんなかんじで、タイピングが打てていまして、こんなパワーがこの作品のなせる技なのか。
どうなのか。
いやーーーある種のホラー映画で、
ITにもとりいれてほしかった。
女優さんがクラウンにみえてしまって、みえたら終わりみたいな。
ガブーーーみたいな。
まあ、ITと二本立てでみてよかったような。
不満があるひとは返金にも応じてくれる映画館もあるみたいですが、
調査はしてないです。ちなみに試してもいないです。(笑)
まあ、つまらないですよ。(笑)(笑)
でもこれくらい、タイピングできました。(笑)(笑)
まあ、テーマはいいのかどうなのか。
まあいろいろあるのかどうなのか。
まあこのあたりで。
さいなら、さよなら、さよオナラ!!!!???
映画って、映画って、映画って、映画です!!!????
ある種のホラースケアー映画!!!???
いまいち。コメディー感がなくて、問題解決策も提示されてなくて、ある種の怖さはまあ評価できるかも。
とのことで。
ディズニー映画を見習ってほしい。
テーマは悪くはないとも思う。
もっとハチャメチャに。
これだと、みんなコミュニケーションが下手すぎる。
いなさないと。闘牛のように。
それはそっちが悪いのはいうまででもないけれど。
こっちそっちあっちどっちもコミュニケーションが下手すぎる。
もう勤めるところに勤めて発散しながら、稼いだほうがヘルシーなんじゃないのとか。
いまいち、解決策や問題点が提示されていなくて。
それにコメディーがなくて、芸人なのに芸がない。(笑)もったいない。
笑えるところがなくて。苦笑ばっかりで。
もっとぶっとんでほしいし。せっかくエロがあるのだから。もっとアクションも頑張って。
ふっとばして。最後はターミネーターみたいにぐちゃぐちゃにして、生き返らせたり。
法廷もあんなのありえないし、なんか視聴者をなめていて。返金してほしいとか一瞬おもってしまったり。
結局のところ、迫力もないし、ただ、ダメな人たちをみての反面教師てき側面は評価できなくはないけれど。
ディズニーチェックを入れてほしい。
アクションでアベンジャーズを見習ってほしい。
アニメーションも取り入れてドランゴンボールZを見習ってほしい。
時系列をめちゃくちゃにしたり。
みんな生き返るようなマルフィセントを見習ってほしい。
コメディー感がなくて、アラジンを見習ってほしい。
エロ感もダメで、うーーーん。もったいない。
ただ、病棟のある種のホラー感は評価できたり。(笑)
レナードの朝にとか。
なんかハッピーエンドがよいけれど、いまいち。
強引に生き返らせて、夢の中だったことにして、ハッピーエンドにしてほしい。(笑)
映画なんだから。真面目すぎて、つまらない。(笑)
地味だが多くの人に観てもらいたい良作
原作は未読。なぜかタイトルは知っていて、興味は持ちつつも読んでいなかった小説。
この映画のポイントは舞台が精神病院であること。近隣住民の偏見や、「頭がおかしい」という表現や、入院患者たちの描写がとてもリアル。実際どうなのかわからないけど、実情はこんな感じなんだろうなと思えるくらいにちゃんと作られていた。そして入院患者を演じる役者さんたちがとてもいい。地味めの実力派を揃えた感じがする。
そして、鶴瓶、綾野剛、小松菜奈の演技だ。特に小松菜奈!元々好きだということもあるが、本作の彼女はまた違う側面を見せてくれて嬉しかった。どんどんすごくなっていくな、この女優は。
さて、話の方だがこれもまたいい。前半は、精神病院に入院する人たちの紹介と小松菜奈演じる高校生が心を開いていくヒューマンな展開。後半は小松菜奈に降りかかる不幸を見せつけられる。彼女に少しでも幸せを!と思いながら観てたから、証言台で看護師の見習いしてるって聞いて泣いてしまった。色んなこと抱えて、他人のためになる仕事をめざしたんだねとか勝手に想像しながら。
でも、単純に泣ける話ということではないので、観終わったあとは色んな思いが事故渋滞してる。地味な作品だけど、少しでも多くの人に観てもらいたい。
