閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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熱計ったら風邪だったみたいに簡単なら
精神病の映画なので差別的にならないかとか余計なことを考えながら鑑賞。
私も仕事が忙しくストレス溜まって薬を飲んだことがあるので他人事ではない。37度以上は風邪。とハッキリした診断基準が無いので、このままストレスが溜まったらどうなってしまうか、心配ていました。今は、良い意味休み休みゆっくり仕事をして、ストレスとの付き合い方を学んだのでよかった。
言いたいことは、心の病気は風邪みたいたもので、誰だってかかる事があるということ。特に真面目な人、優しい人、自分が強いと思っている人ほど追い込まれる。
映画の話に戻すと、私が住んでいる地域にも精神科が専門の病院がありますので、病院の外の人の気持ちも分かる。また、不安になる患者の気持ちも分かる。
この映画では、病院の中の外の人の方がよっぽど酷い。自分は病気にかからないとでも思っているのだろうけど、「頭がおかしい人」とか言えてしまう方が恐ろしい。
ストーリーはある程度ストレートな話で、予想を裏切るような内容ではななかったけど、小松菜奈が初めて喋るシーンと、鶴瓶が喋らなくなるシーンにウルっと来ました。
綾野剛は、楽園と続けて優しい青年の役でちょっとリンクしてしまった。発作のシーンはさすが。
鶴瓶は個人的に大好きで、ほぼ全てのバラエティ番組を見ますが、役者としはあまり好きではなかった。標準語喋るだけで違和感。ただ、この映画では関西弁。こっちの方がいい。しゃべらない演技はとても良かった。
小松菜奈ももともと好きな女優さん。相変わらず可愛い。ただ、この役は女優としても大きな一歩。暗い、辛い役ですが、叫ぶシーンが良かった。
117分では足りないのだろう。
※まだこの映画を観てない人は読まないで下さい。
題材、役者さん、設定、たぶん全て完璧だと思います。
材料は完璧。
ただ料理を盛る器が小さ過ぎたかと。
原作を読んで無いのですが、原作ではここをもっと深くしといてくれと願いたくなる。まるで、原作の宣伝のような映画とでもいうのでしょうか。
感情移入が追い付かず、泣くに泣けないなぁ。と思っていたらもうエンドロール。といった感じ。
全く理解出来ない副題を付けるくらいなら、2部作にすれば良かったのにと思いました。
しかしながら鶴瓶さん、小松菜奈さん、役者さんの演技は素晴らしかったです。
タイトルは少し違くない?閉鎖のイメージないです。
なかなか重い映画でした!
事情のない人はいない
誰でも人に言えないことや悩んでいることがある。というのは当たり前のことで、それをセリフで言わせておきながらそれを表現していない映画、というのは本当に矛盾している。
彼らの場合は事情ではなく、物語の中のそういう設定の登場人物にすぎない。要するにステレオタイプに俳優をはめ込んだだけに見えました。
事情というのはもっともっと複雑なものです。一言二言で説明できるようなものじゃなく、その人ならではの事情が必ずあります。人の事情というのは他人には思い付かないようなとんでもない、想像はるかに越える事が多々あります。ですがこの物語の中の事情はまったく想像の範囲内。まさにステレオタイプです。
もっと深い、個人それぞれの物語が見たかった。原作はそうであるといいなと思います。
残念
淡々と
コメディーではないので笑う事はできなかった!
事情のない人間なんていない
胸にキリキリと突き刺さるがとても重厚な人間ドラマです。
個人的に気になる女優さんの一人である、小松菜奈さんが出演している事と、予告編などで鶴瓶さんが叫んでいる台詞が“コラッァア!”と怒鳴っているのか、“来るなぁ!”と言っているのかが、どうにも判明せずw、そんな所も気になって観賞しましたw
で、感想はと言うと、良かった。
とても重い話ではありますが、とても良い人間ドラマです。
全体的に重々しく、淀んだ空気が立ち込める様な圧迫感と閉塞感。
胸をキリキリと締め付けられる様な緊迫感。
重く悲しい出来事に胃が痛くなる様な切なさと悲しみ。
人を平気で傷つける輩に胃が熱くなる様な怒りが込み上げる
時折見せる幸せなシーンには安心と言うか、ホッとする。
全体的にやっぱり重いのに、目が離せない。
117分と言う上映時間中、目を離さず観賞してました。凄い骨太のガツンと来る作品です。
ここから結構ネタバレになりますが、最初に難を言っておくと、小松菜奈さん演じる由紀を陶芸工房で暴行する重宗の入院する理由がはっきりされてないので、“なんで、こんな男を入院させているのか?”が不明瞭過ぎる。
もう、何かしらで事件が起こる事のフラグが立ち過ぎている事。
次に重宗を監視している病院の職員がマヌケ過ぎる。売店で雑誌を読んでいて、目を離している隙に事件が起きたって、“どんだけ熱中して読んどんねん! お前が職務怠慢してるから、あんな事件が起きたんやんけ!”と怒りが込み上げる!
