劇場公開日 2019年11月1日

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「映画としてはこうなる」閉鎖病棟 それぞれの朝 うにたん♪(新型コロナで巣籠もりDVD観賞)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画としてはこうなる

2020年6月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

鶴瓶の罪状は妻と浮気相手、病床の母親の殺害で死刑執行されるも生き残ってしまうと言うのは悲しい。
入院患者も皆一様に悲しい人生を送っているのはよく分かる。
どの患者も精神科では見掛ける症状でさすがに精神科を知ってる人が書いたとは思う。

ドラマとしては患者の望むささやかな幸せの部分と、実際には本当にどうしようもない患者もいると言うのも分かる。

時代背景がハッキリしないが、タイトルが閉鎖病棟なのに玄関先に患者が出歩いているから、どこまでも出ていける状態で結構昔の精神科っぽい。

だが急性期で暴力行為に走りやすい患者の重宗が閉鎖から出てきている事から病棟内でのトラブルになっているのはいただけない。
あれだけの易怒性を持っている患者である重宗が好き勝手しているのは他の患者の治療にも悪い影響があり、しかも看護師付き添いで売店に行き、エスケープされているのはアホらしくなる。

ただ、重宗を悪役として描いているが精神科患者としては描いていない気がするのは不思議だ。

精神科患者も様々であるが、その本質は社会的弱者である為、主人公を含む三人以外は普通に生活することは困難だろう。閉鎖された世界で生きるしかないのだ。
もし我を通し、他人を傷付けた時は退院は叶わない。退院しても適応できなければたちまち困窮し、また舞い戻って入院となる。

では誰のための入院なのか?
本人を守る?
家庭や地域に迷惑だから?

相模原の事件では少ないながらも犯人に同調する意見も見られた事から、作品のように理解と寛容さは拡がらないのが悲しい。

話は戻るが、物語のラストはやや現実感に薄く、私自身は心揺さぶられる事はなかった。

レイプされたユキが病院で働こうとするとか精神が強すぎる。あれはムリがあると思う。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)