これは褒めてはいけない映画でしょ…
本作に興味を持ったのは、ロケが行われた長野県の小諸高原病院に、つい最近まで近親者が措置入院されていたためである。措置入院では親族でも面会は許されない(「閉鎖病棟」とは何を意味している言葉なのか不明だが、恐らくそういう意味であろうと推測)ので、どんな病院なのか見たことがなく、この映画でようやく見られるということにまず期待していたのだが、現実の精神病院の姿を全く反映していない粗雑な作りに驚き呆れる結果となった。
措置入院とは何か。身体の自由は憲法で保証された人権であるが、精神の病により自傷または他傷に及ぶ恐れがあると判断される場合には、自由な行動を許しておく方が却って本人や他者の人権を損なう結果となるため、都道府県知事の権限で行われる強制入院のことである。(強制なので入院費用は全額公費だが、税金の使い途に何かとやかましい昨今においては、改善すれば早々に退院させられる)
従って、本作での描写のように、患者が簡単に飛び降り自殺を図ったり、他者に危害を加えたりできる環境であれば、人権を制限してまで入院させる意味がないので、そんなことは100%あり得ない。万が一そんなことがあれば、当然ながら病院の責任問題になる。
そもそも精神医療の基本は、脳の自然治癒力によって病が改善されるための時間を稼ぐことであるから、自害や他害を防ぐことは基本中の基本である。現実の精神病院がこの映画のようないい加減な場所だと思われると、精神医療に関わっている人たちは大変迷惑するだろう。小諸高原病院はシナリオをチェックして、このようないい加減な内容であったならば、撮影を拒否するべきだったはずだ。
もっとも、物語の始まりとなる、死刑の執行に失敗したから精神病院に丸投げ、なんていうこともある訳がない。そんなの死ぬまで絞首を繰返すに決まっているでしょうが。「これはあくまでもフィクションだから、考証がいい加減なのは許してね」とでも宣言しているつもりか?
死刑の理由になった事件だって、あんな殺されても文句を言えないようなことをした相手を殺したところで、死刑になる訳がない。精々懲役10年位のもので、初犯で素行も良い人物となれば執行猶予がつくかもしれない。
例えば「万引き家族」に登場する柴田家のような家族が実在する訳はないが、柴田家を構成する個々の要素は全て実際の事件に基づいているため、柴田家の実在感には説得力があり、「家族の名に値するのは、すべてが嘘で塗り固められた柴田家と、血縁だけで愛情はない世間の家族と、どちらなのか」という視座の転換を観客に要求することに成功している。これが優れた社会派映画である。
一方で、この映画の主題は、病んでいるのは精神病院の中にいる人なのか、それとも外にいる人なのか、という視座の転換を観客に要求するところであると思うが、「そもそもこんなことは起こり得ない」が事実である以上、この映画は主題を成立できていない。
フィクションとしては面白かったし、役者の演技は良かったから☆0.5とはしないが、仮にも社会派ドラマを目指していたであろう映画がこれでは、映画を作った意味がない。
平山秀幸監督って、こんな雑な映画を撮る監督でしたか?「ザ・中学教師」の方がずっと良かったよ。
俳優さん達の演技は最高なのに中身が。
うーん。閉鎖病棟の話のリアリティーが酷過ぎる。他の方のコメントにもある通り、話の部分で納得いかない部分がかなりありすぎ。あんな管理のあまい閉鎖病棟なんて聞いたことない。薬物中毒者で放火までして危害を加える患者を病院だからといって普通に自由に野放しさせる?もし、この映画を見て閉鎖病棟はそういうことがあると思われるのは、患者さんにとっても凄い弊害だと思う。
小松さん綾野さんそして鶴瓶さんの演技は素晴らしいだけに、とても残念でした。
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