ちょっと目を離しているのが長すぎるし、それでいて見つけられてないなんて、ちょっとどうかなと。
最後に暴行された後に病院を抜け出した由紀がどうして看護師見習いまで立ち直ったかが、描かれてないのが惜しいと言うか、そこはきちんと描かないと。
てっきりスナックから出てきた恰幅のよいオバチャンが立ち直るきっかけを与えるかと思えば説教してスルーw
家族の元にも帰れない由紀がどうやって立ち直ったかは確りと描いて欲しかったです。
最初の鶴瓶さん演じる秀丸が死刑執行されるシーンからいきなりガツンとかまされました。
モノクロで重々しく、固唾を飲んで観ている緊迫感。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラストを思い出すかの様な重々しさです。
精神病院と言う、一般的には外部に開放されずらい中での描写はなかなか難しいものがあると思います。リアルに描き過ぎると必要以上に生々しいし、かと言って中途半端に表面だけなぞった様な表現では軽くなる。
人権問題や倫理モラルが厳しく言われる昨今ではなかなか難しいかと思いますが、劇中の精神病院内部の描写だけでも十分に閉鎖感が漂ってきます。
鶴瓶さん演じる秀丸と綾野剛さん演じるチュウさん、小松菜奈さん演じる由紀の三人が中心に話が進みますが、それぞれが抱えた過去はどれもヘビーです。
中でも秀丸と由紀は重すぎる。
認知症の母親と妻を養いながら、悪天候から仕事を早引きした秀丸が家に帰ると妻と役場の職員が不貞を重ねている。カッとなって妻と男を殺害し、介護が出来ないから、母親も手を掛ける。
死刑が執行されるが、奇跡的にも息を吹き返す。
この一連の話で15年前に京都で起こった認知症の母親の介護が経済的にも出来なくなり、母親と一緒に心中を図った男性の事件を思い出しました。
もう、これだけで胸が締め付けられ、胃がキリキリと痛くなります。
由紀は義理の父親に暴行され、入院の際の検査で妊娠が発覚。病院の屋上から投身自殺を図るが奇跡的にも助かる。でも身籠った子供は流産。
父親が退院を促して家に帰るが、母親に義理の父親と別れてと嘆願しても母親は父親との出来事を知っていた。
そんな由紀が心の拠り所にし、立ち直ろうとしたきっかけの病院の中でも暴行される。
もう胃が痛くなると言うか、怒りが込み上げてくる。
病院を抜け出し、ビルの隙間で慟哭するシーンは悲しすぎる。こんなにも酷い目に何故合わなければならないのかと思ってしまう。
個人的には弱者を面白がって暴行するシーンは大嫌い。
女性を力で暴行する様なシーンは吐き気を催し、怒りが込み上げる。
何度途中で誰か助けてくれないのかと思っても、義理の父親には妊娠させられ、重宗にも工房で暴行される。
もう腹が立つと言うか、こんなシーンを描かないと駄目なのか?と思ってしまう。
いろんなシーンの描写で感情移入や思いを馳せさせる手法は分かるけど、出来ればこう言った描写は観たくないんですよね。
三人の中で1番軽く感じるw、チュウさんは1番まともに見えるが、突発的なきっかけで幻聴に悩まされている。
精神病院に入院しなくても良いかもしれないが、精神病院に入院してないとどうなるのかと言う強迫観念に苛まれる。
退院して母親との再会時の“おかあちゃん”にはホロッと来ました。
三人ともとても難しい役柄を演じられてますが、どれもキリキリと突き詰められる役の心情に胸が痛くなりました。
先日公開された「楽園」にも綾野剛さんは出演されていて、ヘビーな作品に立て続けですが、綾野剛さんも小松菜奈さんも今までのキャリアの中でもかなり難しい役をされたかと思いますが、とても良かったです。
また、小林聡美さん演じる看護師長の井波が良い。厳しくも暖かいサポートで精神病院と言う閉鎖された空間に暖かさを覚えます。
また、退院時のチュウさんに送った言葉の“ダメだった帰ってきても良いんだよ”の言葉にはホロッと来ました。
厳しい言葉を投げる事で相手に奮起を促す事もあるけど、誰もが皆強い訳ではない。
