劇場公開日 2020年2月14日

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「最低で最高な狂人映画」屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5最低で最高な狂人映画

2021年8月27日
iPhoneアプリから投稿

冒頭からとにかく強烈な一本だった
連続殺人犯の異常な日常が、ひたすら淡々と描かれる。

これはサスペンスなのか?
それともスリラーなのか?
はたまたブラックコメディなのか?

あらゆるジャンルを軽々と横断するカルト映画っぷりはとにかく強烈!

実在した殺人鬼フリッツ・ホンカ。
とにかくこのキャラクターのクセが凄い。
ぱっと見、人畜無害な社会不適合者に見える彼が見せる狂気。
歪みきった性愛。
暴力的な独占欲。
一瞬のユーモラス。
これが恐ろしくも面白い。

ホンカはさながら"ドイツ版"ジョーカーと言ったところだろうか。カリスマ性こそないけれど、本質的には同じと言っていい。いや、むしろジョーカーすら手緩く感じるくらいに救いがないのだ。

最底辺の人間が集まるバーでの最低最悪の会話も最高で、タランティーノ作品も叶わないくらいぶっ飛んでいた。

そんな本作だが、最も衝撃的だったのは本編よりエンディングだろう。
意外なほどの実物再現っぷりに驚かされる。
そしてこの映画がノンフィクションベースである事をふと思い出すのだ。

彼は時代が生んだ狂人などではない。
この男はどこにだっている。
誰だってなり得る。
あなたのすぐ隣に住んでいるのかもしれない。
それこそが、最大の恐怖なのだ。

ジョイ☮ JOY86式。