「万引きしつつ、人の好意に甘えるのは、どうなのでしょう?」ニューヨーク 親切なロシア料理店 けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
万引きしつつ、人の好意に甘えるのは、どうなのでしょう?
お正月、どうしても洋画が観たくて。今年1本目の洋画でした。それなりに楽しめる群像劇なのですが、誰に感情移入すればよいか悩みました。それでも僕が感情移入したは、看護師のアリスでしょうか?本当にアメリカにアリスのような人がいるのであれば、アメリカもまんざら捨てたものではないな、と思いましたが、彼女の息苦しさも伝わりました。また、ティモフェイ役のビル・ナイは本当に良かった。彼の優しさとユーモアがこの映画を成立させていると思いました。
一方、主人公のクララは可愛いお母さんですが、万引き、無銭飲食しつつ、人の好意に甘えるのは、どうなのでしょう?と思ってしまいました。確かに家出すると極めて無力な田舎の主婦にすぎないかもしれませんが。次男の入院費用をちゃんと払ったの?もちろん、そう考えるのも野暮ですが。
「万引き家族」は誰の好意にも甘えていません。昨年観た、ケン・ローチ監督の「家族を想うとき」でも、本作と同様、ちょっとしたことで、どんどん落ちていきますが(元高福祉国家のイギリスなのに、案外誰も助けてくれないし)、お父さんは決して犯罪はしませんでした。
ちなみにジェフ役の若い俳優さんが、若き日のウィレム・デフォーに似ていると感じたのは僕だでしょうか?
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