一歩踏み出す先には心が折れそうな時に優しい言葉が励みになる事もある。
精神病院から退院して踏み出す者だけでなく、観ていてもホロッと来る優しい言葉でした。
あと入院患者の平岩紙さん演じるキモ姉も良い感じ♪
“若いコばっかり優しくして!”と悪態をつきながらも、チュウさんが退院時には窓から“二度と戻ってくるなよ!”と言う言葉には彼女なりの優しさが感じます。
山中崇さん演じる由紀の義理の父親と渋川清彦さん演じる重宗には本気で怒りと殺意を覚えました。
でも、これも役者さんの技量が観ている側に映画にのめり込まさせている訳ですが、…やっぱりムカつきますw
演じられる役者さんの熱が伝わる中で、外出した際の公園での食事や記念撮影はとても良いシーンで、また由紀が橋から見る夜明けの空はグラデーションがとても綺麗。
久し振りに夜明けの空を見たくなりました♪
外出した際に四人、特にカメラを持った昭ちゃんが外出先でいじめられたりするんではないかとドキドキしましたが、それが無かったのと良い♪
幸せな時間は出来るだけ壊してほしくないんですよね。
クライマックスの裁判所での証人喚問の場面は見応えがあります。
あの事件をまた思い出すのかと言うのが観ている側にも突き刺さる。
精神病院と言う、行き詰まりの様な空間にそれぞれが事情を抱えて入院し、退院する際も全ての人が希望を持って退院する訳ではない。
秀丸の台詞にあった“ここに長く居てたら、患者と言う生き物になってしまう”は真理ですが、世間の風は冷たく、ここでしか希望を見出だせない事情だってある。
決して他人事ではないし、何時如何なる時に自分や家族がそうなるとも限らない。
それぞれの立場での事情もあるから、一概に入院させた家族だけが悪いとも限らないが、少なくとも人に優しくなりたいと思います。
だからこそ、重く突き刺さる内容ですが、見失いがちな小さな光を示してくれる。
そんな風に感じる映画で観て良かったです。
長文になりましたがとてもお薦めの作品です♪
少し虚しい気持ちに。
僕は福祉の勉強をしていて、精神病院の実際を見た経験があるので、この映画は以前から絶対に見たいなと思って今日友達と見にいきました。
感想としては精神科病院の病棟の様子や精神疾患の症状であったり、とてもリアルに描かれていました。話の内容もとてもよかったです。
しかし、病院のあまりにもずさんな対応や患者の方々の様子も症状の部分ばかりを取り上げているように思えてしまって、映画だから仕方ないと分かっていても「実際はこんなことないのに。」と思ってしまう部分も沢山ありました。何も精神科の病院について知らない人が見たら怖い印象や偏見みたいなの強くが残ってしまうのではないかとなんだかモヤモヤした気持ちになってしまいました。
以前の日本だったらこんな病院もあったのかもしれまん。それは僕には分からないけど、少なくとも今はしっかり体制が整っていますし、こんな病院はないんじゃないかなって思います。
なんか、言いたいことはいっぱいあるけど、この映画をみて精神障害者の方々の「生きずらさ」みたいなを知ってくれる人が一人でも増えてくれたら嬉しいですし、改めて障害者の方々が住みやすい日本になったらいいなって思いました。
よし、勉強頑張ろ。
「病気」にある背景をみつめて
原作未読 妄想、自傷行為、常同行為、暴力、暴言、幻視、幻覚、不眠 社会で生活することが不適合とされる行為(症状)が現れると、その不適合な症状をしっかりと受け止め、療養する精神科病院 一昔前はその密室性から様々な事件が報道もされ、「開放化」の流れになっている中においても、家族や社会との関係が損なわれてしまい、長期の入院にならざるを得ない現実も依然としてあります「周囲からのすすめ」で医療保護入院の形態をとっていても、帰る場所がなければ任意入院にならざるを得ない背景もあるのでしょうか
医療者ではなく、患者同士の関係から描かれるところで、「病気」に至った背景を思わざるを得ません 不適合な症状を「抑え込む治療」と共に、陶芸や書道、絵画などの「創作活動を地道に取り組む治療」に作業療法士さんや精神保健福祉士さんが現実には取り組まれていて、地道な精神科医療の現場もよく描かれていました 売店や屋外の様子、外出許可や金銭の所持など、今の精神科病院の姿もわかります 患者同士のおもいやりのようなものの存在に、希望を持ちたいと思うラストでした (11月2日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
拘置所の塀より、高い壁。
昨日から泣きっぱなしなんだが、俺。平山作品ですよ。おいしい設定を尻すぼみさせる名人と、勝手にイメージしていた俺に、罰が降りましても今回は文句言えません。良かった。とっても。
家族から捨てられた、社会から見捨てられた棄民の棲家。いや、そんなに甘くない無い。捨てられただけでは無く、社会とは、目には見えない高い壁で隔てられていて出られない。いや、更にタチが悪いのは、あちら側の都合で壁の中から勝手自由に、引っこ抜かれる事もある。
痛い。人のささやかな幸せを壊すのは、人。寂しいと、孤独だと打ち明けられない、自分自身が作り出している真の孤独。痛々しくて見てるのが辛い。
自分の意思で立ち上がれば、超えられない壁は無いぞ、お前ら。
って言う話。
ちょいダサの古臭い日本的な音楽が好きなのと、各役者さんのセリフ少なめな演技も良かったです。
重かったけど救いはあったかな⁈
これも重い重い映画でした。『友罪』を観終わった時と同じくらい。ただ救いは法廷での小松菜奈さんと綾野剛さんの言葉、そして鶴瓶さんのエンドロール前の生きることに再び向かおうとする姿でした。精神病院というセンシティブな題材をうまくまとめられたストーリーですね。原作の力なのでしょうか?全体として重く流れる空気の中、それぞれの役者さんたちの演技が光る作品だったと思います。鶴瓶さんは落語家でありながら即興でドラマを演じる『スジナシ』(名古屋CBCで数年前まで放送)でも定評がありましたが、法廷でのセリフなし、表情だけでの演技は秀逸でした。綾野剛さんはここのところ映画出すぎ感は否めませんがそれだけ監督さんたちから求められていることの証なんだと思えるだけの熱演でした。そして最も驚いたのは小松菜奈さんの存在感です。心に闇を持ち閉ざされた表情から2人にうち解けていく中での表情の変化。そして1人号泣する姿には自然と涙が出ました。今までのティーン向け恋愛映画はあまり観る機会がなかったのですが、この前観た吉岡里帆さんのごとく彼女がこれから映画界で確実に成長するであろうことを予感させる作品なのではないでしょうか?脇を固める小林聡美さんや平岩紙さん渋川清彦さんも見事な存在感でした。強いて文句をつけるなら、今回平山監督が脚本も手掛けていますが、脚本家に任せられた方がテンポよく暗くなり過ぎずに出来たのではなかったのでは?なんて思いました。
事情をかかえていない人間なんて、いないからね。
閉ざされた世界で寄り添いながら生きている人たち。重くて暗くて気が滅入る。
ああ、ここに自分がいなくてよかったと思ってしまう人間の醜さを自分の心の中に見つけてしまって凹んでくる。
原作者帚木蓬生の本はどれも、医者たる本人の知識と見解に裏打ちされた深みある物語ばかりで好きだ。だから、凹まされても、懺悔に近い気持ちで素直になれる。この話も、まさにそう。この映画の良さは、それぞれの人物に生きる力がみなぎっていることだ。ときに負の感情に襲われることもある。だけど、たとえ素敵な未来が描けなくても、過去の呪縛から逃げられなくても、自分を信じてくれる仲間がいることの心強さに揺さぶられた。
ただしあれで終わっても、それぞれに困難な人生がまだ続く。むしろ、人生は困難を乗り越えていくものなのだと思えばこそ、彼等に生きていく力がわいてくるのだろう。
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